【13-008】第32回日中学生会議本会議への参加について

管婷婷(日中学生会議広州組織委員会主席 広東外語外貿大学)   2013年 9月10日

 私が日中学生会議(CJSC)に初めて関わったのは2012年の夏休みです。その年、第31回中国会議外交分科会広州地区の参加者として、私は学生の運営するこの団体に深い感銘を受けました。そ のため広州組織委員会改選時に、留まることを選択し、第32回日中学生会議広州組織委員会実行委員長になりました。

 多くの人が「日中学生会議は一体どのような団体なのか?」と尋ねるでしょう。参加する者から組織する者へ、享受する側から提供する側へとなった私にはこう答える資格があると思います。「 日中学生会議は自らを再形成する舞台である」と。私たちは交流の中で成長し、成長の中で変化し、変化の中で成熟し、そしていつの日か国を支える柱となるでしょう。青少年は国家の未来であり、青少年が情報に疎く、己 を知らなければ、最終的に国の停滞を招きます。私たちと日本は一衣帯水ですが、互いに対する印象は主観的評価にとどまっているのではないでしょうか? 知識と理解の不足こそ、最も恐ろしいことです。

 2013年、日中関係が緊張する中、互いの国民に対する印象は悪化し、誤解と矛盾が深まりました。この年の第32回日中学生会議本会議は予定通り8月に開催されました。私は13日間の日本滞在で、多 くの感銘を受けました。これは大きく「国民性」「人と自然」「多様性」「システム化とオートメーション」の4つに分けられます。

 サービス業の行き届いた礼儀、乗り物を待つ際の整然とした列、見知らぬ人でも交わす挨拶など、日本人の民度の高さはかねてより聞いていました。しかし、これらは自ら経験して初めて、はっきりと理解し、心 打たれるものです。一国の国民性というものは、その国の伝統の上に築かれ、その後都市の近代化によって再び整えられます。私は日本の国民性は伝統と近代化の相互作用の産物だと思います。日 本特有の小さくきめ細やかであること、そして優美さは賛嘆に値します。しかし、社会背景と社会文化の違いは国民性の違いを生みます。私たちは比較する中で改善の機会を求めることができますが、そ のことで特定の国民の民度が高いか低いかを一方的に評価してはなりません。最も印象深かったのは花火大会です。一日の疲れが残っていても女性たちは入念におしゃれをし、伝統衣装を身にまとい、男 性たちも黙々とお供をします。大通りは花火を見ようと待つ人々で身動きもできないほどにぎわいます。中国では、同様の伝統的集会はなかなか思い当たりません。伝統は人々の心を一つにする機会であり、自 らの国民性に国民が一体感を覚えるかどうかはその国の安定と発展に直接影響し、特有の国民性は特有の文化継承に他ならないと私は考えます。

 日本では人と自然が極めて近い関係にあります。日本に着いた途端に、沿道の緑地面積の広さにすでに感嘆を覚えていました。その後東京から奈良へ移動し、さらに京都を訪れたことで、ど こでも自然の美を感じられることに気づきました。東京の街角でたまたま顔を上げると、小鳥の姿が視界をかすめます。奈良での夏の夜、石畳の上に横たわれば、そよ風がそよそよと吹き渡り、夕日が沈むのを見れば、風 光が限りなく広がります。京都で朝雨が降る中、窓際に静かに座ると、虫の音が歌となって聞こえ、遠くにいながら引きつけられます。日本にいると、人と自然との調和ある共生の感覚を身をもって確かに経験できます。人 々は自然を敬い、大切にしています。ごみは分別され、街のあちこちでいつでもごみ箱を見つけられるわけではないのに、ごみの投げ捨ては見られず、どこも清潔に掃除されています。映 画そっくりのこうした情景を見ると、宮崎駿監督の映画が優しさに満ちている理由がふいに分かりました。それは自然への愛、そして自然へのフィードバックなのです。

 多様性に言及したのは、実は会議参加者の思想の多様性を主に念頭に置いたためです。今回の会議の参加者はそれぞれバックグラウンドが異なり、みな各方面の優秀な人です。議 論の中でおのおのが自らの見解を表明し、思想の矛を交える中で知恵の火花を散らしました。まず、日中双方には各々特徴があります。中国側参加者は事実と考察を比較的重んじ、日 本側参加者はデータと統計に比較的注目します。また、参加者個人の政治的傾向も異なり、日中双方の考え方の溝や論争は避けられません。しかし、まさにそうであるからこそ、議題討論は一層有意義になり、私 たちも一層互いの考えを真に理解することができるのです。思考の多様性、見解の多様性によって、私たちは意思疎通の中で互いに理解し、率直に誠意をもって向き合うことになります。私たちは比較の中で成長し、参 考にする中で進歩し、協力の中で互いに配慮し、「英雄相知る」ようになるのです。

 最後はシステム化とオートメーションです。13日間の会期中、私は見学に2回参加しました。情報分科会の一員として日本の共同通信社を見学、取材し、またトヨタ自動車の工場を見学したことです。ト ヨタ自動車工場見学は極めて印象深いものでした。これはシステム化とオートメーションという2つの言葉で総括できます。私は文系の学生であり、自動車の生産についてはほとんど何も知らないと言えます。見 学する中で、私は自動車組立の生産ラインがプレス、溶接、塗装、組立、検査の4工程に大きく分けられることを知りました。工場のシステム化とオートメーションによって大量の労力と物資が節約されます。オ ートメーション生産ではひも付きのスイッチとあんどんも設置されています。また、ジャストインタイム生産によって工場の効率性が保証され、エラー検出システムの使用は全工程で1500回にも達し、自 動車の安全性が保証されています。この他私は、トヨタ自動車が燃料電池自動車など環境に優しい自動車の開発に現在注力していることを知りました。ト ヨタ自動車が生産のシステム化とオートメーションに着眼する一方で、未来に目を向け、新型の環境に優しい製品の開発を積極的に進めていることが分かります。私個人の感想としては、どのような種類の会社でも、製 品が淘汰されないようにするには、生産効率を高めると同時に時代に合わせた進歩が必要です。そしてこの2つの目的を達成するためにまず必要なのが、トヨタ自動車工場のシステム化・オ ートメーション生産のような優れた制度です。次に必要なのが人材とイノベーションです。トヨタ自動車工場の見学を終えて、現代社会では複合型人材が求められていると感じました。自らの視野を広げて続けてこそ、時 代の発展の潮流について行くことができます。

 第32回日中学生会議本会議は閉幕しましたが、私は引き続き青少年の成長と日中友好という初志を堅持して旅を続けます。現在、私たちは学生の視点で複雑に入り組んだ世界を探り、真摯(しんし)な 気持ちで日中友好の懸橋を築いています。将来、私たちは時代の舞台に立ち、中核を担う存在となり、時が私たちの足跡の証人となるでしょう。最後に、日 中学生会議を一貫して支持してくださっている各界の方々に感謝の意を表します。私たちは来年また集います。


■編集部注:原文は中国語。ウェブサイト「客観日本」向けに出稿されたものを日本語に仮翻訳した。


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