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中国の食糧安全保障戦略

2009年5月26日

万建民

万建民(Wan Jianmin):現在中国農業科学院作物科学研究所所長

 1960年6月生まれ。
中国で初めての “若手学者奨励計画”特別招聘教授。1985年南京農業大学講師、1991年日本に留学、1995年京都大学農学博士の学位を取得、1996年京都大学JSPS博士研究員採用、1997-2001年日本の農林水産省農業研究センター研究員。2001年南京農業大学生命科学及び技術学院院長、農学院院長着任。2002年中国農業科学院の一級の優秀な人才に選ばれ、2003年から中国農業科学院作物科学研究所所長、中国農業科学院学術委員会委員、中国作物学会常務副理事長、中国農業生物技術学会副理事長を併任。
主に水稲分子遺伝、遺伝子ポジショニング、遺伝子クローンと品種選択栽培などの研究に従事。水稻広親和性遺伝子6個、水稻休眠性遺伝子4個、新しい穀物蛋白遺伝子6個、品質と関係のある遺伝子12個を発見し、細かくポジショニング。栽培した生育の早い寧粳1号は2008年44.0万ha余りに普及、全国で第二位。発表論文は186篇、うちSCI論文66篇、特許は12件獲得。

1. 中国食糧安全保障の現状と傾向

 国連食糧農業機関の定義に基づけば、食糧安全保障とは、すべての人が、常に活動的・健康的生活を営むために必要となる、必要十分で安全で栄養価に富む食料を得ることができることを指す。これには3つの意味が含まれる。第一に食糧供給量が保証されていること、第二に購入能力があること、第三に購入した食糧が食品衛生上の要求に適うことである。

 中国は発展途上の農業大国であり、耕地面積は世界の7%にすぎないのに人口は世界の22%を占める。13億人余りの食糧問題は、常に最重要事項である。中国自らの力で食糧自給を基本的に実現し、食糧の供給と需要の基本的なバランスを確保することは、中国政府の食糧安全保障問題解決の基本方針である。

(1) 食糧安全保障の現状

 ここ60年近く、中国の食糧生産は三つの段階を経験した。1952年から1965年は、単位面積当たりの生産量に大きな変化がなかったため、総生産量は主に播種面積により決まった。1966年から1998年は、単位面積当たりの生産量が急速に増加するにつれ、中国の食糧総生産量も増加した。しかしその後、単位面積当たりの生産量の伸びが再び鈍化したため、中国の食糧総生産は再度播種面積に更に依存するようになった。2003年中国の食糧播種面積は一度約0.99億haにまで減り、税金や費用面の政策の調整及び国の農業への投資の増大に伴い、2008年播種面積は1.06億haにまで増加したが、それでも1998年の1.13億haの播種面積には遥かに及ばなかった。実際、2008年になってようやく、中国の食糧総生産は1998年のレベルに戻った。

 食糧総生産がどうにも前進しない一方で、中国の一人当たりの食糧消費は近年増加の一途をたどっている。1990年から1992年、中国人の一人当たりの食糧消費はまだ370kg以下であった。1993年から2002年に一人当たりの平均収入は急速に増加したが、それでも食糧消費は375kg前後で落ち着いていた。しかしその後、一人当たりの食糧消費は増加を続けることになる。2003年から2007年、中国人の一人当たりの食糧消費量はそれぞれ380.65kg、382.05kg、384kg、386.25kg、388.05kgであった。総生産量の引き上げに限界があったが、一人当たりの消費は急速に増加を続けたため、2000年からこれまで、中国は八年連続食糧需要が供給を上回っており、中国の食糧安全保障に再度警鐘を鳴らしている。

 世界的に言うと、食糧生産は既に生産過剰から非常に不足している段階に入っており、中国が輸入によって供給を確保しようしても、世界全体の環境は楽観できない。アメリカの農業省と国連食糧農業機関の統計によると、1999年からこれまで、世界の食糧生産量は2004年だけ消費量を越えた。2007年まで、世界の食糧備蓄は既に1986年の130日から54日に急速に減少した。中国の人口はまだ増加し続けているため、一人当たりの食糧消費増加の傾向が反転をすることは難しく、輸入に頼って中国の食糧安全問題を解決するのは、基本的に既に不可能である。そのため、国内食糧市場の需給バランスを維持するにせよ、国際食糧市場を安定させるにせよ、中国の食糧安全は国内資源に基礎を置き、基本的に自給を実現しなければならない。

