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【12-001】中国-ASEANが科学技術協力を推進

中西 章(科学技術振興機構 北京事務所長) 2012年11月27日

「ASEAN加盟国に向けた科学技術政策・管理研修コース」を実施

 中国科学技術部(MOST)国際合作局の主催により、中国科学技術交流センターを事務局とした「ASEAN加盟国に向けた科学技術・管理研修コース」が2012年10月7~21日、広 西チワン族自治区南寧市で実施された。

 当該研修コースは、MOST国際合作局が実施する科学技術国際協力事業の一環として位置付けられ、発展途上国の科学技術能力の向上に協力することを目指すものである。

 ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、ミャンマー、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム及びASEAN事務局から科学技術担当の高級行政官19人が、今回の研修コースに参加した。1 0月8日の開講式では、中国科学技術交流センターの孫洪センター長が歓迎の辞を述べ、MOST国際合作局の阮湘平参事官が基調講演した。研修コースのメンバー、一 部のASEAN加盟国の在中国大使館アタッシェ及び技術視察実施機関の関係者ら40人余りが出席した。

 「中国-ASEAN科学技術大臣会合」(2012年9月22日)の決議を貫徹するため、「中国-ASEAN科学技術パートナーシッププログラム」の重要な内容として、当該研修コースは、政策講演、技 術視察、セミナーなど多様な形式によって、中国の科学技術管理の施策や経験を重点的に紹介し、中国の科学技術発展の成果を宣伝した。MOST政策体制局の翟立新副局長、同ハイテク局の胡世輝副局長、同 社会発展局の孫成永参事官及び他の局の幹部らが講義し、議論を交わした。研修チームのメンバーは、中国農業科学院、中国農業機械化科学研究院、中国気象局、中関村科学技術園区、張江ハイテクパーク、上 海技術取引所、上海研究開発公共サービスプラットフォーム及び広西チワン族自治区白色市国家農業科学技術園区を視察した。

 各国の参加者は研修を通じて、中国の科学技術体制と政策に対する理解を深め、代表的な企業と機構による関連政策実施の事例を学んだ。また、中国との深いレベルでの科学技術協力実施に関する希望を表明し、さ らに、各国の代表はそれぞれ自国の実情に応じて、中国-ASEAN間の科学技術協力を推進するための提言を発表した。「中国-ASEAN科学技術パートナーシッププログラム」の基盤を十分に活用し、二 国間及び多国間によるサイエンスパークの整備、科学技術人材の育成と交流、農業・バイオ・新エネルギーといった分野及び青少年に対する科学技術知識の普及・教育などの分野で、中 国との協力を強化することに対する期待を表明した。

「中国-ASEAN加盟国科学技術協力セミナー」を開催

 上述した「ASEAN加盟国に向けた科学技術政策・管理研修コース」カリキュラムの一環として、MOST国際合作局は10月19~21日、南寧市で「中国-ASEAN加盟国科学技術協力セミナー」を 開催した。ASEAN諸国からブルネイ、インドネシア、タイ、ミャンマー、ラオス、カンボジア、ベトナム及びマレーシアの8か国の行政官16人及び中国科学技術交流センター、広西チワン族自治区科学技術庁、広 西大学及び各研究機関の代表ら50人余りがセミナーに参加した。

 中国科学技術交流センターの王艶・副センター長、広西チワン族自治区科学技術庁の彭枝・副巡視員が挨拶した。彭氏は挨拶の中で、中国-ASEANの科学技術協力の現状を紹介した。A SEAN8カ国の代表はそれぞれ、自国の科学技術の発展の現状、対外交流・協力及び中国との科学技術協力の方向性と重点について発表した。王・副センター長は、中国-ASEANの協力の展望について述べ、A SEANの代表が今回の研修コースの実施を契機に、科学技術協力事業をさらに前進させるよう期待を表明した。

 参加者は、セミナーのほか、中国-ASEAN博覧会コンベンションセンター、百色市国家農業科学技術園区を視察した。

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(編集部注:本稿は、中国科学技術部のウエブサイトに掲載された中国語の記事の大意を日本語に翻訳したものである。)