トップ >第40号:環境・エネルギー特集Part 1-低炭素社会づくりを目指す> 中国のクリーンエネルギー技術の研究進展

中国のクリーンエネルギー技術の研究進展

2010年 1月25日

黄偉光

黄偉光(Weiguang HUANG):中国科学院工程熱物理研究所副所長、
中国科学院クリーンエネルギー技術発展センター主任

1962年12月生まれ。1991年.九州大学、応用力学専攻、工学博士取得。中国科学院工程熱物理研究所研究員、常務副所長(法人代表)、所長を経て、2007年より現職.。インペラ機械空気熱力学応用の基礎的な研究活動に長年従事。主な研究分野は全三次元粘性流動の数値シミュレーションとメカニズム研究、非定常状態における動翼と静翼の相互作用に関する研究、翼列内における複雑な流動特性及びロスのメカニズムに関する研究、合成ガス燃焼室の理論と実験研究、フレキシブル燃料の低公害燃焼技術等。国内外の国際会議で、また、刊行物に100編近くの学術論文を発表。1997年に中国科学院青年科学者2等賞、2000年に国家科学技術進歩2等賞、2002年に国家自然科学2等賞、2007年に中国石油・化学工業協会科学技術進歩1等賞、2008年に山東省科学技術進歩1等賞、2009年に国家科学技術進歩2等賞を受賞。北京熱物理・エネルギー工程学会理事長、中国語学術刊行物「航空学報」常務編集委員、英語雑誌「Journal Thermal Science」編集長、国際ガスタービン会議(IGTC)国際委員、アジアガスタービン会議(ACGT)国際委員。

 近年、経済が急成長を遂げた中国はエネルギー供給と環境保護の二重の圧力に直面している。中国は膨大なエネルギー生産・供給システムを築く一方、エネルギーの生産と消費がもたらす環境への影響にますます注目するようになった。「国連気候変動枠組み条約」と「京都議定書」に調印したのに続き、今年9月22日にニューヨークで開かれた国連気候変動サミットの席上、胡錦濤国家主席は、中国は今後、気候変動への対応を経済・社会発展計画に組み入れ、省エネに力を入れ、エネルギー効率を向上させていくと約束した。また、再生可能エネルギーと原子力を大いに発展させ、低炭素経済と循環型経済を積極的に発展させると言明した。2009年11月26日、中国政府は二酸化炭素排出削減の数値目標を示し、単位国内総生産(GDP)当たりの二酸化炭素排出量を2020年までに05年比で40~45%削減すると発表した。

 中国の一次エネルギー構成(生産と消費)比において、石炭は常に2/3以上の割合を占めており、世界の一次エネルギー消費構造とは明らかに異なる。石炭のクリーン利用の水準が低いため、その燃焼で大量の汚染物質が生じ、深刻な環境公害を引き起こした。国民経済第11次5カ年計画期(2006~2010年)の5年間で、単位GDP当たりのエネルギー消費を20%前後引き下げ、主要汚染物質の排出総量を10%削減するとの目標を実現するため、クリーンコール技術(CCT)の研究開発と普及は、高効率・クリーン・安全なエネルギー保障システムを築く上での最も重要な任務となる。同時に、1993年に石油の純輸出国から純輸入国に変わって以来、中国は今や世界第3位の石油輸入国となり、世界のエネルギー資源市場での「中国ファクター」効果がますます顕著になっていることにも目を向けなければならない。長期安定したエネルギーの生産と供給を確保するため、先進的で安全な原子力、再生可能エネルギー及びその他の代替エネルギーを成長させることは、クリーンエネルギー技術の進展におけるもう1つの重要な目標である。

 以下、クリーンコール技術、先進的原子力技術、再生可能エネルギー技術を例に、中国のクリーンエネルギー技術進展の概要を紹介する。

1.クリーンコール技術

 クリーンコール技術(CCT)は多くの業種、分野、学問に及ぶ巨大なシステム工学である。CCTはその生産と利用のプロセスに基づき、石炭転化技術、先進的発電技術、排ガス浄化技術の3種類に分けることができる。本論文では前2種類の技術の進展状況を重点的に紹介する。