(2) 食糧安全保障情勢の予測

 中国農業科学院中長期食糧開発研究チーム(1993)の予測によると、2010年中国の食糧総需要量は5.6-5.9億トンに達し、2020年には6-6.45億トン、2030年に6.5-7.2億トンに達する。そのうち食糧は2.24億トン、飼料は3.60億トン、その他の用途に使用される穀物(種まき用の穀物、工業用穀物と損耗穀物)は1.36億トンである。2020年中国の一人当たりの主要な食用消費穀物は現在の日本の消費水準に近づくであろう。

 国家食物及び栄養諮問委員会は2003年に中国の食糧開発の段階的目標をさらに提出し、2010年までに基本的にややゆとりのある社会 となり、一人当たりの食糧占有量は391 kgとなり、食糧需給がバランスを欠くという矛盾はある程度緩和できると予測している。2020年に全面的にややゆとりのある社会になり、一人当たりの食糧占有量は437 kgになる。2030年に豊かな段階への過渡期のレベルになり、一人当たりの食糧占有量は472 kgになり、食物の質と安全は市民の健康的な生活をしたいというニーズを保証することができる。

 しかし、中国の食糧安全保障の新時代は、新たな厳しい試練に直面している。第一に人口が2030年前後に16億のピークに達することである。第二に都市化と工業化により耕地資源が少しずつ減少していることである。もし全国の耕地面積を1985~1999年の平均である毎年34.9万ha減少すると計算すると、全国の耕地は1999年の13004万haから2030年には11996万haに減少することになる。一人当たりの耕地面積は0.075 haにまで減少し、国連食糧農業機関が確定した0.05haの警戒ラインに近づく。第三は、水資源の不足という脅威と耕地の土壌肥沃度の低下が食糧生産に重大な影響を及ぼすことである。水資源の不足は、農地の灌漑の危機的状況を頻繁に引き起こし、全国で通年約3000億m3の水が不足し、ひでりの影響を受ける面積は0.13億~0.20億haになる。食糧生産と密接に関係のある生態環境も日に日に悪化しており、土地の砂漠化、アルカリ化、土壌浸食、気候温暖化及び排ガス排水や固形廃棄物の汚染拡散のすべてが食糧生産に影響を与える非常に大きな隠れた問題となっている。第四は、農業労働力の他産業への流出が不可逆的傾向になっている事であり、第五は全国民の食物購買力が着実に上がってきているが、食糧総量のバランス、地域のバランス、品種のバランスと毎年の収穫量のバランスをとることがますます難しくなっていることである。

 そのため、人口増加を厳しくコントロールし、全国の耕地が1.2億haを下らない、食糧播種面積は1.07億haの禁止ラインを下回らせないことを、守ることを前提とすれば、中国は食糧総生産の年1%増加を保持しなければならない。そうすることによって、食糧の安全を確保できる。

2. 科学技術の食糧安全を保障する役割

(1) 主な成果

 中国農業科学院の試算によれば、1978―1996年中国の各主要な技術の単位面積当たりの穀物生産量増加に対する貢献度の割合は、優良品種が33.8%、先進的な栽培技術が34.1%、植物保護技術が14.2%、土壌改良が17.9%となっている。各技術の総合的な運用を通して、農業の科学技術進歩は既に食糧安全を保障する第一の推進力となっており、中国の農業が新たな段階に入るのに歴史的な貢献をしている。それは主に以下の方面に現れている。

1) 作物の新品種の栽培

 中国は、系統選抜育種、交雑選抜育種、物理的・化学的な遺伝子操作、雑種強勢の活用など食糧作物育種面での基礎研究を相次いで行なっており、食糧作物の矮性化と雑種交配化という技術的に大きな進歩を二度果たした。細胞工学、染色体工学、分子マーカー選択、遺伝子工学などの現代バイオテクノロジーの飛躍的な発展に伴い、食糧作物の育種は既にバイオテクノロジーと通常の技術を有機的に結合させる第三の発展段階に入った。五十年来、中国は既に40種余りの農作物、6000近くの高生産、良質、抵抗力の強い新種の組み合わせを育て、主要農作物は4-6回大規模な品種交代を行ない、毎回品種更新で10%~30%増産している。1950年以来、食糧作物の単位面積当たりの生産量は3倍前後増加し、食糧作物の優良品種のカバー率は次第に上昇し、現在優良品種のカバー率は既に95%に達している。

