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機能性高分子材料の研究及びその応用

2011年 3月 8日

金明

金明(Jin Ming):
同済大学材料科学・工学部機能性高分子材料研究所 准教授

1976年8月生まれ。2004年、吉林大学有機化学専攻で理学博士の学位を取得。2004~2006年、日本神奈川科学技術アカデミーのJSPS研究員となり、指導教官の藤島昭教授に師事。2006~2008年、フランスに留学し、光化学分野の研究に携わる。2008年11月に帰国し、同済大学材料学部で教鞭を執る。主な研究方向は2光子吸収の性質を持つ有機分子とポリマーの調製及びその性質の研究、燃料電池用のプロトン導電膜材料の研究等。これまでに50編余りの論文を発表。

1.概説

 機能性高分子材料は一般に物質、エネルギー、情報を伝達、変換又は貯蔵する作用を持つ高分子及びその複合材料を指す。また、従来の力学的性能を踏まえ、さらに化学反応活性、感光性、導電性、触媒性、生物相容性、薬理性、選択分離性、エネルギー変換性、磁性等の機能を備えた高分子及びその複合材料を具体的に指すこともある[1]。機能性高分子材料は1960年代に登場した新興領域であり、これは高分子材料が電子、バイオ、エネルギー等の領域に浸透した後に開発され、次々と現れた新しい材料である。近年、機能性高分子材料の年成長率は一般に10%以上に達し、そのうち高分子分離膜と生物医用高分子の成長率は50%に達する。これと伝統的な高分子材料はいずれも高分子分野の研究者が社会に目を向け、新材料に対する需要に応える形で生まれた研究領域である。両者の違いは機能性高分子領域が特殊な用途を持ち、且つ使用量も多くない微細高分子材料を研究するのに対し、高分子領域は適用性の広い汎用高分子材料の研究に着目した点にある。機能性高分子材料は2種類に分かれる。1つは従来の高分子材料を基礎とし、これに一段と高い性能と機能を持たせた高分子材料であり、もう1つは新しいタイプの機能を備えた高分子材料である。

 中国の機能性高分子研究はこれまで新しい機能性高分子化合物の合成及び応用により多くの注意が払われてきたが、現在、研究の重点は高分子構造とその機能との関係に置かれている。その他、学際的な研究活動も増えている。中国で進められている機能性高分子に関する主な活動には電子ポリマー(導電性、発光、非線形光学材料)研究、磁性高分子研究、高分子液晶研究、インテリジェント高分子ゲル研究、機能分離膜研究、吸着・分離機能樹脂研究、高分子触媒研究、相転移エネルギー蓄積材料研究及び医用機能材料(医療材料、薬物緩慢放出材料)研究等がある。これらの分野の研究はいずれも比較的大きな進展を得た。以下、代表的な機能性高分子材料について簡単に紹介する。

2.1 光機能性高分子材料[2]

 光機能性高分子材料は光の伝送、吸収、蓄積、変換を行うことのできる高分子材料を指す。現在、この高分子材料は光加工、光記録、光伝導、光表示等の分野で幅広く応用されており、具体的には感光性樹脂、フォトクロミック材料、光ファイバー及び光分解材料等が含まれる。

