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生物から学ぶスマート界面材料

2010年 5月7日

江雷

江雷:中国科学院化学研究所研究員、
北京航空航天大学化学・環境学院院長、中国科学院院士

1965年3月生まれ、江蘇省鎮江出身。中国科学院化学研究所研究員、北京航空航天大学化学・環境学院院長、2009年に中国科学院院士に選ばれた。
1987年に吉林大学物理学部固体物理学科を卒業し、1990年同校化学学部物理化学専攻で修士号を取得した。1992年~1994年、中日共同養成の博士課程学生として日本の東京大学に留学し、帰国後博士号を取得した。1994年~1996年に日本の東京大学でポストドクターになる。1996年~1999年、日本の神奈川アカデミーで研究員を務める。1998年、中国科学院百人計画」に入選する。
2000年度中国化学会青年化学賞、2000年度中国科学院10大傑出青年、2001年国家自然科学基金委員会傑出青年基金助成、2002年中国科学院百人計画最終評価優秀賞、2003年、2004年、2005年中国科学院優秀博士課程指導教員賞、2003年第8回中国青年科学技術賞、2005年国家自然科学賞二等賞などを受賞している。
現在までに300編余りのSCI論文を発表しており(そのうちNature(2編)、Nature Nanotechnology(1編)、Acc. Chem. Res.(2編)、Ann. Rev. Nano Res.(1編)、J. Am. Chem. Soc.(12編)、Angew. Chem.(16編)、Adv. Mater.(29編))、他者によって6500回あまり引用されている。h指数は42である。『Advanced Functional Materials』、『Small』、『Solid State Science』、『Biomicrofluidics』、『Nano Research』、『Asia Materials』、『無機化学学報』などの学術誌の編集委員を兼任する。

共著者:Liu Mingjie

1. はじめに

 自然から学ぶとは自然からアイデアを取り入れ、生物無機材料(生体内鉱質形成) [1]や、生物学の原理からの発想(バイオインスパイアード)を利用したマルチスケール構造物質(キラル形態) [2]、バイオナノマテリアル(バイオナノ粒子)[3]、ハイブリッド有機‐無機インプラント材料(硬組織複合材料)[4]、及びスマートバイオマテリアル[5, 6]と言ったものがそうであったように、自然のコンセプトに基づいて新しい機能的な材料を開発することにある。

 生物学の原理の発想を利用したスマートマテリアルはそのユニークな特性によって今、さらにより多くの興味を集め、生物模倣型目的[7]や、活発に動く高分子[8]、ニューラルメモリ[9]、薬剤配送のためのスマートマイクロ・ナノ容器[10]、種々のバイオセンサー[11-13]、及びデュアル/マルチ応答性材料[14-16]のように、実世界へのアプリケーションへの道を数多く開いた。また、これらのスマートマテリアルの多くは環境状況の変化に呼応しその物理化学的性質を動的に変える表面を持っており、固体/水界面上の界面特性のトリガ制御が、イオンチャネルや方向性表面動作、及び制御可能な湿潤性と接着性[17-19] を備えたバイオインスパイアード・スマート表面に見られる。ハスの葉の自浄効果[20]や、コメの葉の異方的脱湿潤挙動[21]、アメンボウの足が発揮する超疎水性力[22]、やもりの付着メカニズム[23]、及びその他、数多くの自然現象は全て、表面上のマイクロおよびナノ構造[24-29]と関連性を持っている。バイオインスパイアード材料の中のそのような複雑な機能性の創製は秩序だったマルチスケール構造に依存している。ここでは、バイオインスパイアード・スマート表面材料の開発についての最近の進捗状況について検討を行う。

2. 生物システムのユニークな特性

図1 

図1 生物学のマルチスケール構造。自然には4つの興味深い生物学上の特性がある。

A) 自浄特性 - ハスの葉、アヒルの羽、及び蚊の目(左から右へ)、B)機械的特性 - ヤモリの足、タコの吸盤、及びアメンボウ、
C)色彩透過構造 - クジャクの羽、チョウの羽根、及び甲虫の甲羅、そしてD)光学特性 - セミの羽根、蛾の複眼、海綿距。
それぞれのケースで、第一列は生物学的特性の写真を示し、二列目、三列目はそれぞれのマイクロおよびナノスケール構造の走査型電子顕微鏡を示す。

 生体システムのユニークな特性を選び、バイオインスピレーションとして使用することが自然から学ぶための第一歩である。自然の外部要因に対するスマート応答から多くの科学的な問いが推論できる。一般的に、生体システムは嗅覚、視覚、聴覚がそれぞれ匂い[30] 、光[31] 及び音[32]に対する応答であるように、外部の刺激に対して応答する有機/無機ハイブリッド複合物質である。しかし、これらの生物学的反応システムは直接的に模倣するにはあまりにも複雑である。しかし、最近になって、それほど複雑ではないものの、生物学上で特殊機能であるものが大きな注目を集めている(図1)。ハスの葉及びアヒルの羽の自浄効果[33, 34]、曇らない超疎水性の蚊の複眼[35]、ヤモリとタコの非常に粘着性の高い足と吸盤を使った動き[36, 37]、水上で歩くアメンボウの濡れない現象[38]、周期的微細構造によるクジャクの羽、チョウの羽根、及び甲虫の甲殻の色彩[39-41]、セミの羽根及び蛾の複眼の中の光反射防止を行う特殊なナノ構造[42, 43]、そして最後にそのマイクロ構造による海綿の特殊な光反射性[44]といったものである。これらの特徴の全ては、バイオインスピレーションとして適する。

 興味深いことは、多くのユニークな特性は特別なマイクロ・ナノ構造に関係していて(図1の2列目と3列目)、生体システムとそのマイクロ・ナノ規模の構造のユニークな特性との関係を理解することがナノ材料の創生にとって重大である。「ロータス効果」、ハスの葉及びアヒルの羽で観察される超疎水性現象[33, 34]の場合には、最初、高い接触角(超疎水性)及び低い滑り角度(低付着性)双方がマイクロンメートル規模の乳頭突起及びクチクラ外ワックスにより引き起こされる表面の粗さの結果であると思われていた。しかし、最近では、ハスの葉表面上、つまり、マイクロ規模の乳頭突起上の枝のようなナノ構造上の新しいマイクロン・ナノメートル規模の階層構造の発見によって、これらの階層構造がユニークな特性に起因するのではないかと提案されている。特殊構造及びそれに相応する化学組成の組合せがハスの葉に見られるユニークな特性の原因であり、これが次の例の多くのケースである。

