北京大学

概要

北京大学

名称

・中国語表記:北京大学

・日本語表記:北京大学

・英語表記:Peking University

 「北京」の中国語の読み方は「Beijing」であるが、大学当局は「北京」の英語表記を「Peking」としている。なお中国では、「Beida」と呼ぶのが普通である。

沿革

 北京大学の起源は、清朝末期の光緒帝の勅書によって1898年に設立された京師大学堂である。辛亥革命翌年となる1912年に、京師大学堂は国立北京大学と改称し、中国最初の国立大学となった。1937年の盧溝橋事変以降、日中戦争の戦火を逃れるため、湖南省長沙市、雲南省昆明市に移転し、1946年ようやく北京に戻った。

 1952年、政府による学部・学科の再編方針を受け、北京大学は理学と社会人文学に重点を置き、清華大学の文学部、理学部、法学部を北京大学に統合する一方、北京大学の工学部は清華大学天津大学に移された。また、医学部、農学部も北京大学から分離し、北京医学院(1985年に北京医科大学に改名)、北京農学院として独立したが、2000年に北京医科大学を医学部として再度統合した。詳しい沿革は本章末の資料1を参照されたい。

キャンパスの数と所在地

 本部キャンパスは、北京市海淀区頤和園路5号にあり、中国のシリコンバレーと呼ばれる中関村に隣接し、頤和園や円明園などの歴史遺跡にも近い。本部キャンパス以外に、北京市内、江蘇省無錫市、広東省深圳市に5つのキャンパスを構えている。

  • 北京海淀キャンパス(北京市海淀区学院路38号):医学部がある。
  • 北京昌平キャンパス(北京市昌平区十三陵鎮西山口):北京大学の科学研究基地として位置づけられ、大型研究施設・設備が多く集中している。
  • 北京大興キャンパス(北京市大興工業開発区金苑路24号):ソフトウェア・マイクロエレクトロニクス学院がある。
  • 無錫キャンパス(江蘇省無錫市濱湖区大学城状元道5号):ソフトウェア・マイクロエレクトロニクス学院の無錫産学連携教育基地がある。
  • 深圳キャンパス(広東省深圳市南山区西麗鎮水路深圳大学城北大校区)

学長プロフィール

王恩哥学長

 現在の学長は王恩哥(Wang Enge)である。1957年、遼寧省瀋陽市生まれ。1982年遼寧大学物理学部卒業、1985年同大学で修士号、1990年北京大学で博士号を取得。中国科学院物理研究所、フランス・リール大学、米国ヒューストン大学でポスドクや研究員を務めた後、2009年から北京大学の物理学院院長、大学院院長、副学長などを経て、2013年2月に56歳で学長に就任した。王学長の研究分野は、ナノ新材料の創成および物性に関係する凝集系物理である。中国科学院院士、米国物理学会フェロー、英国物理学会フェロー。

学部、学科の概要

 北京大学は、5つの学部、41の学院・系、271の研究所を有する。学部と学院・系の構成は以下のとおりである。

  • 理学部(数学科学学院/物理学院/化学分子工程学院/生命科学学院/都市環境学院/地球・空間科学学院/心理学系/建築・景観設計学院)
  • 情報工学部(情報科学技術学院/工学院/ソフト・マイクロエレクトロニクス学院/環境科学工学院)
  • 人文学部(中国言語文学系/歴史学系/考古文博学院/哲学系/宗教学系/外国語学院/芸術学院/対外漢語教育学院/歌劇研究院)
  • 社会科学学部(国際関係学院/経済学院/光華管理学院/法学院/情報管理系/社会学系/政府管理学院/マルクス主義学院/教育学院/メディア・伝播学院/国家発展研究院/体育教育研究部)
  • 医学部(基礎医学院/薬学院/公共衛生学院/看護学院/医学人文研究院/医学部公共教学部/医学ネット教育学院)
  • その他(元培学院)

 なお、これらの学部とは別に、欧米の一流大学を参考として、2004年より学際的な研究機関を次々と立ち上げた。代表的な機関として、分子医科学研究所、北京大学清華大学生命科学共同研究センター、国際量子材料科学センター、先端技術研究院、原子力科学技術研究院などである。これらの機関は、国際人材の誘致、国家プロジェクトの実施、ハイレベル研究などの重要拠点となっている。

学生数

 2012年12月現在、北京大学に在学する学生数は35,915名で、そのうち、学部生14,116名、修士13,665名、博士8,134名となっている。図1-1を見ると、大学院生は年々増加していることに対して、学部生はむしろ微減の傾向にある。

図1-1 北京大学における学生数の推移(2007-2012年)

図1

出典:北京大学科研部のデータ

留学生数

 2012年12月現在、80以上の国から3,871名の学生が、北京大学に留学している。留学生の出身国として上位を占めるのは、韓国、米国、日本、タイ、シンガポールである。図1-2は、このうちで学位取得目的の留学生数の推移であるが、年々増加している。

図1-2 北京大学における留学生数(学位取得目的)の推移(2000-2010年)

図1-2

出典:「北京大学第12次5ヵ年改革発展計画綱要」

教職員

 2012年12月時点で、北京大学本部の全教職員数は8,718名である。このうちの専任教員2,533名(女性:672名)で見ると、博士号の取得者は2,125名で全体の83.9%を占めており、修士卒は298名(11.8%)、学部卒は110名(4.3%)である。

 教員の最終学歴の取得先から見ると、北京大学出身者は1,163名(45.9%)、国内の他大学出身者は701名(27.6%)、海外大学出身者は669名(26.5%)である。

 近年、中国の海外研究者帰国誘致政策が功を奏し海外大学出身者が増えているが、その一方、外国籍の教員はまだ80名に留まる。国籍の内訳では、米国45名、カナダ9名、英国4名、オーストラリア4名、オランダ3名、韓国2名、イタリア3名、日本3名、その他7名である。80名のうち、中国系は62名であり、外国籍教員の大半を占めている。

著名な卒業生

 北京大学では、科学技術から政治、産業まで幅広い分野において有名人を輩出している。代表者として、下記の者が挙げられる。

科学技術分野
  • 白春礼(1953年-):物理化学者。1980年代半ばからナノテクノロジーの重要分野の走査型トンネル顕微鏡の研究を始め、主に走査探針顕微技術および分子ナノ構造の研究に従事。中国科学院化学研究所副所長、中国科学院副院長、常務副院長などを歴任し、2011年3月に57歳で中国科学院院長に就任。
  • 周光召(1929年-):物理学者。専門は高エネルギー物理、高温高圧物理。中国科学院院長、全国人民代表大会常務委員会副委員長、中国科技協会主席などを歴任。
政治・行政分野
  • 李克強(1955年-):中国国務院総理
  • 李源潮(1950年-):中国国家副主席
  • 李肇星(1940年-):元中国国務院外交部部長
産業分野
  • 李彦宏(1968年-):中国最大の検索エンジンである百度(Baidu)の創業者であり、現総裁兼CEO。

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