 感光性樹脂は光分解の特性を持つポリマー、又は光重合や光架橋の特性を持つモノマーを利用して画像を生成する非銀塩感光材料を指す。実用的な感光性樹脂体系の中では2種類の変化を同時に発生させることもでき、例えば光重合と光架橋、光分解と光架橋等である。感光性樹脂を調製する方法には次の3種類がある。1)高分子化合物自体が感光性官能基を持っており、例えば、ポリビニルアルコール、ラウリン酸エステルは光を照射した時に分子間の架橋反応が生じ、溶剤処理した後、レリーフ画像を作製することができる。2)高分子化合物の中に感光性化合物を添加し、光を照射して高分子化合物と反応させる。例えば、ゼラチン又はポリビニルアルコールの中に二クロム酸塩を添加し、環化ゴムの中にジアゾ化合物を添加する。3)光重合能力を持つアルケン類モノマーによって光重合を直接行い、感光性樹脂を調製する。感光性樹脂は印刷工業での製版に広く応用されており、光耐食剤(則ちフォトレジスト)、紫外光硬化塗料、感光性インク、光硬化接着剤等を作製するのに用いる。特にフォトレジストは集積回路の調製において非常に重要な「化学増幅」効果を発揮しており、これは現代の科学を発展させる上で不可欠な基礎材料となる。中国ではマイクロエレクトロニクス産業と薄型ディスプレイ産業が急速な発展を遂げ、フォトレジスト材料や高純度試薬等の産業チェーンの中で関連付帯企業の設立と発展が導かれた。特に2009年におけるLED(発光ダイオード)の急速な普及は、フォトレジスト産業の発展を力強く後押しした。中国のフォトレジスト産業市場は従来の個別デバイス、IC、LCD(液晶パネル)にLEDが加わり、さらに太陽電池も潜在的な市場として登場しつつある。中国のフォトレジスト市場は2010年時点で既に20億元を超えており、国際市場で10%以上のシェアを占める。中国の関連産業のフォトレジストに対する需要量から見ると、現在は紫外線フォトレジストが中心となっている。その中で中小規模集積回路(5μm以上の技術)及び大規模集積回路(5μm、2~3μm、0.8~1.2μm技術)生産企業、個別デバイス生産企業の紫外線ネガティブレジストに対する需要総量はそれぞれ100t/年~150t/年に達する。また、集積回路、液晶パネルに用いられる紫外線ポジティブレジスト及びLEDに用いられる紫外線ポジティブ・ネガティブレジストの需要総量は700t/年~800t/年の間にある。その他、超大規模集積回路(超LSI)用の深紫外248nm(0.18~0.13μm技術)と193nm(90nm、65nm及び45nmの技術)のフォトレジストもIntel大連等で数本の大型ラインが設置されたのに伴い、需要量が徐々に伸びつつある。

 フォトクロミック高分子材料は一定の波長の光を照射した時に色の変化を起こし、別の波長の光又は熱を作用させると再び元の色に戻る発色団が含まれている材料の総称である。例えば、スピロピラン類化合物は有機フォトクロミック材料の中で最も早く応用され、最も幅広く使われている体系の1つである。紫外光を照射した時、無色のスピロピラン構造の中でC-O結合が断裂・開環し、分子の一部に回転が生じ、共平面のメロシアニン構造が形成されて呈色する。吸収スペクトルはそれに応じて赤い方に移動する。可視光又は熱を作用させると、開環体はスピロ構造に再び戻すことができる。情報記憶素子、装飾・保護包装材料、自動現像ホログラム及び軍事の各分野で非常に大きな応用価値を持つ。わが国はフォトクロミック材料を863ハイテク計画に組み入れており、国内の一部の研究機関がこの分野で活動を繰り広げ、喜ばしい成果を収めた。

2.2 電磁機能性高分子材料[3]

 電磁機能性高分子材料は主に導電性高分子材料、高分子磁性体、光伝導材料、圧電材料、熱電材料及び磁気記録材料等を含む。

 一般に言われる導電性高分子材料は主に構造型導電性高分子を指しており、高分子構造自体が提供する導電性キャリヤーに依拠して電気を伝導する(この構造自体は『ドーピング』によって導電機能を持つようになる)。その他、導電性を備えない高分子材料にカーボンブラック、金属粉、箔等を添加することで電気伝導が実現される複合材料も導電性高分子材料に含まれる。構造型導電性高分子にはポリアセチレン、ポリパラベンゼンアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等がある。そのうちポリアニリンは原料を手に入れやすく、合成が簡単で、電気伝導率が高く、環境安定性に優れているため、二次電池、電気呈色、帯電防止、マイクロ波吸収、防食、防汚等の分野での幅広い応用が期待されている。一方、複合型導電性高分子の中で、高分子材料自体は導電性を持たず、接着剤の役割を果たすだけである。この点が構造型導電性高分子と異なる。その導電性はカーボンブラック、金属粉末等の導電性物質を混合することによって得られる。複合型導電性高分子は調製しやすく、実用性が比較的高く、導電性ゴム、導電性塗料、導電性接着剤、電磁波遮蔽材料、帯電防止材料を作るのに用いられ、多くの分野で重要な役割を発揮している。

