グリーン石炭発電とCO2回収技術

2010年 2月18日

鄭丹星

鄭丹星(Danxing ZHENG):
北京化工大学、化学工程学院教授、博士研究員指導教官

1950年10月生まれ。1987年、東京工業大学(日本)、化学環境工学専攻、工学博士。主に化工熱力学及びそのエネルギー利用技術方面における教育と研究、特に流体熱物性、吸収式循環、ガス吸収及びCO2回収、エネルギーシステム分析・集積等方面に従事。1990年、教育部優秀青年教師賞を受賞。20項目余りの国家発明特許を有する。200編余りの学術論文を国内外刊行物に発表、10部余りの論著と教材を発行。中国科学院工程熱物理学研究所客員研究員、国家エネルギー専業基準化技術委員会委員、中国工程熱物理学会理事等を兼任。

1. 前書き

 中国は石炭を主要エネルギーとしている国である。2008年、中国の一次エネルギー構造における石炭の割合は69%であったが、2030年になっても、なお60%を占めることが予想されている。2008年末現在、中国の発電設備容量の中で石炭発電は75.87%を占めていた。2020年にも、石炭発電は依然として60%前後を占める見込みである。だが、現在、中国の石炭燃焼発電技術は相対的に後れている。2006年、中国の電力供給量当たりの石炭消費は366g/kWhであったが、同期の日本や欧米は299~303g/kWhであった。したがって、石炭燃焼発電機ユニットの発電効率を高め、電力供給の石炭消費を減らすことは、中国の電力工業の重要な任務の一つである。

 気候変動は世界が関心を寄せている大きな問題である。報道によれば、現在、中国のCO2排出総量はすでにアメリカに追い付き、さらにこれを追い抜き、世界第1位であるといわれる。また一方で、石炭燃焼発電所は温室効果ガスCO2の主要な排出源である。2020年には、中国の発電によるCO2排出が全国の工業排出総量に占める割合は70%以上にまで上昇すると見られており、今後、中国の発電によるCO2排出の抑制という任務はますます困難なものとなるだろう。

 したがって、高効率の環境に配慮したクリーンな石炭燃焼発電技術を加速的に発展させることは、中国の将来の電力工業発展のための必然的選択であり、根本的な解決の道である。2005年、中国の発電・石炭・投資の中核企業が共同で発起して、「グリーン石炭発電(GreenGen)」のプランを打ち出し、資本を投じて緑色煤電有限公司を組織・設立した。「グリーン石炭発電」は石炭の総合利用効率を高め、石炭発電の環境に対する影響を減らし、CO2を含めた各種汚染物質の近ゼロエミッションを実現し、石炭発電の持続可能な成長などの諸問題を解決することに力を入れている。図1に示すように、「グリーン石炭発電」プランは3つの段階に分かれており、約10年の期間を使って、普及可能な近ゼロエミッションのグリーン石炭発電モデル発電所を開発する計画である。第1段階は、2011年までに、250MW級のIGCC(Integrated Gasification Combined Cycle)モデル発電所を建設すること。第2段階は、グリーン石炭発電中枢技術の研究開発。第3段階は、2015年前後に400MW級のグリーン石炭発電モデル工事を完成させることである。このプランの中枢技術はすでに『国家中長期科学技術発展計画要綱』に組み込まれている。さらにこのプロジェクトは、世界銀行、アジア開発銀行、アジア太平洋のクリーン開発と気候変動に関する組織、国際的な幾つかの大きな環境保護基金組織などからも非常に注目されている。

図1:「グリーン石炭発電」プラン

図1:「グリーン石炭発電」プラン

 「グリーン石炭発電」を発展させる重要な基盤の一つはIGCCである。これは今日の熱力発電システムの先進技術の集積であり、クリーンな石炭ガス化技術と高効率のガス‐蒸気コンバインドサイクル発電システムを結合したものであり、高い発電効率だけでなく、極めて良好な環境保護性能を有し、世界で最もクリーンな石炭燃焼発電技術として認められている。現在の技術水準の下で、IGCCによる発電の正味効率は43~45%にも達し、しかもなお向上の潜在力を有しているが、その汚染物質の排出量は通常の石炭燃焼発電所のわずか1/10であり、消費水量は通常の発電所の1/2~1/3でしかない。さらに重要なのは、IGCCは炭素回収・貯留のCCS(Carbon Capture and Storage)技術を実施するのに便利だということである。IGCCシステムが生み出すCO2ガスを溶剤吸収法によって回収し、加圧液化を行い、安定した地質構造中に貯留することにより、理論上、CO2のゼロエミッションを実現することが可能である。