1002weiguang_01

1. 第1類は燃焼前の石炭転化技術であり、石炭ガス化、石炭液化等である。

1) 石炭ガス化技術

 華東理工大学、山東兗礦集団、天津天辰化学工程公司は第9次5カ年計画期(1996~2000年)に新しいタイプの石炭水スラリー(CWS)ガス化技術を開発した。この技術の主な特徴はマルチノズル対向型CWSガス化工程を採用したことであり、炭素転化率は98%を上回り、有効ガス成分は82%を上回る。2005年7月、山東兗礦集団で工業化実証運転に入り、その石炭処理量は1,050t/日であった。現在、この技術は化工、電力業界で広く応用されており、最大石炭処理量は2,000t/日に達する。

 中国科学院山西石炭化学研究所は1980年から灰溶融集塊流動床による微粉炭ガス化技術の研究開発を進めてきた。その原料となる炭種の範囲は褐炭、瀝青炭、無煙炭、石油コークス等をカバーしており、高灰融点炭、高灰分炭、高硫黄炭に対する適応性が高い。現在、河北省と山西省で加圧条件下における石炭処理量500t/日の工業化実証運転が行われている。近年、この技術を踏まえ、流動床・気流床複合の加圧微粉炭ガス化技術の方針が打ち出された。

 西安熱工研究院有限公司が開発した二段式乾燥微粉炭加圧ガス化技術は、第10次5カ年計画期(2001~2005年)に建設された石炭処理量36t/日の二段式乾燥微粉炭ガス化工程パイロットプラントを基礎としたものであり、2005年に試験研究が完了した。この技術の工業化実証は中国華能集団の「グリーン石炭発電」プロジェクトとタイアップして進められる。石炭処理量2,000t/日とし、2009年に完成する予定である。

2) 石炭液化技術

A. 石炭直接液化技術

 中国は1970年代末から石炭直接液化技術の研究開発を進めてきた。第8次(1991~1995年)、第9次両5カ年計画期のたゆまぬ努力を経て、第10次5カ年計画期に、石炭科学研究総院北京石炭化工研究分院は自らの知的財産権を持つ活性の高い石炭直接液化専用触媒を開発した。合成油年産100万tの直接液化実証プラントで工業化のための実証作業が行われる予定である。

 神華集団は石炭投入量6t/日の直接液化パイロットプラントを上海に建設した。自主的に研究開発した石炭直接液化の基幹技術と専用触媒を採用しており、周期の長い連続した安定運転が何度も実現された。神華集団の石炭直接液化商業化実証プラントは第1期工事が2008年に完成し、稼働を始めており、石油製品の設計年産量は100万tとなる。

B. 石炭間接液化技術

 中国科学院山西石炭化学研究所は1950年代から石炭間接液化技術の研究に取り組んでおり、Fe基固定床二段法合成プロセス(略称MFT)とスラリー床/固定床二段法合成プロセス(同SMFT)を開発した。高効率のFe基触媒を開発することに既に成功しており、スラリー床反応器の技術面でも突破口が開かれた。この技術に基づく山西潞安集団の合成油年産16万t工業化実証プラントは2008年12月から稼働している。

 山東兗礦集団は2003年に万t級石炭間接液化技術のパイロットプラント研究を完成させた。浙江工業大学は2006年初めに中国神華集団と共同でFe基フィッシャー・トロプシュ合成技術を開発した。現在、触媒の研究開発段階にある。

2. 第2類は石炭のクリーン・高効率燃焼技術であり、主にはクリーンコール発電技術となる。国が決めた主な研究分野は超臨界ユニット+脱硫脱硝技術、循環流動床燃焼技術、一体石炭ガス化コンバインドサイクル技術(IGCC)である。

