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【16-10】東アジア地域地震火山災害情報図完成 各国の災害対策に貢献期待

2016年 5月23日 小岩井忠道(中国総合研究交流センター)

 東アジア地域で過去に発生した大規模な地震、火山噴火、津波による災害情報を1枚の地図に表示した「東アジア地域地震火山災害情報図」を、産業技術総合研究所が20日、公表した。画像データは、ウ ェブサイト(https://www.gsj.jp/HomePageJP.html)上の地質図カタログ(アジア地域の地球科学図)のページからだれでもダウンロードできる。 

 地図には、記録として残っている1850年以降の地震に関する情報や、重点的に新たに収集した1400年以降の火山噴火に関する情報が表示されている。地震については、地震の規模と震源域、震源の深さ、地 震に伴い発生した津波の情報に加え、犠牲者の数も火災、津波、建物の崩壊、地すべり、関連死に分けて示している。火山噴火についても、大規模火砕流や降下火山灰が及んだ範囲を破線などで表示した。高 解像度のデジタルデータとして作成されているため、特定の地域だけを拡大して、より詳細な情報を入手することもできるようになっている。

 産業技術総合研究所は、東日本大震災後の2012年、「東アジア地域地震火山災害情報図」作成プロジェクトを発足させた。プロジェクトには、中国地震局地球物理研究所、台 湾中央研究院地球科学研究所台湾大屯火山観測所、インドネシア火山地質防災センター、フィリピン火山地震研究所、ベトナム科学技術院地球物理研究所という東アジア地域の5地質調査機関も参画した。

 これら東アジアの地質調査機関が災害情報図を活用し、東アジアの災害対策にも大きく貢献することを産業技術総合研究所は期待している。

関連リンク:産業技術総合研究所プレスリリース
東アジア地域の地震と火山噴火に関する災害情報図が完成