 研究者たちは、図1a(2列目と3列目)の走査型電子顕微鏡によるイメージで例示するように、生体表面上のマイクロン・ナノメートル規模の階層構造が、ハスの葉の自浄効果及び蚊の複眼の高防曇特性[35]のような特殊な現象を引き起こすと提案した。

 やもりは壁を登り天井を走る(密着性の高い「やもり」の足)優れた能力で、またタコは体を底質に固定し獲物を維持する(タコの吸盤[36])能力で知られている。一方、アメンボウは、その非湿潤性の足から苦も無く水面に立ち、素早く動き回る。図1bは、超疎水性[38]の源と考えられているアメンボウの足の上にある指向性でマイクロンメーター規模の針形をした肩毛を示している。

 クジャクの羽、蝶の羽根、或いは甲虫の甲殻の色彩[39, 41]は、1次、2次、或いは3次元(図1cの走査型電子顕微鏡によるイメージ)の波長及び相応の色彩における誘電率で、周期的な変化を表すマイクロ構造によるものである。色彩透明構造は多くの動物、とりわけ、暗い環境に住む動物や、例えば甲虫の緑色と言った特殊色素の合成により、生化学的に非常に高価な場合に見られる[45]

 セミの羽根及び蛾の複眼(図1dの走査型電子顕微鏡によるイメージ)に見られるナノ構造は、表面全体で一つの媒体の光学インピーダンスをもう一方の媒体に徐々にマッチさせることで、幅広い領域の角度及び周波数に亘って反射性を最小限にする[42, 43]。これは乳頭配列と呼ばれる先細りする要素の配列を限度まで統合することで達成される。このような乳頭配列は通常、表面が単眼の節足動物で見られ、現在大きな研究対象のテーマとなっている。同様に、海綿の特殊な光反射性はそのユニークなマイクロ構造に起因する[44]

 要約すると、自然に見られる多くのユニークな特性は階層構造に起因すると考えられる。バイオインスパイアード材料における複雑な機能性の実現は、種々の物理化学的方法で創生された秩序のあるマルチスケール構造(マイクロ・ナノ構造)に依存し、新しいバイオインスパイアード・スマート材料の設計においては重大なポイントである。従って、自然から学び、底流にあるアルゴリズムを理解し、それを人工的なプロセスに適用することが多くの科学者が追求すべき道である[46]。特性と生体システムのマルチスケール構造の相関関係をベースとすることで、自然同様の或いは新しい特性を持った人工的材料の設計が可能になる。

3. 協賛及び補完の二元的な役目を果たす界面

図2

図2 共同補完性を持つナノメータスケールの界面材料の可能性。

相互に補完的な特性を備えたナノ構造が、白黒の四角で提示されている。バイオインスパイアード、マルチスケールな界面材料の開発という願いがユニークな機能的特性を創造する動機である。
このようなコンセプトをマルチスケールの固体表面上に適用することで、親水性と疎水性、導電性/絶縁性、凹面/凸面、p型/n型, 酸化性/還元性、及び強磁性/反強磁性と言った、
相互補完的特性を備えたノ構造が生み出される。

 図2は親水性と疎水性、導電性と絶縁性、凸面と凹面、p型とn型半導体、酸化と還元、及び強磁性挙動と反強磁性挙動と言った相互に補完し合ういくつかの物理化学的特性を表している。最近、協賛及び補完の二元的ナノメートルスケールの界面材料、言いかえれば、ナノメートルスケールで二つの補完的特性を示し、一定の条件の下で、「マクロスケール」でこの二つの特性を可逆的にスイッチ出来る材料という新しいコンセプトが提案された[47]。最近のいくつかの研究結果[48-51]により、このコンセプトは新しい界面材料の設計に有益であることが示されている。一定の条件の下で、これらの界面は予想もしなかった特性を示し、理論的には新しいアプリケーションへの大きな潜在力を提供する。親水性と疎水性は表面の湿潤性において正反対に位置するもので、親水性と疎水性、或いは、気温やPHや光等の外的な刺激により引き起こされる超親水性と超疎水性の間の人工的なスイッチはバイオインスパイアード材料[52-56]の優れた例である。

4. バイオインスパイアード材料設計のいくつかの例

 ハスの葉を例に取ると、その超疎水性及び自浄特性はバイオインスピレーションの役目を果たす。非常に多くの研究がマイクロ構造とマクロスケール特性との相関関係に注目し、ハスの葉の表面上のマイクロ・ナノメートルスケール階層構造、言いかえれば、マイクロの乳頭突起上の枝のようなナノ構造がそのようなユニークな特性を説明してくれる。それ以来、多くの超疎水性の研究者が自然を模倣することに動機付けられ、種々の人工的超疎水性表面の開発へと多くの努力を払ってきた[57-61]。一般的に、150度以上の静的接触角を持つ表面は超疎水性表面と定義されている。図3で示すように、下記の6つの異なる接触角状態とヒステリシスが超疎水表面として可能である。

  • A) Wenzel 状態(水滴が湿潤接触状態で、表面上で動かない)
  • B) Cassieの超疎水性状態(水滴が非湿潤接触状態を取る)
  • C) 「ハス」状態(特殊なCassieの超疎水性状態のケース、高接触角及び非常に小さい接触角ヒステリシス)
  • D) Wenzel 状態とCassie状態の間の過渡的な超疎水性状態(ほとんどの実用的なサンプルは一定の滑り角度を持つ)
  • E) 「やもり」状態(高接触角と密着性)
  • F) Cassieの湿潤状態[62, 63]
図3

図3 a)-e)は超疎水性表面の異なった状態である。

a) Wenzel 状態、b)  Cassie状態、c) 「ハス」状態 (特殊なCassieの超疎水性状態のケース)、d) Wenzel 状態とCassie状態の間の過渡的な超疎水性状態、
e)「やもり」状態(例、PSナノチューブ表面)、f) Cassieの湿潤状態。灰色の斜線部分は密封された空気を表し、他のエアーポケットは大気と続いている(開かれた状態)、
g) 表面の粗さは湿潤性と共に増加する。