2) 作物の生産技術

 中国の作物栽培、科学的施肥、節水灌漑、植物保護と耕作の機械化など関連分野で大きく進歩した。多毛作栽培理論と技術の研究と普及に力を入れることを通して、中国の耕地多毛作指数は160%前後にまで増加した。食料作物の施肥を必要性を研究した上で、積極的な生産と化学肥料と有機肥料使用の普及を行ない、窒素肥料の施肥及び調合施肥、養分バランス施肥を主として作物施肥の技術を広く普及させてきた。節水灌漑技術面では、スプリンクラー灌水、ドリップ灌漑、ミニスプリンクラーなどの技術を発展させた。近年日照りに強い作物や乾燥に強い品種と土壌水分の保持、堆肥の増加と雨水を集め灌漑に利用するなどの実用的な技術を集成し、食糧作物を日照りに負けず豊作にする栽培技術体系の第一歩を踏み出した。植物に有害な生物を抑える面について、有害生物が害を及ぼすしくみと植物の防衛メカニズムの研究を行ない、植物の病気を監視する技術が進歩し、予報や早期警戒モデルの開発及び地域的なIPM技術体系が打ち立てられ、応用されたため、病虫害の発生と被害のレベルを効果的に抑えることができ、毎年百億元もの経済損失を取り戻している。小麦、とうもろこし、水稲などの食糧作物を重点として、土壌工作機械、田植え機、種まき機、大型連合刈り取り機、脱穀機などの機械化された農具を研究開発し、農業機械の総動力は世界平均レベルの2倍になった。

3) 作物の種質資源の研究

 中国は世界主要作物の起源の中心の一つであり、豊富で多様な作物の種質資源を有する。50年余りの間、中国は二度の全国規模の農作物品種資源の調査と収集を行ない、現在すでに長期保存している各種の作物の遺伝資源は39万余りになり、世界第一位である。同時に国内外の種質資源の選別、鑑定と改良を通して、特に優れた性質と形状を持つ各々異なる大量の優良母材を栽培し、中国の作物遺伝資源は非常に豊富になり、大量の優良遺伝子が明らかになり、作物育種のしっかりとした物質面での基礎を固めた。

(2) 主要な問題

 中国農業科学技術は大きく進歩したが、全体のレベルは世界の先進レベルよりもまだ10~15年遅れている。それは、次の分野に現れている。

 第一に科学技術の貢献度が低い。中国の農業の成長に対する農業科学技術の貢献度は現在既に45%に達しているが、農業先進国の60%~80%の水準と比べると、明らかな差がある。もし中国の農業科学技術の貢献率が50%に達すれば、250億kgの食糧を増産できる。

 第二は農業の科学技術成果の実用化率が低いことである。中国は毎年約6000項目余りの農業科学技術の成果があるが、実用化率は30%~40%にすぎず、一方農業先進国では実用化率は既に70%~80%に達している。

 第三に転化した成果の普及率と定着率が低いことである。現在中国の農業科学技術の成果の実用化後の普及率も30%~40%しかない。これは、既に実用化した成果のうち、2/3が実際に生産に応用されていないことを意味する。

 第四に資源の利用率が低いことである。中国は毎年300億~400億m3農業用水が足りないのに、中国の灌漑用水の有効利用率は30%~40%にすぎない。先進国は70%以上である。中国の化学肥料の毎年の利用率は30%~35%で、先進国は60%以上である。

3. 中国の食糧安全保障戦略

(1) 成長戦略

 中国の食糧安全保障が直面しているそれぞれの試練に対して、食糧安全保障の成長の傾向と科学技術のニーズから発して、各種の食糧総合生産能力を高めるのに有利な政策を打ち立て、健全にする。食糧安全保障にとって有力で要となる技術を重点的に開発し、各種の優良な技術の集成を実現し、食糧の単位面積当たりの生産量と質を大幅に向上させ、食糧生産を制約している大きなネックとなっている問題を解決する。中国の農業科学技術を革新し、成果を実用化する能力を向上させ、中国の食糧安全を技術面から保障する。

 2020年までに、食糧作物種質資源の研究、品種選抜育種、農業資源の高効率利用、自然災害予防、バイオテクノロジーなどの重要な分野で大きく成長するよう目指す。食糧ハイテク産業の第一歩を踏み出し、食糧科学技術全体のレベルが、世界の中等レベルの農業先進国の仲間入りをし、食糧科学技術の貢献率も60%前後にすることを目指す。

 2030年までに、食糧産業の要となる技術の分野で世界をリードするレベルになり、食糧科学技術全体のレベルは世界の中等農業先進国の中でトップの地位にあり、中国の人口のピーク期の食物の安全と消費とのバランスを、信頼できる技術的で保障する。