 高分子磁性材料も構造型と複合型の2種類に分けることができる。構造型とは無機類磁粉を添加しない状況の下で、高分子材料自体が強磁性を備えていることを指し、主には純有機磁性高分子、金属有機錯体型磁性高分子、ジメタロセン磁性高分子等で構成される。複合型は磁粉材料と合成樹脂及びゴムの2つの部分から成る複合型磁性材料であり、充填する主な磁粉材料はフェライト類とレアアース類である。磁性高分子特有の非常に優れた性能に基づき、それは将来、次の幾つかの分野で幅広く応用される見通しである。1)膜を形成することのできる磁性高分子の特徴を生かし、亜分子レベルで均質の高分子磁性膜を形成すれば、磁気記録の密度を大幅に高め、情報記憶量の多い光ディスク、磁気テープ等の機能性記憶材料を開発することができる。2)磁性高分子と導電性材料を複合すれば、電気・磁気二重損タイプの軽質・広帯域マイクロ波吸収剤を作製することができ、今後、宇宙、電磁遮蔽及びステルス材料等の分野で重要な用途が得られるであろう。3)磁場の変化を利用して温度、溶剤、ガス等を制御するセンサ及び光、熱の制御を受ける新しいタイプの電磁流体の開発。4)低密度で任意に加工することのできる磁性高分子が誕生すれば、生物体内に薬物を特定の方向に送り込み、治療効果を大幅に高めることができ、医療事業の変革を引き起こす可能性がある。5)低磁損・高周波のマイクロ波通信装置の開発。このように応用の見通しが明るいことから、現在、構造型高分子磁性材料に対する研究が盛んに行われている。

2.3 生物医用高分子材料[4]

 生物医用高分子材料は人体の内臓、体外器官、薬物の剤形及び医療器械を作るのに用いられるポリマー材料である。医用高分子、薬用高分子、バイオニック高分子の3種類に分けることができる。

 医用高分子は高分子材料科学が医学と生命科学に浸透し、高分子材料が医学領域に幅広く応用される過程で徐々に発展してきた主要な機能性高分子材料である。分子設計の方法を通じ、生物医学機能を備えた理想的な医用高分子材料を合成することができ、その見通しは非常に明るい。現在、医用高分子は急速に発展しつつあり、人工臓器の分野では大脳を除き、人体のほぼ全ての部位と臓器を高分子材料で代替させることができる。例えば、生分解性の天然高分子材料で作製した人工皮膚--複合シェル多糖類組織工学皮膚は、中国国家薬品・バイオ製品検定所の製品品質検査に合格した後、臨床試験が既に始まっている。

 高分子薬物は1950年代初期に登場した新しいタイプの薬物であり、毒性が低く、効率が高く、緩慢に放出され、効果が長続きするといった特徴を持つ。合成高分子薬物で伝統的な低分子薬物に代替させ、又はこれを補完することは薬物学が目指す重要な分野となっている。その1つは薬物助剤である。即ち高分子材料自体は不活性で、薬の作用に関与せず、増粘、表面活性、崩壊・分解、接着、付形、潤滑、包装等の役割を果たすだけである。又は人体内で「薬庫」の役割を果たし、薬物を緩慢に放出してその作用時間を延ばす。もう1つはポリマー薬物である。即ち低分子薬物を不活性・水溶性のポリマーによって分子キャリヤーとした後、薬性を備えた低分子化合物を共有結合又はイオン結合によってキャリヤーの側基と連結し、ポリマー薬物を作製する。

 医薬高分子は次の3つの分野で発展の動きを見せている。①生物相容性と血液相容性を満足させる材料の研究開発。ポリオレフィン、ポリシロキサン、フッ素炭素重合体及びポリウレタンを重点とする。②薬物放出制御、人工臓器、医療器械及び出産コントロール用の材料の開発。③小型化、携帯式、埋込式等のタイプの人工器官装置を発展させる。

2.4 吸着・分離機能性高分子材料

 この種の材料は主にイオン交換樹脂、高分子吸着剤及び高分子凝集剤を含む。

 イオン交換樹脂は最初に工業化された機能性高分子材料である。各種の官能化を経たポリスチレン樹脂の主鎖に大量の官能基が付いている。大量のH+を帯び、各種の陽イオンに交換できるものを陽イオン交換樹脂と呼び、OH-イオン構造を含み、各種の陰イオンに交換できるものを陰イオン交換樹脂と呼ぶ。それは主に水の処理に用いられる。薄膜に調製された時のイオン交換膜はさらに飲用水の処理、海水の淡水化、廃水の処理、マンニトール、クエン酸糖液の不活性化、牛乳と醤油の脱塩、酸の回収に用いる他、電解隔膜や電池隔膜とすることができる。特に日増しに発展しつつあるリチウムイオン電池とプロトン導電性燃料電池の分野[5]での応用が広がっている。