 もう一つの良い例が、方向密着性[40]を見せるチョウの超疎水性の羽根である。水滴は体の中心軸から外側に向かって放射状に羽根の表面から容易に転げ落ちるが、反対方向の表面に対してしっかりと固定されている。興味深いことに、これら二つの異なった状態は羽根の位置(下方向と上方向)と表面全体(外側、或いは反対方向に向かう放射状)の空気流の方向により制御されている。これは一次元レベルで重なり合う硬いナノストリップとマイクロスケール上のナノ針状結晶の方向的調節の結果であることを研究が示している。水滴と方向の調節が可能なマイクロ構造は、二つの異なる接触モードが可能であり、このことによって、二つの異なる付着力を提供している。マイクロ・ナノ構造の方向の調節により超疎水性の異なった状態を制御するのである。

 さらに、表面の粗さが湿潤性を変えると考えられている。65度以上の接触角を持つ平坦な基板は粗さが増加すると超疎水性になり、65度以下であれば、基板は粗さが増加するごとに超親水性となる。つまり65度の接触角が親水性と疎水性の境界と深く関わりをもつことが、最近、表面張力の測定[64]により定義された。一定の表面の粗さが超親水性と超疎水性を得るために必要なことは、理論的にWenzul式[65]とCassie-Baxter式 (図 3g)[66]から導き出される。これらの結果から、表面の粗さと化学組成を組み合わせることで超親水性と超疎水性をスイッチする表面を創製することが可能になる。

 再度、ハスの葉を考えると、親水性或いは両親媒性分子が同一表面上で、疎水性と親水性を組合わせたハスのような超疎水性表面に結合すれば、ハスのような表面は過渡的なWenzelとCassie超疎水性状態を利用する応答性を持つスイッチ可能な表面となる。チョウの羽根に関しては、付着力が低い分子及び「やもり」状態の表面が組み合わされると、一つの材料で高い付着力と低い付着力が同時に可能となる。

 次の章では、特殊な湿潤性及び外的刺激に反応するスマート表面という二つの基本的な特性を持つバイオインスパイアード材料を扱う。疎水性と親水性、疎油性と親油性、及び高付着性と低付着性の原因となる基本的な湿潤状態をベースにすれば、これらの二つの側面を単に組み合わせることで、他のどのような表面機能も実現可能になる。

5. バイオインスパイアード・スマートスイッチ表面

5.1 固体表面のスイッチ可能な湿潤性

 最近、超親水性と超疎水性の間のスマートスイッチングの研究が世界中で大きな注目を浴び、多くの研究者がこの分野に努力を注いでいる。ここ数年の間に、温度[67]、光[68, 69] 、電界[70]、pH[52]、溶媒[71]、及び磁性と言った単独の外的刺激による応答性が大きい湿潤性を、有機及び無機材料から作ることに成功した。ここでは、異なった幾何学的性質を持つ無機・有機薄膜上の超親水性と超疎水性の間の可逆的湿潤性についての最近の進捗状況を検証する。

5.1.1. 光応答性表面

図4

図4 走査型電子顕微鏡のイメージ

(a) 化学蒸着法で作られたZnO膜、(b) 湿式化学法で作られたTiO2、
(c) SnO2 膜、(d) 紫外線照射及び暗室保管により可逆的にスイッチした超疎水性と超親水性の間の湿潤性

 光応答性材料の一種としての無機性半導体酸化物(SnO2, TiO2 及び ZnOを含む)は、紫外線照射や暗室での保管或いは顕熱を利用して、水酸基吸収(酸素空孔)[72]に対してより好ましい状態と、酸素吸収(水酸基)に対してより好ましい状態のそれぞれの状態の間で、表面の化学的環境を可逆的にスイッチすることでよく知られている。つまり、湿潤性を制御することでスマート表面の創製が可能になる訳である。これをヒントとし、適切な幾何学的形態を持たせれば、超疎水性と超親水性の間で表面の湿潤性を可逆的にスイッチすることが可能になる。事実、我々は下記に記述するようにこの種の膜を得ることができる。

 ナノ構造表面、特に超疎水性を提供するマイクロ・ナノ階層構造を持つ表面についての我々のこれまでの研究をベースとして、我々は酸化物半導体から多くの超疎水性膜を開発した。紫外線照射を変えたり、一定の期間暗室で保管したりすることで、表面湿潤性は典型的な光スイッチ効果を示し、超疎水性と超親水性の間を可逆的にスイッチする。Sunにより同様の挙動はすでに観察されていたが、そこでは滑らかなZnO膜の水接触角が109度(超疎水性には程遠い)、また紫外線照射後は10度でしかなかった。両極状態間の可逆的スイッチングは, ZnOのナノロッド膜[73] 上で我々が初めて実現した。その後、CVD法(図4a) [68]によるマイクロ・ナノ階層構造をしたZnO膜、種々の方法[74-76]によるZnOナノロッド膜、水熱法(図 4b)[77]と光電気化学エッチング法[78]による花の形をしたTiO2ナノ構造膜、及び種結晶法(図4c)[69] により作成される整列したSnO2ナノロッド膜と言った、異なる表面形態を持ち、両極状態間で紫外線光の刺激を受けて湿潤性が可逆的となる(図4d)種々の酸化物半導体膜が創製された。多機能材料の立案及び制作中、多くのインスピレーションを我々に与えるに違いない調整された湿潤性領域中の半導体酸化物の光触媒作用性を好適に使用することは、好結果の例である。

 無機化合物に比較して、取扱いが容易で応答が速く、また化学的な組み換えが可能である等、多くの優位性を持つことから、有機材料が光スイッチベースの研究や記憶装置のためだけではなく、幅広く使用されている。好ましい光応答性有機材料は、表面エネルギーから吸収スペクトル、屈折率、誘電率、酸化・還元力から幾何学的構造[79]に至るまで、物理的及び/或いは化学的状態の間を光誘導で可逆的に形質転換する材料である。