(2) 開発の方向と重点項目

1) 良質で高生産の新品種の栽培と普及

 “高生産で質が劣る”、“質はよいが低生産”という技術的な難題を解決し、良質と高生産が緊密に結びついた育種目標を確立し、種質資源研究を重視した上で、バイオテクノロジー、遺伝技術と情報技術など現代の技術の手段を充分に利用し、水稲、小麦、とうもろこしや大豆の育種、新材料の新たな制定と優良で高生産な新種の栽培を重点的に行ない、広い面積で、単位面積当たりの生産量を引き上げる目標を実現する。

2) 資源を高効率利用する技術の革新と応用

 良質、安全、高効率の農業投入品と高生産で低コスト、効率を高めた新製品を定め、優良栽培に附帯した栽培技術を普及、応用させる。主産地の耕地の質を高めることを目標に、土壌測定をしてバランス施肥を行なうこと、有機肥料資源の総合利用と土地改良の培肥などの重要技術を重点的に研究して実用化し、耕地の肥料バランスと肥料の資源最適化を保障する。農業節水新設備、新製品、新材料を作ってモデル採用し、生物節水、農芸節水と節水工学を組み合わせることを通して、水資源の利用効率を上げる。正確な農薬撒布技術と関連製品の研究開発と普及、応用を行ない、農薬使用量を減らし、農薬施用効率を上げる。

3) 食糧の質の安全の監視測定、検査測定技術の革新と応用

 無公害食糧の生産技術、生物有機堆肥、生物農薬などの技術、科学的な肥料の施用と安全な薬品使用技術を開発し普及させ、根源から農産品の質の安全を保証する。食糧産品、農業投入品と農業生態環境の質の安全を検査する技術を研究し、食糧生産の全過程で監視・検査測定体系を作り上げ、監視・検査技術レベルと能力を高め、食糧の品質基準を設定し、質を重視した生産を推し進め、食糧生産過程の生産物の質の安全を保障し、中国農産品の国際競争力を高める。

4) 農産品の加工貯蔵技術の革新と応用

 生物、物理学的に新鮮に保存するための貯蔵技術を研究し、工業原料型、食用型の食糧加工技術を研究し、食糧産業チェーンを成長させて拡大発展させ、食糧の総合利用効率を高め、付加価値をつけ、食糧の基礎加工から高度加工への転換、伝統加工から現代加工技術への転換を促進し、食糧生産全般の効果と利益を上げる。

5) 基礎研究の強化と独自の創造能力の向上

 食糧作物の重要な性質と形状の機能についてゲノムの研究を行ない、また、地方品種と中核となる母種の作製、雑種強勢、生物の多様性と遺伝子発掘、成長発育と調節メカニズムなどの科学分野の研究と基礎理論研究を行ない、食糧の優良で高生産、安定生産を基礎から支える。植物種質資源の収集保存を更に強化し、農業生物資源のデータベースを作成する。

(3) 開発すべき重要な核心技術

1) 作物分子育種技術

 種質資源を遺伝子資源に変える研究を強化し、中国での植物の新しい遺伝子発掘の遅滞と、高コストで低効率な状況を根本から変え、国際遺伝子特許の中で中国が有利な地位を占めるようにする。重要な機能を持つ遺伝子の発掘、分子マーカー選択、遺伝子組み換え、分子設計など現代分子育種技術を重点的に大きく成長させ、中国の国情に適した分子育種技術の環境を作り、分子育種と通常の育種を結合させた技術のネックを解決し、重要な応用価値のある新しい遺伝子、新材料、新品種を栽培し、水稲、小麦、とうもろこしと大豆の品種を一新して、単位面積当たりの生産量を15%以上引き上げ、主な産地の優良品種のカバー率を100%に近づける。

2) 水肥土を効率よく利用する技術

 作物の代謝調節技術や、節水かつ高効率な食糧生産に必要な技術、耕地の質を守るために必要な技術と農地の養分を管理するのに必要な技術を重点的に開発し、資源を持続的に高効率で利用する新製品や新材料の開発や生産面の産業化を実現し、自然降水の利用率を56%から66%に引き上げ、灌漑水の利用率を現在の43%から55%に引き上げ、窒素肥料の当季利用率を現在の35%から45%に引き上げ、主産地の食糧生産コストを15-30%引き下げる。