1)超臨界ユニット+脱硫脱硝技術

 中国は2005年から非超臨界発電所ユニットの建設を停止している。2020年には、全国の発電設備容量が13億3,000万kWに達し、そのうち火力発電が70%以上を占め、超臨界及び超超臨界(USC)発電ユニットが主力ユニットになると予想される。超臨界発電技術の研究は主に「技術導入、共同設計、国内製造」の方式に従って進めなければならない。材料面での主な進展は中国科学院金属研究所の耐熱鋼とUSCフェライト耐熱鋼が基本的に一致したことであり、その性能基準は既に国際水準に到達している。

 中国はこれまでに世界の主流をいく全ての火力発電排煙脱硫技術を導入し、実証に取り組んできた。しかし、設備投資、水資源、ランニングコスト等の原因から、国の環境保護政策の誘導と圧力の下、大規模な商業ベースの普及・応用が実施されているのは湿式脱硫技術しかない。規模が大きく、水の消費が少なく、ランニングコストが低い乾式、半乾式脱硫技術は将来、火力発電の排煙脱硫問題を根本的に解決する上でのネックになることが予想され、全国の関係科学研究機関及び企業はいずれも高効率の乾式、半乾式脱硫技術の研究開発と実証を強力に進めている。

2) 循環流動床燃焼技術(CFBC)

 循環流動床技術は重要なクリーン燃焼技術であり、その発展の重点は大型化と高パラメータ化にある。この技術は窒素酸化物の排出が少なく、燃料の適応性が広く、燃焼効率が高く、炉内脱硫を実現でき、排出された灰の総合利用が容易で、負荷の調節範囲が大きい等の際立つ利点を備えている。

 中国科学院工程熱物理研究所、清華大学浙江大学等が研究開発した容量75~130t/hの循環流動床ボイラはそれぞれ1990年代に相次いで運転を開始した。2002年、西安熱工研究院石炭クリーン燃焼国家工学センターが設立され、高パラメータ・大容量循環流動床ボイラ技術の研究に正式に加わった。初の国産大型100MW級CFBボイラ及びその関連システムは2003年6月、江西省分宜発電有限責任公司で実証に成功した。2006年7月、コンパクト型分流アッシュ・リターン熱交換器を持つ200MW級CFBボイラが江西省で稼働に入った。現在、200MW超高圧再熱CFBボイラ技術は既に工業化のための実証が終わり、商業ベースの普及段階に入っている。また、国の第11次5カ年計画期の863計画で支援を受けた600MW超臨界CFBボイラ技術の研究開発も設計と試験が既に完了し、工業化のための実証に移りつつある。

3) 一体石炭ガス化コンバインドサイクル(IGCC)

 一体石炭ガス化コンバインドサイクル(IGCC)は複数の学問分野と業種に跨る複雑な統合システムである。中国のIGCC発電技術は20年余りにわたる研究開発を経て、幾つかの単一技術、例えば石炭ガス化、空気分離設備、合成ガス浄化、排熱回収ボイラ等で一定の技術的基礎が蓄積された。西安熱工研究院のリーダーシップの下、国内の11の部門が結集し、国の第9次5カ年計画期の難関攻略プロジェクト「IGCC基幹技術研究」及び、第10次5カ年計画期における863計画課題「IGCC設計統合・動特性」を完成させた。

 中国科学院工程熱物理研究所は中国でのIGCCの発展を提唱し、推進してきた主要な科学研究機関である。1990年代末からこれまでの間に、IGCCシステムのモデル構築、パラメータの最適化等の基礎研究を進め、IGCCシステムの設計技術、高効率・低公害合成ガス燃焼技術等の研究開発を完成させた。第10次5カ年計画期に、山東兗礦集団は石炭水スラリー(CWS)ガス化技術に基づく中国初のIGCC実証発電所を建設した。ガスタービン-蒸気タービンのコンバインドサイクルによる発電容量は60MWで、年産24tのメタノールを併給できる。これは典型的なCo基コージェネレーション/IGCC商業化実証システムである。