 光応答性有機化合物として古典のアゾベンゼン及びその誘導体は紫外線/可視光線[80, 81]の照射を受けるとtrans及びcis異性体の間の可逆的な移行を経験し、幾何学及び双極子モーメントの変化並びに表面の湿潤性が起こる。Transは双極子モーメントが小さいことから表面自由エネルギーが低く、逆にcis異性体は双極子モーメントが大きいことから表面自由エネルギーが高い。このように、transからcisへのアゾベンゼンの異性化により、湿潤性がより疎水性からより親水性へと変化する結果となる。

 これに関しては、表面湿潤性を制御するためにアゾベンゼン及びその誘導体を使って、多くの技術が開発され、それらのいくつかは両極状態間で湿潤性をスイッチすることができる。平坦な基板上のアゾベンゼン単分子層の自己集合は単に紫外線照射[82, 83]により10度以下の接触角をもたらすだけであり、滑らかな高分子膜上でも紫外線照射による接触角の変化は11度までである[84]。しかし、上記の結果は湿潤性に対する表面の粗さの増幅効果への取組みが十分になされていなかった時代の平坦な表面をベースとしたものである。従って我々は粗い基板として、整列したシリコン柱基板或いは逆オパール[85]を使用し、単純な静電自己集合法を通して、アゾベンゼン高分子電解質単分子層を創製した。適切なテクスチャ構造をした表面上では紫外線及び可視光線の照射の後で、可逆的な接触角は66度まで変化する。超疎水性と超親水性の間の可逆的な湿潤性を持つ有機膜を得るためにこれまで大きな努力が払われてきたが、ほとんど進歩は見られておらず、材料及び化学を研究する化学者にとって大きな挑戦となっている。

 最近、Kilwon Choら[86]は、紫外線/可視光線の照射により、超疎水性と超親水性の間を可逆的にスイッチできる湿潤性を持つ有機性光スイッチ型多孔性多層膜を創製した。階層構造をした多孔性の有機・無機ハイブリッド多層膜を、交互堆積法を使ってシリコン基板上に作り、原子の鎖状を、フッ素原子を持つアゾベンゼン誘導体の一種である、7-{(トリフルオロメトキシフェニルアゾ)フェノキシ}ペンタン酸(CF3AZO)により部分的に修正した。堆積サイクルを適切に選び、接触角は可逆的に152±3°から 5°の間で変化し、有機表面上の超疎水性と超親水性の湿潤性が実現された。表面の粗さを高めたり、いくつかの官能基を移植することで表面自由エネルギーを最大値まで調節したり、全ての影響要因を考慮すると、これは有機化合物においては驚くべき結果であるが、それでもまだ伝統的なWenzelとCassieの方程式に添ったものである。これは光応答性分野だけにとどまらず、表面湿潤性を調節するための多用途の可能性を提供する。

 また、スピロピラン[87]は可視光線(450 - 550 nm)/ 紫外線(366 nm)で照射されると、閉じた非極型式と開いた極形式との間の可逆的移行を経験するもう一つの有機化合物である。既知のように、非極型式は疎水性である一方、極形式は親水性である。従って、スピロピランも表面湿潤性の調節に適用可能である。例えば、フラクタル的に粗いシリコンのナノワイヤー表面上で、光誘発の接触角は23度まで可逆的に変化する。特に、そのような表面上では紫外線で誘発され前進する接触角は、可視光線照射で後退する接触角よりも低く、これが紫外線・可視光線勾配の影響下にある水滴の動きを可能にする。結論として、これら二種類の典型的な光応答性有機化合物の他にも、ジアリールエテン誘導体のように、表面の湿潤性の調節に使用することができる光応答性有機化合物がたくさん存在すると考えるのが合理的である。

 つい最近、発色性ジアリリールエテン分子の一種を使って、超疎水性(163度の水接触角を持つ)と通常疎水性(120度の水接触角を持つ)間の表面湿潤性を、紫外線と可視光線照射の変化[88]を通して可逆的にスイッチすることに成功した。しかし、表面化学状態が光に敏感なアゾベンゼンとスピロピランで使われたメカニズムと異なり、湿潤性変化を提供するのは表面性状の中の光誘発による可逆的変化であり、これは光によって誘発される光異性化を起因とする、表面上の精密な微細結晶のフィブリル構造の可逆的形成により得られる。

5.1.2. pH 応答性表面

 pH値や電解物等の一定の水の状態に応答する表面湿潤性は多くの実用分野で非常に重要である。例えば、pH値の大小如何に関わらず液体に対し超疎水性がある表面は効果的に耐腐食性分野で使用できる[89]。さらに一定のpH値を持つ液体に特に応答性を持つ表面は制御されたマイクロ流体スイッチや、制御可能分離システム等で使用可能である。

 この点に関し、表面カルボン酸基の脱プロトン化による滑らかな表面上でpH応答挙動が観察できるとするWhitesideグループの研究[90, 91]をベースとして、Zhang ら[54]は、マイクロ・ナノ複合構造の粗い金表面に対する電着法と、HS(CH2)9CH3及び HS(CH2)10COOHからなる混合単分子層により変化した表面に対する自己集合を組み合わせてマイクロ・ナノpH応答性表面を創製した。表面はpH値が1の酸性の液滴に対し超疎水性であり、pH値が13の基本水滴に対し超親水性があることから、そこに落とされた液体のpH特性を示す。さらに、Zhang らは粗い金表面を1-(11-mercaptoundecanamido)ベンゾイックアシッドで変化させ、同様のpH応答性特性を観察した[92]。そのような表面上のpH応答湿潤性は、表面カルボン酸基の可逆的なプロトン化と脱プロトン化の結果である。

5.1.3. 熱応答表面

図5

図5 超親水性と超疎水性応答性スイッチ

(A) PNIPAAm鎖(下方)での分子間および分子内水素結合の可逆的競争の略図。これはPNIPAAm鎖上の温度応答性スイッチングの分子メカニズムである。
上方は平坦な表面上での水適落下の分析データである。(B) 粗い表面上で超親水性と超疎水性の間の熱応答性のスイッチングの水適落下の分析データ

