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【16-05】死者42人避難者10万人超す 熊本地震で主要インフラも寸断

2016年 4月19日 中国総合研究交流センター編集部

 14日夜以降、熊本県を中心に頻発している地震はさらに発生場所が拡大する動きを示している。17日昼夜2度にわたって記者会見した菅官房長官は、死者は41人(その後1人増えて42人に)、重 傷者211人、軽傷者883人、停電が約5万6,000戸、ガス供給停止が約10万5,000戸で、断水が約25万8,000戸という被害状況を明らかにした。1 6日時点で熊本県内681カ所の避難所に約9万人いた避難者はさらに増えて11万に上るとみられている。

 熊本空港が使用不能になるほか高速道路、新幹線などの主要インフラが寸断された状態が続いている。熊本県内の自動車部品工場などが操業停止に追い込まれた結果、ト ヨタ自動車が18~23日に全国の完成車工場を順次操業停止にすると発表するなど、経済活動への影響も九州圏にとどまらない様相を示している。

 ビルや家屋などの被害は、14日夜にマグニチュード(M)6.5の地震が起きた後、地震が頻発し、さらに16日未明に追い討ちをかけるようにM7.3の地震が発生したことでさらに拡大した。M 7.3という地震の規模は、1995年に阪神大震災を引き起こした地震の規模と同じで、最初に起きたM6.5に比べ地震のエネルギーは約16倍も大きい。さらに16日朝には大分県でもM5.3の地震が発生した。 

 気象庁は、14日夜の地震より規模が大きな地震が16日未明に発生することを予測していなかったことを認め、今回のような地震の起き方は前例がないとしている。今後は、最 初の大きな地震を起こした区域から、地震発生場所が南東方向にも伸びる可能性も指摘している。

写真

写真1 18日夜の「熊本地方を震源とする地震非常災害対策本部会議」であいさつする安倍首相

(首相官邸ホームページから http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201604/17saigai2.html

 政府は、「平成28年(2016年)熊本県熊本地方を震源とする地震非常災害対策本部会議」を設置、安倍首相は16日午前に開かれた6回目の本部会議で「避難の長期化も予想される。住 環境の確保なども含め、被災者の支援に万全を期すよう」関係機関に指示した。さらに17日夜の8回目の本部会議で、「激甚災害の早期の指定をはじめ、普通交付税の繰り上げ交付、必要となる予備費の投入など、政 府として、あらゆる手段を尽くしていく」との決意を示した。

 また程永華中国駐日本大使は蒲島郁夫熊本県知事にお見舞いの電報を送り、地震における犠牲者に哀悼の意を表した。

関連リンク: 中華人民共和国駐日本国大使館HP
地震の被害に熊本県知事へ見舞い電 程永華大使