中国におけるサイエンスパーク・ハイテクパークの現状と動向調査

目次

第1章 中国ハイテクパーク・サイエンスパークの全体像

第2章 国家ハイテク産業開発区の現状

第3章 国家大学サイエンスパークの現状

第4章 国家バイオ産業基地の現状

第5章 国家イノベーションパークの現状

第6章 中外共同運営国家ハイテクパークの現状

第7章 その他の国家サイエンスパーク・ハイテクパークの現状


資料1 政策類

資料2 個票類

資料3 リスト類

用語の解説

 本調査報告書における各制度のパークに関する用語について、以下の通り、簡単に説明する。

①国家ハイテク産業開発区

 国家ハイテク産業開発区は、中国語の「高新技術産業開発区」の訳語である。中関村科技園区(Zhongguancun Science Park, 中関村サイエンスパーク)、武漢東湖新技術開発区(Wuhan East Lake Hi-Tech Development Zone)、大連高新技術産業園区(Dalian Hi-Tech Industrial Zone)といった表現も存在するが、ほとんどは「地名+国家高新技術産業開発区」(National Hi-Tech Industries Development Zone)と言う名称になっている。そのため、本調査報告書では「国家ハイテク産業開発区」と言う統一した表現を用いる[1]

②国家大学サイエンスパーク

 国家大学サイエンスパークは、中国語の「国家大学科技園」(National University Science Park)の訳語である。前述した中関村科技園区は、日本ではしばしば「中関村サイエンスパーク」と称されており、同じく「サイエンスパーク」と称されるが、中関村サイエンスパークと国家大学サイエンスパークとは異なる類型に該当するパークである。

国家バイオ産業基地

 国家バイオ産業基地は、中国語の「国家生物産業基地」(National Biological Industrial Base)の訳語である。国家バイオ産業基地は、後に述べる⑥「国家特色産業基地」と並立的な概念であり、それぞれが別々の制度である。

④国家イノベーションパーク

 国家イノベーションパークは、中国語の「国家創新園」の訳語である。国家イノベーションパークは、中国国家中長期科学技術発展規画綱要とそれに沿って策定されたイノベーション戦略・政策の下で、特定のテーマについて、特定の地域の技術的・産業的な特色を生かしながら、中央関連官庁と地方政府などが共同で設立し、運営している。

⑤中外共同運営国家ハイテクパーク

 中外共同運営国家ハイテクパークは、中国と海外の関係機関が海外にて、または中国にて共同で設立し運営しているハイテクパークを指す用語である。

⑥国家特色産業基地

 国家特色産業基地は中国語の原語と同様である。国家特色産業基地は、中国「タイマツ計画」の一環として、中央関係官庁と地方政府の連携強化を通じて、各地域に既存の特色産業の選択と集中を行い、地域経済の振興に直結させることを目的として設立されたものである。中国では国家特色産業基地そのものを「国家タイマツ計画○○○○産業基地」と称するときもある。

⑦国家ソフトウェアパーク

 国家ソフトウェアパークは、中国語の「国家軟件園」(National Software Park)の訳語である。現在、国家ソフトウェアパークの中には、「国家ソフトウェア産業基地」と称されるパークも存在するが、これは前述した⑥国家特色産業基地に含まれるものではない。また、中国では国家ソフトウェアパークそのものを「タイマツ計画ソフトウェア産業基地」と称するときもある。

⑧国家インキュベータ

 中国には「科技孵化器」(技術型インキュベータ)と言う用語がある。これは広義には、前述した②国家大学サイエンスパークや、後述する⑨国家帰国留学人員創業パーク及び「○○高新技術創業服務中心」、「○○孵化器」と名付けられている対象を含む用語である。しかし、前節で述べた調査対象の分け方から、本調査報告書で言う「国家インキュベータ」とは、原則として前述した②及び後述する⑨を除く、国家級の「○○高新技術創業服務中心」(○○ハイテク創業サービスセンター)並びに「○○孵化器」と称される対象を指す意味で用いる。

国家帰国留学人員創業パーク

 国家帰国留学人員創業パークは中国語の「国家留学人員創業園」の訳語である。国家帰国留学人員創業パークは、中国政府が海外にいる留学人員の帰国を奨励する関連政策の一つとして、海外のハイテク分野の留学人材による帰国起業と、科学技術成果の転化を促進させる目的で設立し運営しているものである。

⑩国家知的財産実証パーク

 国家知的財産実証パークは中国語の「国家知識産権試点園区」の訳語である。国家知的財産実証パークは、中国国家知識産権局により実施される「知的財産実証モデル事業」の重要な部分である。認定された知的財産実証パークは、国家知識産権局により指定された実証事業を行い、一定の期間を経て再び審査に合格すれば、「実証パーク」から「モデル建設パーク」へと昇格するとともに、そこで得られた経験や情報は他のパークなどの参考として提出される。

⑪規画

 規画は中国語の「規劃」の訳語である。規画は、中央政府や地方政府が策定する中長期的な構想やプラン、あるいは、政策に用いられる場合が多いが、企業なども中長期的なことを言う場合に「遠景規劃」と言うタイトルを用いる。規画に対し「計画」(原語「計劃」)と言う用語があるが、これは直近の具体的な目標や案件について、どのように実施するかと言う点に重点を置く用語である。

⑫条例

 条例は中国語の原語と同様である。しかし、本調査報告書で言う「条例」は特定の地名が明記されたもの以外、地方ではなく、国家が制定した条例を指す。中国における「条例」は、日本で言う「地方公共団体がその自治立法権に基づいて制定するもの」に限らない[2]

⑬出身企業

 出身企業は中国語の「卒業企業」の訳語である。中国では前述した⑧国家インキュベータを含む多様なレベルの公的・民間の技術型インキュベータが設けられている。創業のために各インキュベータに入居した企業は、自立できるようになり、あるいは、入居期間を満了して、インキュベータから独立する。出身企業は、一般的に、自立できる状態で独立した前者の企業を指す。


[1] 中国には、多様な「開発区」と称されるエリアがあるが、必ずしもそのすべてが中国科学技術部に認定されたエリアではない。例えば50余りの国家「経済技術開発区」(Economic & Technological Development Zone)と言う特別なエリアも存在するが、これらはほとんどが中国商務部が認定しているエリアであり、基本的に「国家ハイテク産業開発区」とは組織的にも内容的にも異なる。このようなことを区別するために、日本では「国家ハイテク産業開発区」と言う表記を用いず、その英訳から「国家ハイテク産業開発ゾーン」と言う表記を使う提言もある(張輝「中国における高成長が続くハイテク産業の現状及び動向(上)」JST中国総合研究センターマンスリーレポート、2007年6月20日)。

[2] 張輝「中国対外貿易法について」国際商事法務(Vol.24、No.4)1996、p415。


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