 ポリ(N‐イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)[93]は、いくつかの熱応答性特性[94, 95] に対し、表面開始原子移動ラジカル重合を媒介して化学的に変化させた種々の基板として使用される有名な温度応答性高分子である。これに関して、我々は温度変化[67]により超疎水性と超親水性の間を可逆的にスイッチできる熱応答湿潤性に革新的な貢献を果たした。平坦な基板上で温度が25度から40度に上がると、接触角は63度から93度に変化する(図5A上方)が、これは下部完溶温度である32度から33度(図5A下方)前後での分子内と分子間水素結合の競争の結果である。しかし興味深いことに、粗い基板上では粗さが増すごとに、低温で親水性が高温で疎水性が増加する。粗さが十分に大きな場合には、高温で接触角が149.3度に達し、低温では0度になる。このことは、超親水性及び超疎水性(図5B)の間の温度を起因とするスイッチングが実現したことを意味する。このような増幅温度応答湿潤性の一種が、陽極アルミナのPNIPAAmを部分的に変化させたナノ構造基板上でも報告されている。

 その後、Qiang Fuらは、ナノ多孔性酸化アルミニウム表面[96] 上のPNIPAAmのブラシを変更し、この技術を更に発展させた。同様に、彼らは単に温度を変化させることで細孔径が適切に選択された場合は、超疎水性と超親水性間の表面湿潤挙動が可逆的にスイッチされることを観察した。しかし注目すべきは、彼らがナノスコープでトポグラフィー変化をも観察したことで、これは原子間力顕微鏡によるグラフト高分子の伸張および収縮を連想させるものである。従って、このような熱応答性表面のメカニズムは表面自由エネルギー変化に呼応するだけでなく、形態上の変化にも呼応する。

 高分子膜に加え、多くの硬質材料もまた熱応答性特性を示す。例えば、有機溶媒と水の混合液の中で有機トリエトキシシランを濃縮し作った硬質の泡沫膜[97]は超疎水性と超親水性間の可逆的な湿潤性を示すが、温度が上がると超疎水性から超親水性へと接触角が変わる傾向を示す。これは上で述べたことと正反対である。これは可逆架橋したシリカバックボーンに起因するのかも知れない。

5.1.4. 電場応答性表面

 電位を通じて表面湿潤性をスイッチするのは非常に重要で、近年特に注目されている。電位により引き起こされる構造転移を経験する種々の化合物の自己組織化単分子膜は電界応答浸潤性を持つ構造物内部で有効である。これについては、Lahannらが低濃度のカルボン酸末端単分子層[98]により変化した金表面上で、狭い範囲内で(水接触角が20度から30度)の湿潤性のスイッチを実現した。金表面上のイオン性アルカンチオラートの自己集合単分子層もまた、陰性及び陽性電位[99] の下で、可逆的な構造再配向のための表面湿潤性の変化を誘発する。

図6

図6 (a) ポリピロール膜の走査型電子顕微鏡のイメージ、
(b)ポリピロールのドーピング状態と脱ドーピング状態のスイッチング過程(上方略図)及び多孔質のポリピロール膜上の水滴の分析データ(下方略図)

 Yanらは電場により刺激される超親水性と超疎水性の間の可逆的にスイッチ可能な湿潤性を、単純な電気化学プロセス[56]で作った多孔質の導電性ポリピロール薄膜上で初めて実現した。これは多孔質の導電性ポリピロール(図6bの上方)のドーピング(酸化)状態と脱ドーピング(中立)状態の可逆的なスイッチングであり、一般的に、前者が疎水性であり、後者が親水性である。多孔質構造(図6a)が導入されると、湿潤性は拡張され、両極状態間でスイッチされる(図6b下方)。

 静電気的作用をベースとしたエレクトロ・ウェッティングが表面湿潤性[100-102]を制御するもう一つの方法だと判明した。それは動的湿潤性であり、外部から電気がプロセス全体で適用される。液体と導電層の間に電圧を加えることで液体側と電極側両方に充電をする結果、界面自由エネルギーが減少する。表面上の水挙動(湿潤と非湿潤を含む)はその結果、外部の電気の変化により異なり、電気応答性のある表面となる。電気応答性表面が両方の極限状態間で可逆的なスイッチングを実現するまでの道のりは長いが、数種の液晶分子がこの分野で重要な役目を果たすと期待されている。

5.1.5. 機械力応答性表面

 上述の表面湿潤性におけるスイッチ効果は、外部からの刺激で引き起こされる表面の化学的状態或いは表面形状、または両者の変化により得られ、これらは全て一定の化学的プロセスを経験する。しかし、つい最近まで、科学者たちは超疎水性及び超親水性間の可逆的な湿潤性は純粋に物理的アプローチによって実現できると示唆していた。よく知られているように、いわゆる物理的アプローチは表面形状、即ち表面の粗さを変えるだけであり、表面の湿潤性に影響を及ぼす有効な要因の一つである。

 Hanのグループ[103]は最近になって、三角網のような構造をしたポリアミドフィルム弾性膜に2軸延伸をかけたり、外したりすることにより、超疎水性と超親水性間の可逆的な湿潤性のスイッチを実現する手軽な方法を提案した。弾性のあるポリアミド膜を120%以上の伸張率まで伸張すると膜は超親水性を示し、そのストレスが除かれると表面のマイクロ構造は原型を取り戻し、その結果、湿潤性が超疎水性に戻る。この場合、外部機械力が荷重された後に形状の変化を可能にする良好なポリアミド膜の弾性が非常に重要である。さらに、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が繊維状結晶方向に対して垂直に、伸張率を5%から190%[104]に変えて伸張されると、弾性のPTFE湿潤性が、疎水性(118度)から超疎水性(165度)へと増加する。

 外部機械力は効率的に固体表面の表面形状、特に弾性のある高分子表面を変え、結果的にその表面の湿潤性を変えることができる。例えば、粗い表面を削ることで高分子膜固有の湿潤性を高められる。外部機械力を加えたり外したりすることで形状を変え、二つの状態の間を可逆的にスイッチすることが可能なら、可逆的な湿潤性が予見できる。

5.1.6. 二重/多重応答性界面

 可逆的な湿潤性を示す多くの刺激応答性表面が創製されてきたが、それらは一つの外部的刺激に応答性を持つだけであった。アプリケーションによっては、二重/多重の応答性を持つ材料が必要である。例えば、温度やpH及びグルコース濃度が身体の他の場所と異なる特定の場所に薬剤を運ぶ必要がある場合、薬剤のキャリアは温度やpH及びグルコースを含む、いくつもの刺激に対し同時に応答しなければならない。