 現在、国が認可したIGCCシステムには中国華能集団が天津に建設中のグリーン石炭発電プロジェクトがある。このプロジェクトは西安熱工研究院が自主開発した二段式乾燥微粉炭加圧ガス化技術を採用する予定であり、ガスタービン-蒸気タービンのコンバインドサイクルによる設備容量は250MWとなる。

2.原子力技術

 2000年以降、中国の原子力発電は年平均22%の伸びを示している。2008年の原発発電量は692億1,800万kWhで、そのうち電力網に送られたのは653億2,500万kWhとなる。現在、中国には7つの原子力発電プロジェクトがあり、建設中の原発ユニット22基の総設備容量は22,900MWである。2020年には70,000MW前後に達し、全国の電力使用量の5%を賄う見通しである。

 中国はGW級加圧水型炉原子力発電所の自主設計能力を基本的に備え、60%のモジュールが国内で生産されている。出力300、600、700、1,000MWの各級原発を建設する技術を全面的にマスターしており、その炉型には加圧水型炉、重水炉、ガス冷却型炉、高速炉等がある。2007年8月、中国は遼寧省で全国最大規模の原発プロジェクトとなる4,320MW紅河原子力発電所の建設に着手した。4基のユニットはいずれも自主開発したCPR1000技術を採用している。

 10MW高温ガス冷却型炉が2003年1月に電力網に組み込まれ、発電を行ったことは中国が自らの知的財産権を持つ高温ガス冷却型炉の技術をマスターしたことを示すものである。中国は既に同炉型原発の実証プロジェクトの実施段階に入っている。

 中国初の実験高速増殖炉は2008年末に最終的な据付け・調整試験段階に入った。計画では2009年に臨界に達し、2010年に電力網に組み込まれ、発電を行うことになっている。また、2015年に実証規模の高速増殖炉を完成し、商用化を実現する計画である。同プラントの熱出力は65MWで、正味発電出力は20MWとなる。

3.再生可能エネルギー

 この数年来、中国は再生可能エネルギーの技術研究、装置生産及び市場への投入面で急速な伸びを見せている。現在、太陽エネルギーの設備容量と製造水準は世界一であり、風力発電の設備容量は世界第4位にある。第10次5カ年計画後期からクリーンエネルギーの発展を大いに重視するようになり、エネルギー立法に力を入れた。1995年の「電力法」、2007年の「エネルギー節約法」、1997年の「建築法」、2000年の「大気汚染防止法」、2002年の「クリーン生産促進法」等はいずれも再生可能エネルギーの発展問題に言及している。2005年には「再生可能エネルギー法」が正式に公布された。

 2007年9月、国家発展改革委員会は「再生可能エネルギー中長期発展計画」を公布した。同計画は、中国は一次エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を引き上げ、2010年に10%に到達させ、2020年までに15%に到達させると規定している。計画は又、再生可能エネルギー発電の設備容量を1億2,000万kWに到達させるよう要求し、これには3,000万kWの風力発電と3,000万kWのバイオマス発電が含まれると述べている。

 2009年9月、「再生可能エネルギー法」の改正案について社会から広く意見を求めた。同法は2006年1月の正式な発効から3年余りしか経っておらず、再生可能エネルギーの発展に対する中国の主体性を十分に見てとることができる。これは世界の中で最も急進的な立法であり、電力業界に対し、魅力のある固定価格を提示し、再生可能エネルギーで起こした全ての電力を買い取るよう求め、これに伴う超過コストは全消費者に均等分担させるとしている。再生可能エネルギー電力の全量買い取りを確実にするため、改正案は全国の再生可能エネルギー発電量の年度買取目標を定め、電力網企業が達成すべき同発電量の最低割当目標を策定・公表することを盛り込んでいる。同時に又、再生可能エネルギーの開発利用とネット化の科学技術研究を支援し、再生可能エネルギーの発展を図る上でネックとなっている電力網への接続問題を根本から解決するため、特定目的基金を設立する予定である。

1. 太陽エネルギー

 中国の3分の2の地域は太陽エネルギー資源が豊かであり、特に西北地区、チベット、雲南の年平均照射水準は1m2当たり60億ジュールを超える。地表から毎年吸収される太陽エネルギーは約1兆3,000億tの標準炭に相当する。

