第5章 国家イノベーションパークの現状
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第3節 済南情報通信国際イノベーションパーク

 済南情報通信国際イノベーションパーク(「国家情報通信国際創新園」(China International ICT Innovation Clusterで、CIIICと略称する)は 中国科学技術部、情報産業部、及び商務部が共同で通達を発し、山東省政府と共同で設立した国家イノベーションパークである。2007年6月22日に済南国家ハイテク産業開発区にて除幕式が行われ、正式に発足した。

 済南情報通信国際イノベーションパークは、「1園2区」、すなわち1園(CIIIC)2区(研究開発区、産業区)と言う構想で建設が計画され、建設総面積は約61.5平方kmである。その内、研 究開発区の建設用地が11.05平方km、産業区の建設用地が50.47平方kmとなっている。更に、物流配送、生活サービス、教育医療などのサービス施設を組み合わせて建設する予定である。

 同国際イノベーションパークは、世界レベルのソフトウェア、集積回路、ネット通信、デジタル機器、情報サービスと言う5つの産業群を建設する方針を打ち出している。また、全 世界のイノベーションリソースを総合的に利用できる「指導区」、世界一流のIT産業「集中区」、及び中国自らのイノベーションを行う戦略的な「中心区」も建設する予定である。2020年までに、同 イノベーションパーク内の年間売り上げは6000億元を目標としている。

 同イノベーションパークの重要な構成要素として既に竣工した「国家情報通信技術研究院」は、総投資が1.5億元で、建築面積は3.7万㎡に達する。また、科学技術部が承認した「 国家集積回路設計済南産業化基地」も同イノベーションパーク内に正式的に設立された。

 国家情報通信技術研究院は、2007年6月22日に同じく済南国家ハイテク産業開発区の情報通信国際イノベーションパークにて落成した。同 イノベーションパークの技術研究開発センター及び技術サポートプラットフォームとして、研究院はCIIICを高速に発展させる「イノベーション・エンジン」と期待されており、情報通信技術の先進的な研究、技 術イノベーション、技術の導入や吸収を行い、更なるイノベーションの研究及び科学技術成果の商品化、産業化を促進すると言う重要なミッションを担っている。

 現在、欧米、日本、韓国、香港、台湾などから有名な情報通信企業や研究開発機関などが頻繁に視察に訪れており、既に入居した企業もある。

 研究院は国内外の研究者を集め、海外と繋がる研究開発及び成果の技術移転メカニズムを模索し、プロジェクトチームを発足させ、重点的にソフトウェア技術、コンピュータ及びコンピュータ周辺技術、通 信技術及び製品、集積回路の設計・製造技術、先進的な製造技術及び制御技術、情報技術の応用プロジェクトといった方向への展開を進めている。