図7

図7pH及び/或いは温度の変化により、水接触角及びポリ(NIPAAm-co-AAc)共重合体薄膜が変化した。

 我々はこれまでに論議された単体応答の表面をベースとして、温度及びpHに対し同時に敏感な湿潤性を示す二重/多重の応答性を持つ表面を作った[52]。これらの表面の設計プロセスは単体応答性の表面の設計プロセスと同様であるが、二つのタイプの刺激応答性高分子を必要とする。図7で示すように、粗いシリコン基板上のポリ(NIPAAm-co-AAc)共重合体薄膜を使ってこのような表面を実現した。超親水性と超疎水性間の可逆的スイッチングは、約10度の狭い温度域及び相対的に幅広いpH9域双方で起こる。この挙動は主にNIPAAm と AAc、及び水の二つの高分子成分間の水素結合の中での可逆的変化が原因であり、膜の湿潤性は分子間及び分子内の水素結合の間の競争に依存する。さらに、これらの表面の下部完溶温度は疎水性/親水性基を組み込むことで制御可能になる。下部完溶温度を体温の近似値に調節することが特に薬剤送達用アプリケーションにとっては重要である。さらに、二重応答性のポリ(NIPAAm-co-AAc)ヒドロゲルは、薬剤キャリアとして有用なマイクロメータ未満のサイズのケージを含んでいる。最近、超疎水性PANI-PAN同軸ナノファイバがエレクトロスピニング法とポリメリゼーションの組合せで創製された。この繊維はpH応答性で、超疎水性と超親水性間の可逆的転換が非常に素早く、プローブ溶液のpH及び/或いはレドックス特性を調節することで容易に制御可能な化学的応答性を持つ表面湿潤性を示す。そのような二重応答性を持つPANI-PAN同軸ナノファイバの制御可能な表面の湿潤性は生物学的分離システム、細胞培養、センサ等々の分野での多くの新しいアプリケーションを示唆している。将来的には、廉価で、機能的な高分子を使用するこの合成戦略はスマート表面の湿潤性を制御する直接的な手法になるかも知れない。

 この研究をベースとして、グルコースや温度及びpHに応えて超親水性と超疎水性間を可逆的にスイッチする多重刺激応答性表面が創製された[53]。具体的には、温度及びpHに感応性を持つPNIPAAm、並びにホウ酸基を媒介としてグルコースと安定複合体を形成するグルコース感応性ポリ(アクリルアミド・フェニルボロン酸)を表面に入れた。原子移動ラジカル重合を使って、ポリ(- NIPAAM-co-PBA)共重合体膜を平坦なシリコン基板と粗いシリコン基板に移植した。表面は、温度、pH及びグルコースの三つの外部的刺激の下で、超親水性と超疎水性の間を可逆的に変化した。例えば、多孔質殻を持つポリ(NIPAAm-co-PBA)を移植された空洞の微小球が、新しい非侵襲性グルコースセンサー及びインスリン自己送達システムの素晴らしい候補者となるかも知れない。そうなれば、糖尿病患者のインスリン注射の回数を減らすことができるだろう。

5.2 固液界面上スイッチ可能な接着性

5.2.1. 超疎水性表面上の刺激応答性付着

 上で論じたように、Wenzel状態 或いは Cassie状態の超疎水性表面上の液滴は異なった密着性を示し[105, 106]、二つの状態の間の移行を妨げるエネルギー障壁の存在が報告されている[105, 107]。外部の刺激を媒介として表面の化学的特性を変えるスマートマテリアルは湿潤状態の移行を妨げるエネルギー障壁を克服するための有効なアプローチを提供する。したがって、超疎水性表面上の固体/液体間の付着性の可逆的スイッチングは、表面の化学応答と表面の粗さとを正確に調整することで実現可能である。

図8

図8 (A) 摂氏23度(左)から75度(右-差し込み図は基板がさかさまになっても水滴が表面に付着していることを示している)
までの間のローリングからピン止め状態への水滴のモビリティの可逆的スイッチング、
(B) 摂氏23度で水滴は複合状態(Cassie状態)にある。75度でこれは湿潤状態(Wenzel状態)にある。

 この考えを実証するために、我々はシリコン表面[108] 上の側鎖型高分子液晶であり、また熱応答性高分子であるPDMS-4OCBを部分的に改造した。平坦なPDMS-4OCB膜上では、温度が23度から75度まで上昇した時(相転移点のすぐ上)に水接触角が92.4 度から 89.3度に変わるが、これは液晶の等方性相転移への不連続な界面アクション変化に相当する。最適な粗さのシリコンウエファー上では静水接触角は全て超疎水性レベルにあるが、水接触角は温度を調節することで大きく変化する。この超疎水性表面上での水滴のモビリティはローリング状態(水接触角が75度以下)からピン止め状態(図 8A)まで熱制御が可能である。微視的側面(図8B)からの液体と基板との間のわずかなギャップが存在するかどうかにより、水滴は23度でCassie 状態にあり、75度でWenzel状態にあると判断できる。この結果は密着性のスイッチングが湿潤状態の移行に依存することを示している。

 スイッチ可能な接着性はまた超疎水性の鉄表面上で観察できる。鉄表面上での超常磁性微小水滴は磁界を変えること[109]によって、ローリング状態からピン止め状態を可逆的に制御することが可能で、鉄表面が帯磁する前、或いは消磁後に鉄表面の磁気ドメインには秩序がない。そのような表面は超常磁性微小水滴の中のFe3O4の中のナノ粒子の磁化がされないので、粒子間の磁力がなく、超常磁性微小水滴は低い接着力のCassie状態に存在する結果となる。鉄プレートが磁化すると鉄の磁気ドメインは秩序よく配列され、そのような表面はFe3O4のナノ粒子の磁化をもたらし、磁力が生まれる。その結果、超常磁性微小水滴は高い接着力を持つWenzel状態に存在することになる。

図9

図9 ナノロッドアレイ表面上の光電子協奏的湿潤

(A) 光の点灯前と後、 (B) 表面湿潤性が、ナノロッドアレイ表面に対し「H」のパターンをした光を伴って、Cassie状態からWenzel状態に局部的に移行する。
(C) 余分なインクを取り除くと「H」のインクパターンが残る。