 本文はIGCC及び物理吸収法によるCO2回収技術の現状と研究の進展を振り返り、「グリーン石炭発電」プランの中国におけるプロジェクトの近況を紹介するものである。

2. CO2回収技術とIGCC発電システム

2.1 燃料燃焼によるCO2の回収技術

 現在、完成度の高いCO2回収技術の主なものとして、燃焼前回収、燃焼後回収、酸素富化燃焼の3つがある。技術方針1は燃焼前回収技術で、燃料に対し燃焼前にまず前処理を行い、CO2とH2に転化させたうえで、CO2をそこから取り除くものである。方針2は燃焼後回収で、燃料燃焼後の廃ガスの中からCO2を回収するものである。方針3は代表的な酸素富化燃焼回収技術である。3つの方針の中では、燃焼後回収の技術が相対的に完成度が高く、一方、酸素富化燃焼は酸素富化粉炭ボイラーの応用面において優位性を具えている。しかしながら、最も魅力があるのは燃焼前回収である。このほか、いくつかの非常に潜在力のある新しい技術――例えば、化学ループ燃焼、膜分離により水素を製造するIGCC、膜分離により酸素を製造するIGCCなどは、まだ研究・開発の段階にある。

 燃焼前回収の主な反応プロセスは以下の通りである。燃料はガス化炉の中で部分酸化反応を起こす。

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 水蒸気と改質反応を起こす。

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 シフト反応器の中で、COと水蒸気が反応し、CO2に転化する。

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 燃焼前炭素回収の優位性は第一に、燃焼前システムが現在広く応用されている完成度の高い技術を使用していることにあり、IGCC発電所はその代表的システムである。第二に、燃焼前システムの生み出すガス流は中圧CO2富化ガス流であり、同じ脱炭負荷の下では、設備の体積が小さく、プロセスのエネルギー消費が著しく低減する。しかも、燃焼前システムはIGCC発電と化学品のポリジェネレーション――合成ガスからのメタノール、ジメチルエーテル、合成ガソリン等の製造を実現することができ、わが国の国情に合ったクリーンな石炭新技術を発展させるのに有利である。だが、わが国が近年大量の石炭発電所を新設してきたという現実からすれば、燃焼後回収技術の今後の研究開発もまた、必ずや大いに重視されるであろう。

2.2 炭素回収機能を具えたIGCC発電システム

 IGCCの燃料は石炭、残油、石油コークス、バイオマスなどである。典型的な燃焼前炭素回収による石炭燃焼IGCC発電システムには、図2に示すように、石炭ガス化、空気分離、コンバインドサイクル発電、CO2回収の4つのユニットがある。

図2 典型的な燃焼前炭素回収による石炭燃焼IGCCシステム

図2 典型的な燃焼前炭素回収による石炭燃焼IGCCシステム

 空気分離ユニットは酸素ガスを生み出してガス化炉に供給する。石炭はガス化炉の中で酸素ガス、水蒸気と部分酸化反応(1)及び改質反応(2)を起こし、H2とCOの混合ガス、すなわち合成ガスを生じる。合成ガスはシフト反応(3)器に入り、COはCO2に転化し、同時にさらに多くのH2を生じる。このときのガス流圧力は3~7MPaの範囲内にあり、CO2モル濃度は40%以上である(いわゆる中圧CO2富化ガス流)。脱炭ユニットに入った後、大部分のCO2は除去される。脱炭を経たH2富化ガス流がガスタービンに供給されて燃焼発電を行い、ガスタービンの排気余熱とガス化プラントの顕熱回収熱量が余熱ボイラーによる加熱給水を経て過熱蒸気を生み出し、蒸気タービンを駆動して再度発電を行う。IGCCは燃焼後炭素回収の方式を採用することも可能である。

