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【16-26】中国大使館「中国留学経験者の集い」を開催

2016年11月30日 中国総合研究交流センター編集部

 11月22日、中華人民共和国駐日本国大使館にて、「中国留学経験者の集い」が開催された。

 主催の中国大使館からは程永華大使、汪婉大使夫人、阮湘平参事官、胡志平参事官ら大使館の各部門の責任者が参加した。

 冒頭のあいさつで程大使は、「日本人の中国留学の歴史は非常に長く、遣隋使・遣唐使の時代までさかのぼることができるが、特に中日国交正常化の実現以降、今 日まで両国の留学生の往来によって双方の国がさまざまな影響を受けてきた。また、留学経験者は両国国民の相互理解や友好的な関係を構築するうえでも大きく貢献してきた。今回の集いに参加されている皆さんには、今 後も日中の架け橋となってますます活躍されることを大いに期待したい」と述べた。

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写真1 程永華大使による開会あいさつ

 つづいて胡参事官は「当大使館は、日本の若者が中国に留学して学ぶ機会を得るための応援・サポートをしていく。また、中国に留学していた卒業生が『同窓会』を立ち上げ、日中両国が各分野で交流・連 携できるようにサポートしていく」と参加者にアピールした。

 北京語言大学への留学経験のある公明党の西田実仁参議院議員は、まず今回のイベントを企画した程大使をはじめとする大使館関係者に謝意を表し、留 学経験者同士が顔を合わせて交流を促進することは大変意義のあることで、参加者にはこれを機会にますます日中友好に尽力していただきたいとスピーチした。また西田議員はお茶を飲む際、中 国式のように茶葉を直接湯のみに入れて飲む習慣がついたという、現在の生活にまで深く影響があるほど、留学生活が心に、そして体に染み付いている自身の例を紹介した。

 民進党の近藤昭一衆議院議員は北京語言学院へ留学していたというが、その際の経験が現在の政治活動の原点のひとつとなっていると述べ、そして参加者全員により深く中国という国を理解するとともに、日 本の真実の姿についても中国に向けて発信して欲しいと語った。

 また、本会に出席した文部科学省の松尾泰樹審議官(高等教育局担当)は「現在、中国から日本に来ている留学生は9万人以上、日本人で中国へ留学している学生は1万人以上いるが、留 学経験者はそれぞれの国で学んだことを将来に役立てて欲しい。私自身、北京の日本大使館で仕事をしていたが、かけがえの無い経験として胸に刻まれており、今でも役に立っている」と留学の意義を強調した。

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写真2 文科省の松尾審議官

 今回の集いに参加した留学経験者は約180人で、会社経営者、会社員、公務員、大学関係者、団体職員、学生など多岐に渡っており、そ れぞれが中国への留学の経験を生かして各分野で大いに活躍しているという。また留学時期も80年代からつい数ヶ月前までと非常に幅広く、80年代のインフラが十分に整備されていなかった中国と、急 速な発展を遂げた現在の中国との大きなギャップも参加者の間で話題となった。

 留学以来数年ぶりに顔を合わせた同級生が当時を懐かしんだり、本会をきっかけに留学経験者同士で知り合い日中ビジネスに関する話題で盛り上がったり、日中交流事業の関係者同士による情報共有、中 国赴任予定者の現地の情報収集など、参加者のそれぞれが本会を有意義に過ごすことができた。

 このような大使館が主催する留学経験者向けのイベントは、フォローアップとしては非常に重要で、日中両国をよく知る人材の交流が促進されることにより、両国関係の改善や学術・研究領域での協力、二 国間ビジネスそして文化交流など幅広い分野で将来的に好影響が及ぶことが期待できる。