 上記の技術に比べると、エレクトロ・ウェッティング法はより成熟した技術であり、液滴のCassie 状態からWenzel状態への移行を誘発する。しかし、伝統的なエレクトロ・ウェッティング法は常に固液接触エリアで起こることから局部的に制御可能な湿潤状態の移行を実現することは不可能である。最近、我々は光電子協賛湿潤プロセス(図9A)[110]を使って超疎水性配向複合体ナノロッドアレイ(ACNA)上で、正確に制御されパターン化された湿潤状態移行を実現した。この技術をベースとして、局部的な固液接触スイッチングが超疎水性表面上で達成された。例えば、水溶性の赤インク水滴を閾値電圧以下でACNA表面上に垂らすと、空気が個々のナノロッドの間に閉じ込められる。パターン化された光「H」がACNA表面を照らし、パターン化された場所の湿潤性がCassie 状態からWenzel 状態へと移行する。こうして赤インクはナノロッドの間に入り込み(図9B)、結果的にインクパターンの「H」は表面に接着し、余剰のインクは簡単に除去可能になる(図9C)。

5.2.2. 調節可能な接着性

図10

図10 異なった基板上 - (A)滑らか、(B) マイクロ構造、(C)マイクロ/ナノ構造のシリコン基板 - 
でのNAF測定期間の異なった段階で撮られた基板及び油滴の走査型電子顕微鏡のイメージ

 固体表面上の液滴粒子の湿潤/非湿潤挙動は二相間ではその接触が明白でなく、三相間で明白となる。魚のうろこの自浄効果についての模倣研究により、水/空気/固体システムの中の超親水性表面が、空気相を水相に取り換えることで[111, 112]、油/水/固体システムの中で超疎水性特性を示すことが明らかになっている。

 油/水/固体システムにおける湿潤挙動の詳細を理解するために、滑らかなマイクロ構造表面とマイクロ・ナノ階層構造のシリコン表面を我々のモデル表面として選択した。滑らかなシリコン表面は接触角が134.8度の疎油性であり(図10A)、マイクロ構造をしたマイクロ・ナノ階層構造のシリコン表面は接触角が150度以上で(図10B 及びC)、超疎水性を示す。しかし、これらの接着挙動は大きく異なる。滑らかなシリコン表面は油滴への接着性が著しく、常に油滴を大きく歪めながら引きつけ、破壊する(図10A)。接着力は引っ張り力24.7 μNより大である。マイクロ構造のシリコン表面にとって、油滴は楕円形(図10B)に伸張するだけである。測定された接着力はおおよそ10.2 μNである。しかし、マイクロ・ナノ構造のシリコン表面にとって、油滴の形は測定の間、球状を維持する。これは接着力が1 μN (図10C)未満であることを示唆している。油/空気/固体システムでは、接着特性は水/空気/固体システムの接着特性を維持する。表面が油滴と接触すると、水分子はマイクロ・ナノ構造に閉じ込められ、油/空気/固体複合体界面を形成し、閉じ込められた水分子は油滴と固体表面の間の密着力を大きく減少させる。

図1

図11 電気化学ポテンシャルを調節することでポリピロール表面上の油滴動きのスマート制御

a)油滴が接着によりポリピロール上に留まろうとしている。b) ポリピロール表面が還元されると、油滴の接触角が増加した。c)油滴が表面上を走り始めた。d)油滴にブレーキがかかり、ポリピロール表面上に再度、付着した。e-g)油滴が球状に戻り、転げ落ちた。

 最近、我々は油/空気/固体システムをベースとしたin-situ湿潤性スイッチを開発した[113]。水媒体での油滴の湿潤状態は導電膜のレドックス化の間に、Wenzel状態とCassie状態の間を素早く、そして可逆的にスイッチされる。従って、固・液界面状の密着性は密着状態と非密着状態の間でスイッチされる。in-situ接着力測定では、ポリピロール膜が酸化され、接触が制御され油滴を残すと、この油滴の形は球状から楕円形へ、そしてまた球状へと変化する。接着力の測定値はおよそ8.7 μNであった。対照的に、ポリピロール膜が還元されると、およそ1.6 μNという低い接着力を示した。全測定プロセスの間、油滴の形は球状であった。

 図11は油滴の動きを制御するために、in-situスイッチを適用した一つの成功例である。一つの油滴を選択してローリング状態或いは止動状態で電気化学的に制御した。図11aは正電圧を加えられた時に油滴がポリピロール膜に接着する様子を示している。ポリピロール膜が還元されると、接触角は増加し、重力の影響で油滴が転げ始めた(図 11b, c)。これは固体表面と油滴との間の接着力が大きく低下したことを意味する。一定の距離を転げた後、正電圧を加えると油滴が止まった(図11d)。これは接着力が増加し、重力の影響に勝ったことを意味している。最終的に、負電圧を加えると、表面上を油滴が転がり始めた(図11e-g)。接着性のスイッチングはポリピロール膜が酸化・還元されている間のイオン変化が原因である。還元状態でのドーピングイオンは表面張力を変化させるだけでなく、表面構造の粗さを高めるが、これは水性媒体中でWenzel状態からCassie状態への可逆的な移行を容易にする。

 我々は、水/空気/固体システムでの超疎水性表面と比較して、油/空気/固体システムでの超疎水性表面は、非生体接着アプリケーションにとってより興味深く、また重要であると考える。例えば、我々はシリコンナノワイヤーアレイ[114]からポリマーを移植することで、熱応答性ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)表面上にナノスケールトポグラフィを構築した。調整された表面は水の中の油滴に対し、PNIPAAmの下部完溶温度の上下両方で超疎水性及び低接着性を示すが、これは相対的に高い比率の水分子がナノ構造に閉じ込められていることを示唆している。この結果、大きく還元された血小板粘着が下部完溶温度の上下両方で調整された表面上で達成されるが、これは、ナノ構造に閉じ込められている相対的に高い比率の水分子が血小板粘着を還元するにあたって大きな役割を果たすことを証明するものである。