図3 Wabash River IGCC発電所、アメリカ

図3 Wabash River IGCC発電所、アメリカ

 IGCC関連技術は比較的完成度が高く、世界中にすでに少なからぬ商業的モデルプロジェクトがある。そのうち、単一容量が250MW以上の、代表性を具えたIGCC発電所はアメリカのWabash River(260.6MW、図3)とTampa(250MW)、オランダのDemkolec(253MW)、スペインのPuertollano(300MW)、イタリアのPortoscuso(450MW)などである。

3. IGCCの中圧CO2富化ガス流中からのCO2分離

3.1 現有のCO2吸収分離プロセス

 CO2吸収分離法は物理吸収と化学吸収の2つの基本方式に分かれるが、両者を結合することも可能である。物理吸収の代表的プロセスには低温メタノールを用いる方法(Rectisol)とポリエチレングリコール・ジメチルエーテルを用いる方法(Selexol)がある。物理吸収法はCO2の分圧が高めで、浄化度の要求が低い場合に適しており、吸収剤再生時に加熱の必要がなく、フラッシュ蒸発またはストリッピングを行うだけでよく、総エネルギー消費が化学吸収法に比べて小さい。化学吸収はCO2と溶剤の間に発生する化学反応を利用して、混合ガス中のCO2を固定する。化学吸収法はCO2の分圧が低めで、浄化度の要求が高いガス流を処理するのに適しているが、ただし吸収剤の再生時に加熱が必要で、エネルギー消費がより大きい。その代表的なものはMEA(モノ‐エタノールアミン)プロセスである。

 Rectisol法はドイツのLinde社とLurgi社が共同開発した一種の酸性ガスの物理吸収浄化プロセスである。このプロセスはメタノールの-50℃という低温下では酸性ガスに対する溶解度が極めて大きいという物理的特性を利用して、CO2などの酸性ガスを吸収するものである。このプロセスはガス中のNH3及び水分含有量についてかなり高い要求を有しているため、吸収塔に入る前に必ず徹底的に除去しておかなければならない。低温操作は設備の材質に対する要求が高めである。また、その熱交換・冷凍設備の数が多いうえに複雑で、プロセスフローが冗長である。Selexol法はAllied化学会社が開発し、1982年にNorton社に技術移転された。現在、世界には40組のSelexolプロセス装置がある。そのプロセスフローは図4に示す通りである。Selexolプロセスの操作条件は、吸収温度が25~0℃で、真空フラッシュ蒸発を設けない場合、CO2回収率は70%であり、ストリッピングした空気を二段炉に戻した場合、CO2回収率は95%にも達する。

図4 Selexol脱硫脱炭フロー

図4 Selexol脱硫脱炭フロー

 活性化MEAはUOP社の特許であり、アメリカですでに数十年にわたる使用の歴史を持ち、現在、世界に数百組の装置がある。BASF社が打ち出したN‐メチルジエタノールアミン(MDEA)物理‐化学吸収法は30年余りにわたって発展してきた方法で、新設の工場でもかなり多く使用されている。

 IGCCの燃焼前回収システムにおいては、物理吸収法を選択すれば、ガス流圧力が比較的高く、CO2濃度が比較的高いという特徴を十分利用することができ、設備の体積を減らし、循環吸収剤の使用量を減らす上で有利である。しかも、吸収剤の再生はフラッシュ蒸発によってすぐに実現でき、化学吸収法に比べて大量の脱着熱が節約でき、分離のエネルギー消費が著しく低減する。物理吸収剤は設備に対する腐食性が小さく、設備費とメンテナンス費を大きく低減できる。したがって、Selexol等のようなプロセスは多数のIGCCの燃焼前回収システム案とされている。

 CO2吸収分離プロセスは化学工業においても完成度の高い応用がなされてきたが、炭素回収技術としての使用は近年ようやく真剣に考慮され始めるようになった。様々な類似の石炭ベース発電システムの特大規模の工業炭素排出源を前にして、早急に解決の求められる多くの技術的問題が依然として存在している。それは例えば、CO2の高効率吸収剤、エネルギー消費の低い分離プロセスの研究・開発などである。