 高分子吸着剤は主に幾つかの特定のイオン又は分子に対して選択性の親和作用を持つ高分子材料を指しており、外観形態から見るなら、ミクロ孔型、マクロ孔型、ポプコーン型、マクロ網状等の各種樹脂がある。主には吸水性高分子と吸油性高分子に分けることができる。高吸水性樹脂の研究は1960年代に始まった。工業及び日常の応用分野(例えば使い捨てのおむつ)の他、高吸水性樹脂は中国西部の砂漠化の改善に大きく役立つことが期待されており、その主な機能は次の通り。①土壌改良剤。高吸水性高分子材料を土壌と混合すれば、土壌の団粒構造化を促進し、通水、通気、保水性を高め、土壌の水分保持、湿度保持及び肥効保持能力を改善することができる。高吸水性高分子物質に0.3%~0.4%のゲル液を配合し、深さ10cm~15cmの砂漠の中に入れ、又は土壌と直接混合すれば、野菜や一般農作物を栽培することができる。②肥効保持剤。高吸水性高分子物質を化学肥料と混合し、土壌の中に施肥すれば、化学肥料の流失を防止し、その利用率を高めることができる。③砂漠緑化剤。高吸水性高分子物質と粘土、水で保水剤を作り、これを農用土と混ぜれば、土壌中の水分をうまく保ち、砂地緑化の目的を達成することができる。

 吸油性高分子樹脂は新しいタイプの機能性高分子材料であり、各種の油に対し、少ない場合は自重の数倍、多い場合には百倍近くを吸収することができる。油を吸収する量が多く、その速度が速く、且つ保持能力が高いため、工業の廃液処理及び環境保護の分野で幅広い用途を持つ。その他、ゴム改質剤、オイルミスト濾過材料、芳香剤と殺虫剤の基材、紙添加剤を作製することができる。

 凝集沈降法は現在、国内外で水質処理効率を高めるのに広く用いられている経済的且つ簡便な水質処理方法である。高分子量を持つ高分子凝集剤は、コロイド微粒子及びその他の浮遊粒子が凝集して無定形のフロックとなり、沈降するのを促進することができる製剤である。分子の総電荷に基づき、凝集剤は通常、陰イオン、陽イオン及び非イオンの3種類に分けることができる。陰イオン凝集剤の多くはポリアクリルアミド構造を基礎としたものである。陽イオン凝集剤は一般に側基又は側鎖が正電荷を帯びた陽イオンポリ電解質である。主な非イオン凝集剤にはポリアクリルアミド、ポリ酸化エチレン、ポリ酸化プロピレン等がある。高分子凝集剤は良好な凝集効果、脱色効果、簡便な操作等の利点を持つことから、水処理技術において非常に重要な地位を占め、ますます広く応用されている。

2.5 高分子機能膜材料[6]

 高分子機能膜はその機能と性質に基づき、5種類に分けることができ、分離、触媒等の分野で非常に重要な意義を備えている。以下、簡単に紹介する。

 (1) 逆浸透膜:逆浸透膜の主なものは非対称膜、複合膜、中空繊維膜である。非対称膜の表面活性層にあるミクロ孔は非常に小さく(約2nm)、マクロ孔の支持層は海綿状構造をしている。複合膜は超薄膜、多孔支持層等で構成される。超薄膜は非常に薄く、0.4mmしかなく、流動抵抗を低め、水透過速度を高めるのに有利である。中空繊維の逆浸透膜は直径が極めて小さく、壁厚と直径の比がかなり大きいため、支持を必要とせずに比較的高い外圧力に耐えることができる。逆浸透膜の主な材料は酢酸セルロース、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、無機化ポリベンゼンエーテル等である。逆浸透装置は海水の脱塩への応用に成功しており、飲用水レベルの品質に到達した。海水淡水化の原理は溶剤は通すが、溶質を通さない半透膜を利用し、海水と淡水を分離するというものである。