6. 1次元システム

6.1 濡れたクモ糸状での方向性のある水収集

図12

図12 クモの糸の方向性がある露水収集のIn situ光学顕微鏡観察

 植物界及び動物界の両方で多くの生物学的表面が、マイクロ及びナノメータ規模で、水との相互作用、つまり、湿潤性を制御する珍しい構造的特徴を持っている。不思議な例の一つがデザートビートルである。彼らは背中にあるマイクロメータサイズの疎水性及び親水性のパターンを使って、湿気を帯びた空気から水を捕らえる。結露したクモの巣に驚嘆した人は誰でも知っているように、クモの糸もまた効率的に空気から水を集めることができる。最近、我々はタイリクウズグモ(Uloborus walckenaerius)の水を捕らえる能力を持つ糸がユニークな繊維構造の結果であると報告した。この繊維構造は濡れると、ランダムな方向を向いているナノ繊維からなるいくつもの紡錘状のこぶが、整列したナノ繊維[115]からなる接合部で隔てられているという特徴をもつ「湿ると再構成される」繊維で形成されているのである。この構造が紡錘状のこぶと接合部の間に表面エネルギー勾配とまたラプラス圧に差を生じさせ、両要件は、紡錘状のこぶのまわりの水滴の連続凝縮及び方向修正をなすように作用する。図12で示すように、ミリメータ未満のサイズの液滴が表面エネルギー勾配或いはラプラス圧差により追いやられていたが、これまではマイクロメータサイズの液滴の動きをより難しくするより大きなヒステリシス効果に打ち勝つために何れの力も使われてこなかった。両方の駆動力に接触して、クモの糸はこの課題を克服している。この発見に触発されて、我々はさらにクモの糸の構造を模倣する人工的な繊維を作り、これらの繊維が自然材料の水集荷特性を再生産することに成功した。我々はこの研究が、大気から真水を集めたり、工業工程で液体エアロゾルをろ過したりできる機能性表面の設計に寄与すると考えている。

6.2 ナノチャネルのバイオインスパイアード・スマートゲート

図13

図13 マイクロ/ナノチャネルシステムのスマートゲートの図解

中央 - マイクロ/ナノチャネルシステムのスマートゲート。青い矢は、マイクロチャネル(円錐チャネルの底部)からナノチャネル(円錐チャネルの先端部)への液体の移動方向を示す。
修正されたチャネル壁の二つの紫の線は外部刺激に応答する機能分子を表し、マイクロチャネルでの接触角やナノチャネルでのスマートゲートなどの表面特性の変化となる。
周囲 - 応答性分子(光-、熱-、イオン-、等)の典型的な構造及びスタイル。外部刺激で、分子形態、分子双極子、電荷分布、及び原子配置と言った分子変化が起こる。

 通常の身体機能はイオンチャネル内のイオン輸送の制御に大きく依存する[116, 117]。膜タンパク質からできた生物学的イオンチャネルが、細胞回路[116]で重要な役割を果たす[116, 117]。近年になって、人工的なナノチャネルが大きく研究の対象としてクローズアップされてきた。自然のイオンチャネルが埋め込まれている脆弱な脂質二重膜と異なり、合成ナノチャネルは生物学的イオンチャネル同様の機能と優位性を持つことから、バイオセンシング[118]や、シークエンシング[119]、及びエネルギー変換[120, 121]分野での潜在的な可能性を示している。以前作ったスマート表面の延長として、トラックエッチングされたポリエチレンテレフタラート膜(PET - 12ミリ厚で、中心に単一イオントラックを持つ、Hostaphan RN12 Hoechst)及びプロトン駆動のC4-DNA分子[122] を持つスマートゲートDNA-ナノチャネルシステムが開発された。ゲート特性は、生物学的イオンチャネルのゲーティング機構を密接に模倣するC4-DNA分子を折りたたんだり広げたりすることで発揮される。

 プロトン駆動のスマートゲートDNAナノチャネルシステムを創製するという考えをベースとして、0から1500×10-6 M[123]までの濃度のカリウムイオンに対する非線形応答を得るためにグアニン四本鎖DNAを合成ナノチャネルに固定し、カリウム応答性コンフォーメーション変化をさせ、カリウム応答性ナノチャネルシステムを実現した。

 マイクロチャネルに関しては、その表面特性は応答性分子の変化から起因し、表面張力との接触角の変化につながる。ナノチャネルについては、そのゲート特性は外部刺激に応答する機能分子を持つ表面を部分的に修正することで得られる(図13)。従って、種々のバイオインスパイアード・スマートゲートナノチャネルはDNA分子の代りに応答性分子(pH-[122]、イオン-,[123] サーモ-[124] 等)を使って構築できる。ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)- ナノチャネルが熱駆動分子ゲートとして働き、作動温度を23–40℃で調節するだけで遠隔制御が可能である。同時に、我々は生体内の亜鉛活性化イオンチャネルに類似したメカニズムを持つ亜鉛活性化ペプチドナノチャネルを作り、さらに、光応答性分子が内部ナノチャネル壁に固定されると光で開閉する合成ナノチャネルが得られた。そのような分子にはアゾベンゼン、スピロピラン、マラカイト及びそれらの誘導体等[125]がある。将来的に複数の応答性分子が同時に導入可能になれば、いくつかの制御可能な機能を持つ二重及び多重応答性のナノチャネルが得られることになる。

7. 展望

 我々はこの研究で、生物から学ぶスマート界面材料の設計と創製についての最近の進捗状況を検証し、特に二つの相反する湿潤特性を持つスマート表面を提示した。親水性及び疎水性と言う二つの補完的な特性を生物から学び、スマート界面材料の設計に成功したことで、その他の相互に補完し合う特性、例えば、導電性/絶縁性、凹面/凸面、p型半導体/n型半導体, 酸化性/還元性、及び強磁性/反強磁性が将来的にバイオにインスピレーションを得たスマート界面材料の設計に使用されることになるだろう。いくつかの界面材料が実用化され産業生産への可能性を示しているが、これらの材料の設計には表面上の変更を含む多くの複雑な問題があり、新現象の理論的分析に対して更なる関連課題の研究が必要である。刺激応答特性を備えた新しい有機或いは無機材料の設計、統合及びアプリケーションが重要な課題である。特に複雑な実生活条件が、温度、pH溶媒、光、電界等と言った環境からの二重或いは多重の刺激に対して対応するスマート界面材料を求めている。自然から学ぶことは不変的な原則である。何百万年に亘って進化してきた自然には多くの不思議な特性があり、我々が新しい機能的な界面材料を開発するにあたって自然はインスピレーションを与えてくれるのである。

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