3.2 新型吸収剤の開発

 報道によれば、近年、Selexol溶剤はまた新たな進展を遂げ、SelexolⅡ溶剤はいちだんと優れた性能を有しているという。CO2溶解度が増大し、溶液循環量が減少し、吸収のスピードが高まった。BASFはSelexol溶剤と似通った一種のポリエチレングリコール・メチルイソプロピルエーテルの混合溶剤を開発し、Sepasolv MPEプロセスと称し、現在すでに3組以上の装置が完成している。

 郭亮らはブチルエーテルを物理吸収剤とすることを提起したが、その根拠は最大超過についてのギブス関数法である。CO2-ブチルエーテルの気液平衡データを測定することにより、ブチルエーテルは蒸気圧が相対的に低く、CO2に対して優れた吸収能力を具え、溶剤循環量とプロセスのエネルギー消費を著しく低減できることを発見した。フローシミュレーションの分析結果によれば、同じ条件下では、新しい吸収剤を採用したプロセスは、Selexol法に比べエネルギー消費を大幅に減少することが明らかである。

 日本RITEが開発した化学吸収剤RITE 5B、RITE 6C等は、優れた炭素回収能力を具えている。CO2 1t /dのmini plantによるシミュレーションの結果によれば、CO2 3000t /d規模の回収工場についてエネルギー消費の見積もりを行ったところ、吸収剤再生のエネルギー消費は2.5GJ/t CO2(RITE 6C)であった。同様の条件下では、MEA吸収剤を使用した場合に比べ、エネルギー消費が41.2%で済む。

 イオン液体をCO2吸収剤とするのは、一つの新しい研究方向である。Brenneckeらの研究により、イオン液体には非常に強いガス選択吸収特性があることが発見された。CO2は比較的高い溶解度を有しているが、H2、CO、N2等はほとんど溶解しない。燃焼前のガス流の主な組成はH2、CO2、COであるので、この方法にはかなり魅力がある。イオン液体はほとんど揮発せず、CO2脱着のエネルギー消費を低減するのに有利である。

4. 中国におけるグリーン石炭発電の新たな進展

4.1 華能集団のグリーン石炭発電プロジェクト

 華能北京熱電所のCO2回収モデル工事が2008年7月16日に正式に完成し、運転を開始したことは、中国の炭素排出削減技術が初めて石炭燃焼発電の分野で応用されたことを示している。この工事は西安熱工学研究院が完成させ、自主知的財産権を有する、伝統的石炭燃焼発電所に適したアミン法低分圧CO2回収技術を開発し、すべて国産設備を採用している。現在、CO2回収率は86%を上回り、年間3000トンのCO2を回収している。プロジェクトの完成後、華能北京熱電所は全国初の脱硫、脱硝、CO2回収設備を装備した、都市中水を利用した熱電併給のクリーンで高効率な環境保護型グリーン発電所となり、各項環境保護基準がいずれも世界の先進水準に達した。このプロジェクトは中国・オーストラリア両国政府の2007年『気候変動とエネルギー問題に関する共同声明』の中の国際協力プロジェクトに組み込まれ、工事建設の過程でオーストラリア連邦科学工業研究機関の協力と支援を得た。また、華能集団が上海に建設中の毎年10万トンの炭素回収プロジェクトは、2009年末に完成・運転開始の見込みとなっている。

 2009年7月6 日、わが国が初めて自主的に開発・設計・製造し、建設を行うIGCCモデル工事(アジア開発銀行プロジェクト)――華能グリーン石炭発電天津IGCCモデル発電所が天津市臨港工業区で建設に着工した。知るところによると、この発電所はわが国初の25万kW級IGCC発電機ユニットを建設し、さらに華能集団が自主的に研究開発した2000t/d級の二段式微粉炭ガス化炉を採用するという。初の発電機ユニットは2011年に完成の予定で、その暁には同発電所はわが国で最も環境に優しい石炭燃焼のモデル発電所となり、発電効率は48%、脱硫効率は99%以上に達することができる。プロジェクトの実施とにらみ合わせ、実際の工事データを採用して、CCSモデル工事の総合的リスク評価、サイト選定、融資メカニズム等の研究を行うとともに、これらと関連した能力確立活動を展開し、初めての比較的大規模な、全工程のCCSモデル工事を中国に建設するために、支援を提供することになっている。