3) 正確な農業生産技術

 ネットワーク技術、3S技術と農地情報に基づき、技術の精度の高い生産過程、遠距離診断とコンピューター活用環境を構築する。高度に機械化された大規模生産という条件の下で、正確な播種、正確な施肥、正確な灌漑、正確な施薬などの精度の高い生産技術システムを打ち立て、農業の正確な生産環境での情報収集、分析、処理と工学抑制技術の環境を作り、中国の食糧生産の機械化と情報化のレベルを大きく引き上げる。

4) バイオハザード抑制技術

 作物の病虫害、生物の駆除の仕組み、災害や災害で変化した生物の生態学及び調節メカニズムなどを重点的に研究し、重大なバイオハザードに対する監視と事前警報および応用技術において飛躍的な成果を得る。天敵のいない昆虫の繁殖及び利用技術、農作物に有害な生物の農地生態の調査、化学情報調査収集と成長障害を予防治療する技術、環境にやさしい農薬の開発及びその高効率で安全、正確な施薬技術、有害生物の薬への抵抗力の監視及び治療技術などにおいて大きく進展させる。

5) 食糧の高効率実用化技術

 食糧油加工の新技術と重大な装備、食糧油の主食品の工業化生産及び栄養の強化、大豆ととうもろこし資源の利用技術の開発、食糧油加工副産品の総合利用と良質植物蛋白加工の重要な技術などを重点的に開発し、食糧加工の技術水準が低く、加工設備が遅れていて、価値の低い加工製品が多く、付加価値の非常に高い加工品が少ない現状を変革する。

6) 食糧安全保障管理技術

 食糧生産の遠隔測定と地理情報システムの応用技術、食糧情報ネットワークとインテリジェント化した集成技術と食糧安全事前警報予報技術を重点的に成長させる。データベース技術、衛星技術、通信技術、マルチメディア技術を充分に利用し、中国食糧安全保障の情報ネットワーク共有の環境を構築し、全面的な食糧安全保障の監視コントロール体系を打ちたて、リアルタイムで、動態的、全面的、正確、科学的に中国食糧安全保障の動態変化を把握し、中国食糧安全保障のマクロ政策とコントロールの適時性、全面性、科学性を大いに向上させる。

4. 食糧科学技術開発強化政策への提言

(1) 農業科学技術、特に食糧科学技術開発への更なる支援

 農業科学技術に更に力をいれ、農産品、特に食糧流通部分への財政資金の一定の割合を、農業の公共インフラと農業の科学技術への投入に回す。法律面から農業の科学研究と普及の社会公益性を更に明確にし、国の財政支援を主として、地方と企業が共同で資金投入する多元化された食糧科学技術支援体系とメカニズムを構築する。

(2) 開放的、流動的、競争と協力の科学研究遂行メカニズム

 科学研究機関の管理体制の改革を促進し、新しい研究遂行モデルとメカニズムを実行し、職場に応じた報酬、任務に応じた報酬、業績に応じた報酬の分配制度改革を実行し、多くの科学技術者の積極性と創造性を充分に発揮させる。課題の入札制度と仲介評価制度を全面的に実行し、多くの部門、多くの分野が合同で取組み、開放された科学研究メカニズムを作り、国際間での科学技術交流と協力を強化し、中国独自の技術革新の事力を少しずつつけていく。

(3) 企業による科学技術の革新と実用化への援助と支持

 開発研究に携わる政府の科学研究機関が次第に科学技術型の企業に転換し、農業生産と製品の研究、即ち作物育種と緊密に結びついた新しいメカニズムを構築する。大学や科学院、研究所が外国企業や国際研究開発組織と合同で研究センターを作り、農業ハイテク研究の“特区”を形成して、創造能力を高めることを支援する。各地で既に作られている農業ハイテクモデル地区(園)に対する指導を強化し、真のハイテク技術産業化を促進する。

(4) 新しい科学技術普及体系の構築

 科学技術の実用化方式を改革し、研究所、大学、企業を主とする多元化、科学技術の実用化、応用とサービス体系の普及を組織化する。現在の農業技術の普及機関が科学院、研究所、大学、企業などと横断して連合し、協力し、関連した食糧の新種、新技術、新製品の普及を担うことを積極的に支持する。

(5) 食糧の主産地と農民に対する強力な支援

 食糧主産地と主な販売地との関係を正しく調整することを主として、食糧主産県に対する財政移転支出制度、及び食糧生産農家に対する直接補助制度を作り、食糧主産県と食糧生産農家が科学技術の普及と応用を重視するよう、生産現場に働きかけ、良質な食糧生産の積極性と主体性を促進させて、食糧安全を保障する。


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