 (2) 限外濾過膜:限外濾過膜は1~20nmの細孔を持つ多孔質膜を指し、それは溶液の中に含まれるウイルス、高分子コロイド等の微粒子をほぼ完全に捕捉・分離することができる。限外濾過膜の分離性能はその捕捉する物質の分子量の大きさによって定義される。限外濾過膜の分離技術は主に溶液中の大分子、コロイド微粒子を分離するのに用いる。膜のふるい分け作用を通じ、溶液中の膜孔より大きい大分子溶質を捕捉する。これは溶質分子と小分子溶剤を膜によって分離することになる。

 (3) 精密濾過膜:精密濾過膜は孔径範囲が0.01~10μmの多孔質分離膜を指す。それは細菌、コロイド及びエーロゾル等の微小粒子を流体からほぼ完全に分離・除去することができる。

 (4) 気体分離膜:気体の分離に常用される高分子膜であり、それは非対称又は複合の膜である。その膜表層は緻密な高分子層となっており、即ち非多孔質の高分子膜である。このような膜材料は優れた浸透性を持つ必要がある。

 (5) 触媒膜:膜反応器の中で、膜のキャリヤー機能を利用し、触媒を膜の表面又は膜内に固定して触媒膜を調製する。一部の膜材料はそれ自体が触媒活性を備えている。反応が水素添加、脱水素、酸化及び酸素生成関連の体系に及ぶ時は金属膜、固体電解質膜を採用することが多く、これらの膜は水素と酸素を選択的に透過させる能力を持つ。隔膜触媒技術の有効性を示す主な特徴は生産率と選択率である。生産率は隔膜を通過する、及び隔膜表面における反応物と生成物の分離率によって決定される。

2.6 インテリジェント高分子材料(環境センシティブ高分子材料)[7]

 インテリジェント材料システムとその構造は近年、国際的な脚光を浴びている研究テーマの1つであり、初めて発表された時、各分野の専門家・学者はこれに強い関心を示した。このシステムの核心となるのはインテリジェント材料(Intelligent Material)であり、これは外部の変化に対し、安定した設計可能な応答機能を持つ材料である。インテリジェント材料は「環境の変化を感知し(検知又は発見の機能)、自己判断と自己結論を通じ(思考又は処理の機能)、自己命令と自己実行を実現する(実行の機能)ことのできる新しいタイプの材料」と定義することができる。インテリジェント材料は熱硬化性樹脂又は熱塑性樹脂を用いることができ、そのセンサ、ブレーキは幾つかの特異性能を備え、且つ外部条件の変化に伴って変化することのできる機能材料を選択しなければならない。主には非金属材料と一部の電磁、光学プラスチック、例えば圧電性ファイバー、圧電性セラミック、光ファイバー等があり、それは今後、宇宙、航空等の分野で幅広く応用されることになろう。

3.結びの言葉

 機能性高分子材料は将来の材料科学とエンジニアリング技術の分野における重要な発展方向となる。現代の学際科学という特徴は新しいタイプの機能性高分子の研究と発展を促し、また、新しい世代の機能性高分子を生み出した。高分子材料は構造上、複雑性と多様性を備えているため、分子構造、凝集体構造、混合、複合、界面、表面さらには外観構造等の多くの面において、単一又は複数の構造の総合利用を行うことができる。その他先端技術の材料への要求を最大限満たし、そうした技術のためにより多くの、より良い機能を提供していく。ナノテクノロジー研究の深まりに伴い、分子、さらには原子レベルでの材料の機能構造設計、複合・加工生産も可能となった。材料の機能は今後、一層の広がりを見せ、かつてないイノベーションが現れることになろう。新しい世代の機能性高分子材料は春が既に訪れているのだと言うことができる。21世紀のハイテク、例えば電子技術、バイオ技術、生命科学の研究に対して深遠な影響を及ぼすに違いない。

主要参考文献:

  1. 羅祥林、機能性高分子材料[M]、化学工業出版社、2010
  2. 張東華、石玉、李宝銘、[J]化工新型材料、2004、32(12)、5-8
  3. 省部博之編、曹鏞訳、導電性高分子材料[M]、北京:科学工業出版社、1989
  4. 高長友、顧忠偉、[J]中国科学:化学、2010、40(3)、195-196
  5. Haiyan Pan,Hongting Pu,Decheng Wan,Ming Jin,Zhihong Chang,journal of power sources,2010,195(10):3077-3083
  6. 趙文元、王亦軍、機能性高分子材料化学(第2版)、北京:化学工業出版社、2003
  7. 李青山、機能性・インテリジェント高分子材料[M]、国防工業出版社、2006

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