図6 華能北京熱電所のCO2回収装置・華能グリーン石炭発電天津IGCCモデル発電所システム

図6 華能北京熱電所のCO2回収装置/華能グリーン石炭発電天津IGCCモデル発電所システム

4.2 中国・EU協力プロジェクト

 2009年10月28~29日に開かれた、中国・EUの近ゼロエミッション石炭利用協力事業NZEC(China‐EU Cooperation on Near Zero Emissions Coal)の第一段階総括会議と後続段階の協力展望報告会が北京で滞りなく閉幕した。2005年9月の中国・EU首脳会議期間中に、中国・EU双方はNZEC協力了解覚書に調印し、これを中国・EUの気候変動分野技術協力の一部分とした。その目標は、2020年には、中国とEUにおいて近ゼロエミッションCCSの先進的石炭技術のモデルを示すということである。中国・イギリスのNZECプロジェクトは中国・EUのNZEC協力了解覚書の支えである。イギリスは三つの段階を経てNZECモデルの目標を実現する計画である。その第一段階は、中国でCCS技術のモデルを示し発展させるための実行可能なプランを研究すること。第二段階は、CCS技術の開発事業をさらに展開すること。第三段階は、2014年までにCCS技術のモデル発電所を建設することである。

4.3 中日協力プロジェクト

 大慶油田の2007年の産油量は約4200万トンで、近年は産出量が減りつつある。聞くところによると、CCS技術を活用して油田にCO2を注入すると原油の粘度が低下し、原油産出量の増加に有利であるという。2009年から、中日両国政府は共同提携により、毎年、ハルビンなど多数の石炭燃焼発電所からCO2 300万トンを回収し、パイプラインで大慶に送り、油田に注入することを計画しており、年間約150万トンの増産という効果がもたらされることを見込んでいる。日本の日揮株式会社など、エンジニアリング技術方面の大型企業がこのプロジェクトに参加する。日本側はこれを地球温暖化解決のための貢献の一つにしたいと期待している。

4.4 中米協力プロジェクト

 2008年6月、中米両国は『中米エネルギー・環境10か年協力枠組み』に調印した。2008年8月、中国華能集団とアメリカのデューク・エナジー社は協力覚書に署名し、再生可能エネルギーと、CCS及び石炭ガス化等のクリーン石炭技術によるクリーンエネルギー技術の共同開発を計画した。デューク・エナジー社が建設中の630MWのIGCC発電所は世界で最もクリーンな、最も規模の大きい、最も先進的な石炭燃焼発電所の一つで、2012年に運転を開始する見込みである。華能集団も中国のグリーン石炭発電技術を積極的に推進しているところである。

 2009年11月17日、中米両国首脳が発表した『中米共同声明』の「気候変動、エネルギー、環境」部分は、中米クリーンエネルギー共同研究センターが、クリーンエネルギーの共同研究開発に従事する両国の科学者とエンジニアリング技術者のために便宜を提供すること、今後5年間に、両国はこの研究センターに対し少なくとも1.5億米ドルを投入すること、双方は大規模なCCSモデルプロジェクト方面での協力をさらに促進することを表明した。中国神華集団とアメリカGEエナジー・グループの双方はすでに合弁会社設立合意書に署名し、協力して先進的石炭ガス化技術の中国の工業分野における応用を拡大し、IGCC技術の性能と経済性をいっそう高めるとともに、共同でCCS技術のIGCCへの商業的応用を推進することを発表している。

5. 結語

 気候変動という重大な問題に対して、最近、中国はGDP当たりの温室効果ガス排出を40%削減することを承諾し、排出削減に対する中国政府の積極的姿勢を明らかにした。本文は中国の石炭燃焼発電所におけるCO2回収技術の発展の最先端を紹介したものである。IGCCは燃焼前の炭素回収技術を採用するのに適しており、それが炭素回収の技術経済性を高め、国情に合った動力と化工品のポリジェネレーションを発展させる上で有利であると考えられる。また一方で、わが国が石炭発電を大量に新設してきたという既存の現実からすれば、燃焼後回収技術についての今後の研究開発もまた、必ずや大いに重視されるであろう。


謝辞

 本論文の作業は国家高度技術研究発展計画(2008AA062301-04)による資金援助を得た。ここに謝意を表する。


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