第3回研究会「中国の科学技術政策の概要と国際科学技術協力」/講師:姜 小平(2007年2月8日開催)

 中国総合研究センター主催の第3回研究会は2月8日(木)JSTにて実施されました。

 講師には現在研究のため来日中の中国科学技術部国際合作司の姜小平(Jiang Xiaoping)日本担当課長をお招きし、昨年発表された「国家中長期科学技術発展計画綱要」および「 第8回全国科学技術外事大会」の内容を中心にご講演いただきました。

 同氏講演の要旨は、以下のとおりです。

1.国家中長期科学技術発展計画綱要

 国を挙げて策定した「国家中長期科学技術発展計画綱要」は2020年に向けた今後15年間の中国科学技術発展の戦略的枠組み、未来像を描いた。同「計画綱要」は 中国の科学技術発展に関する課題、問題点、改善策などを明らかにし、「イノベーション立国」というはっきりした戦略目標を打出した。

2.「第8回全国科学技術外事大会」(2006年11月末)で指摘された5つのポイント:

1)国際科学技術協力の拡大
2)人的交流からプロジェクト協力方式への転換
3) 平等互恵の原則
4) 国際協力プロジェクト
投入倍増 18億円 ↑ 45億円
「漢方薬の国際化プロジェクト」、「新エネルギー協力計画」
5) 研究テーマ・創業パーク・人材(三位一体)
1 天津臨海国家生物医薬国際イノベーションパーク
2 済南国家情報通信国際創業パーク

3.文科省ルートの中日科学技術交流

1) 1980年5月に調印した《政府間科学技術協力協定》に基づく中日科学技術合同委員会、11回開催
2007年、第12回合同委員会は東京で開催予定、研究テーマ募集中
2) 行政官交流 2002年始動、各2回実施済み、2007年、日本で実施予定?
3) 中日韓科学技術局長会合:2002年始動、各1回計3回実施済み
4) 中日韓科学技術大臣会合:2007年1月12日、韓国ソウルにて1回目実施
東アジア科学技術協力強化、環境、エネルギー(特に省エネ)、情報分野を重点設定

4.中日科学技術協力の問題点

 日中両国は共にアジアの大国であり、現時点で双方にとって最大の貿易相手国である。中国の科学技術国際協力は対大国、周辺国、途上国の三つに分類し、行われている。日本は中国にとって大国でもあり、周辺国でもあるゆえ、日中間の科学技術協力は大事な二国間協力関係である。しかし、現状は最大の貿易相手国関係および大事な二国間科学技術協力関係に相応しくないように思える。同氏は主な問題点として次の4点をあげた。

1) ハイレベルの共同研究と大型の協力プロジェクトが少ない
2) 欧米に比べて、日中間のハイレベルの科学技術交流が少ない
3) ハイテク、ものづくり分野の交流が薄い
4) 民間に比べて、政府の反応が遅い

5.新しい展望

1) 両国の科学技術協力のシステム・枠組みができている
2) 昨年の安倍総理の訪中により両国間の政治環境が改善された
3) 中国の予算もだんだん確保できるようになっている
4) 共に感心のある研究分野や課題が多くなっている

 なお、同氏講演の後、質疑応答があり、活発な意見交換が行われました。

 研究会には、文部科学省、同科学技術政策研究所及びJSTなど多数の関係者が参加しました。

(中国総合研究センター フェロー 内野秀雄 記)


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