1) 太陽光発電

 中国の太陽電池総生産量は2007年に1.088GW、2008年には2GWに達した。いずれも世界一である。シーメンス法を改良した中国の多結晶シリコン生産能力は2008年時点で既に8万t/年に達しており、2009年には10万t/年となる見通しである。現在、多結晶シリコン材料の生産量は世界一であり、その変換効率は国際標準となっている。世界の5大太陽エネルギー企業のうち、中国は2社を占める。約10社の太陽電池企業が国外で上場を果たし、また、多くの上場企業が太陽電池産業に参入しており、国際的な産業クラスターが作り上げられた。インバータ、アキュムレータ等の各種付帯製品及び付帯工程・技術も発展している。現在、多結晶シリコンの生産能力は過剰となっており、中国政府はこの産業に対し、効果的な管理を実施している。国際経済の低迷、材料の製造コスト低下により、多結晶シリコンの1kg当たり価格は既に3~4年前の約300ドルから50~60ドルまで下がった。中国は原材料と労働力のコストが比較的低く、高純度の精製技術が世界レベルにあり、先進的設備の国産化も実現されつつある。このため、製造コストはまだ引き下げる余地があり、多結晶シリコンの1kg当たり価格の最低ラインを20~30ドルの間に設定することができる。中国は今後、多結晶シリコン材料の絶対的な供給国になるものと予想される。

 多結晶シリコン材料は大幅に値下がりしたが、第二世代の薄膜太陽電池は依然として最も有望な高効率・低コストの太陽電池と見られている。これにはアモルファスシリコン(a-Si)、銅/インジウム/ガリウム/セレン(CIGS)、テルル化カドミウム(CdTe)、多結晶シリコン(C-Si薄膜)等の電池がある。中国企業はアモルファスシリコン電池に十分な自信を持ち、50社近くの民営企業が既に産業プロセスに参入している。その高い技術水準は国内の自主的技術、国外からの人材と技術の導入、生産ライン設備・技術の購入によるものである。中国は変換効率の高いアモルファス/微結晶シリコン薄膜電池を調製する先進的技術を既に持っている。中国は貴金属・希少金属で有利な立場にあり、このため、米国のFirst Solar社は内蒙古にテルル化カドミウム電池の生産拠点を設けることを決定した。中国では既に10社近くの民営企業が産業化に取り組んでいる。銅/インジウム/ガリウム/セレン薄膜電池は調製工程が複雑だが、効率が高く、毒性が低いため、広く関心を集め、投資を呼び込むことができ、10余りの機構が既に真空法及び非真空法による産業化を進めている。

2) 太陽熱発電

 太陽熱発電はディッシュ式、トラフ式、タワー式等の集光システムで太陽の熱エネルギーを集め、タービン発電設備によって熱エネルギーを電気エネルギーに変換する発電方式を採用している。即ち伝統的な石炭ボイラを太陽エネルギーボイラに変えて発電を行う技術である。太陽熱発電は稼働中の実証発電所がまだ中国には1つもない。中国科学院電子工学研究所の太陽エネルギー光熱実証発電所はアジア初のMW級タワー式太陽熱発電プロジェクトである。その目標は容量1MWのタワー式実験発電所を建設し、完成後、太陽熱発電の実験・実証拠点を築くことである。計画によれば、発電所は2010年2月に主タワーが完成し、同年末から正式に発電を行う。同プロジェクトを通じ、中国はエネルギーの階段式利用に基づくタワー式太陽熱発電所の基本設計技術といった世界の先進水準をいくコア技術を手に入れることになろう。これにより、太陽光の間欠性が発電システムの安定性に及ぼす影響、通常の蓄熱における高い熱損失等の問題を解決したいとしている。

 2009年12月、投資総額176億元で建設される「太陽熱発電研究・産業基地」の定礎式が山東省濰坊市峡山区で行われた。この基地は完成後、世界で規模が最も大きく、範囲が最も広い太陽熱発電の研究・産業拠点、国際技術普及・産業化拠点、国際技術教育・訓練拠点になると言われる。

