第22回CRCC研究会「金融危機に立ち向かう中国経済-政策と課題」/講師:柯隆(2009年10月8日開催)

 科学技術振興機構(JST)中国総合研究センター(CRC)の主催により、10月8日(木)「金融危機に立ち向かう中国経済ー政策と課題」を題とする第22回研究会がJSTにおいて開催されました。

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 CRCでは世界同時経済危機―グローバル不況のさなかに、中国経済の成長は世界経済が不況を脱するきっかけとなり得るかとの観点から、「中国経済の行方」と 題して全四回のシリーズ研究会を開催いたしております。今回は第3回目として、富士通総研経済研究所柯隆主席研究員をお招きいたしました。。

 柯隆氏は1963年中国南京市で生まれました。1988年来日され、1994年には名古屋大学研究生院经济学修士課程を修了され、同年長銀総合研究所国際調査部研究員として入所された。現 在富士通総研経済研究所の主席研究員をされております。

 著書には『中国の不良債権問題』のほか、『中国の統治能力』、『中国に出るか座して淘汰を待つか』、『最新中国経済入門』など多数あります。

 柯隆氏の講演では、中国経済の内実、中国経済の今後の展望、金融危機を乗り切る正しいポリシーミックスおよび中国社会が直面する構造問題の4つのセッションに分けて、近年年率10%に 近い高成長を遂げてきた中国経済について細かく分析、議論、展望しました。

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 中国は今年建国60周年を迎えました。1970年代末に改革開放に転換してから、現在GDP、輸出入合計総額とも世界第三位の経済、貿易大国になり、世界におけるプレゼンスが高まっています。成 長し続ける中国経済は、その不安な要素がないでしょうか?2008年の中国経済減速の本当の理由はなんですか?去年11月9日に経済対策のため中国政府が打ち出した4兆元(役56兆円)の 財政出動の配分はどうなっていますか?懸念される財政赤字の拡大はどう解消されますかなどさまざまな注目される疑問について解析されました。4兆元の財政出動をしているにもかかわらず、雇 用対策が含まれていないことに理解できないと柯隆氏が指摘しています。中国にとってもっとも重要な政策課題は雇用の創出である。雇用吸収の受け皿はサービス業であり、つ まりネットワークがベースとするサービス業の育成が必要であると柯隆氏は主張します。そのほか、雇用機会の不公平な配分による所得格差の拡大問題、投資に依存しすぎる体質、過剰投資をもたらす過剰貯蓄、消 費率の低下、低所得層に対する社会保障制度の整備などの問題について論じました。最後に2009年以後の中国経済を展望して講演は終了いたしまいた。

 今回の研究会は、台風18号が関東上陸のさなかに開催したにも関わらず、多くの官公庁、企業、大学、研究機関、報道機関、及びJST関係者が参加されました。大変にお疲れ様でした。この場を借りて、謝 意を述べると同時に、今後とも皆様のお役に立つ各種研究会を企画、開催してまいりたいと思いますので、引き続き皆様の温かいご支援、ご協力をお願い申し上げます。

 講演後の質疑応答では活発な議論がなされ、非常に有意義な意見交換会となりました。最後に中国総合研究センター・藤嶋センター長による挨拶により閉会いたしました。

(中国総合研究センター フェロー 米山春子 記)

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