 材料の研究面では、中国科学院金属研究所と電子工学研究所がタワー式太陽熱発電所用の空気吸熱器の研究開発を共同で進め、1,400℃の下で使用できる発泡炭化シリコン吸熱体を開発した。また、金属研究所が開発した融解浸透の反応調製を制御できる高性能・低コスト発泡炭化シリコン及び緻密炭化シリコンのセラミック技術は現在、1,000t/年級でのエンジニアリング研究が進められている。半導体研究所は3kW高効率集光太陽電池発電システムの原理モデルを開発することに成功した。

2. 風力発電

 中国気象科学研究院の推計によれば、中国で利用可能な陸上の風力資源は2億5,300万kWとなり、世界一である。また、近海(水深10m以下)で利用可能な潜在的風力資源は7億5,000万kWとなる。現在、風力発電は同じコストで比較した場合、効率が最も高い再生可能エネルギーである。中国の風力発電プロジェクトは1980年代に建設が始まった。第10次5カ年計画期間中、風力発電プロジェクトの建設が盛んに行われ、その総設備容量は2000年の350MWから2006年の2,600MWへと急増した。急速な発展を遂げたとは言え、中国の風力発電設備容量はまだ潜在的風力資源の0.1%でしかない。風力発電は4年連続して倍増しており、2008年末の全国の設備容量は12,500MWに達した。

3. 水力発電

 水力発電は中国の最も重要な再生可能エネルギーであり、資源分布はかなり広範囲にわたる。水利電力部門のデータによれば、中国の水力資源で開発可能な水力は約5億4,000万kW、経済的に開発可能な設備容量は4億200万kWとなり、これは石炭に次ぐ通常エネルギーである。2008年末、三峡発電所の26基の70万kW級水力タービン発電ユニットが全て稼働に入り、その年間発電量は847億kWhに達する。同年末現在、全国の水力発電の設備容量は世界第1位の1億7,200万kW、また、年間発電量は5,633億kWhに達し、それぞれ全国の電力設備容量の21.6%、年間発電量の16.4%を占めた。


さくらサイエンスプランウェブサイト

さくらサイエンスプランウェブサイト

 

中国関連ニュース 関連リンク

オリジナルコンテンツ

柯隆が読み解く

2014/2/18更新
「中国の歴史問題」

富坂聰が斬る!

2013/12/27更新
「中国賃金事情」

和中清の日中論壇

2014/2/3更新
「失望」に潜む米国のメッセージと日本の「積み木崩し」

田中修の中国経済分析

2014/2/7 新コーナー開設
「中央経済工作会議のポイント」

服部健治の追跡!中国動向

2014/2/27 新コーナー開設 「安倍総理の靖国神社参拝に想う(上)」

川島真の歴史と現在

気鋭の研究者が日中関係を歴史から説き起こす。幅広い視点から新しい時代の関係を探る。

科学技術トピック

New

2014/3/5更新
「赤外線カメラと簡牘資料の日中共同研究」
工藤 元男

取材リポート

New

日中関連、科学技術関連のシンポジウム・講演等を取材し、新鮮なリポートをお伝えします。

中国の法律事情

New

2014/3/7更新
「百度(バイドウ)の著作権侵害をめぐる攻防の結末」朱根全

日中交流の過去・現在・未来

日中交流のこれまでの歩みとこれから

日中の教育最前線

日中の教育現場の今をレポート

中国国家重点大学一覧

 

中国関連書籍紹介

New

2014/3/12 書評追加掲載

文化の交差点

New

2014/3/18更新
「日本における中国古代絵画」朱新林

中国実感

日本人が実感した中国をレポート

印象日本

中国が日本に滞在して感じたことをレポート

CRCC研究会

過去の講演資料、講演レポート

CRCC中国研究サロン

過去の講演資料、講演レポート

最新イベント情報

アクセス数:31043468