トップ >第57号:バイオエネルギー技術バイオ関連トピック> 中国第4軍医大、新たな腫瘍タイプを発見・命名

中国第4軍医大、新たな腫瘍タイプを発見・命名

中国科技日報     2011年 6月13 日

 リンパ管内皮細胞由来の悪性腫瘍タイプ、つまり厳密な意味でのリンパ管肉腫が中国の第4軍医大学で初めて発見・証明された。これは世界保健機関(WHO)の リンパ管腫瘍の分類におけるリンパ管悪性腫瘍の空白を埋めるもので、腫瘍学の分類、診断、治療に重要な理論的、臨床的意義がある。

 同腫瘍は、同大基礎部病理学病理生理学教研室の王哲教授と黄高昇教授が率いる科学研究チームが発見し、「炎症性単形性未分化肉腫」と命名したもの。同成果をまとめた研究論文は、米臨床腫瘍学会誌「J. Clinical Oncology」に全文掲載された。

 同腫瘍は若い患者の骨組織と軟組織に発生し、臨床症状としては痛みを伴う腫れ物を生じる。局部の赤み、腫れ、(局部の)熱感、痛みのほか、全身の発熱、白血球の上昇を伴うなど化膿性炎症の症状が現れる。腫 瘍の形態は非常に特殊で、以下のような特徴がある。(1)細胞質が豊富な単一の上皮性細胞からなり、細胞質は好酸性で、細胞膜ははっきりとしている(2)泡状腫瘍細胞の核は大きく、円形または卵形をし、ク ロマチン(染色質)は開放型で、好酸性の巨大な細胞核を持つ(3)腫瘍の中に大量の好中性顆粒細胞浸潤と多数の微小膿瘍形成がみられる。同腫瘍は生長が速く、早期には局部の再発やリンパ節転移が起こり、多 くの化学療法が無効になる。患者はいずれも発病後4カ月以内に広範囲の転移と深刻な合併症により死亡する。腫瘍局部は穿刺(せんし)による膿汁の吸引が可能だが、微生物培養は多くが陰性で、抗 生物質治療もほとんどが無効だった。免疫組織化学や電子顕微鏡を用いても、腫瘍細胞の特異な分化は確認されなかった。

 王教授は炎症性単形性未分化肉腫について、臨床症状、病理学形態、予後特性が独特で、これまでの腫瘍とは異なり、WHO腫瘍病理学分類の中に似通ったタイプは見当たらないと説明。オ ーストラリアの病理学専門誌「Pathology」もこの新しい腫瘍タイプについて報じたという。

 同腫瘍タイプは第4軍医大学が初めて発見・命名したもので、独自の知的財産権を持つ。中国病理学界の学者が新たな腫瘍タイプを独自に発見・命名したのは初めて。


さくらサイエンスプランウェブサイト

さくらサイエンスプランウェブサイト

 

中国関連ニュース 関連リンク

オリジナルコンテンツ

柯隆が読み解く

2014/2/18更新
「中国の歴史問題」

富坂聰が斬る!

2013/12/27更新
「中国賃金事情」

和中清の日中論壇

2014/2/3更新
「失望」に潜む米国のメッセージと日本の「積み木崩し」

田中修の中国経済分析

2014/2/7 新コーナー開設
「中央経済工作会議のポイント」

服部健治の追跡!中国動向

2014/2/27 新コーナー開設 「安倍総理の靖国神社参拝に想う(上)」

川島真の歴史と現在

気鋭の研究者が日中関係を歴史から説き起こす。幅広い視点から新しい時代の関係を探る。

科学技術トピック

New

2014/3/5更新
「赤外線カメラと簡牘資料の日中共同研究」
工藤 元男

取材リポート

New

日中関連、科学技術関連のシンポジウム・講演等を取材し、新鮮なリポートをお伝えします。

中国の法律事情

New

2014/3/7更新
「百度(バイドウ)の著作権侵害をめぐる攻防の結末」朱根全

日中交流の過去・現在・未来

日中交流のこれまでの歩みとこれから

日中の教育最前線

日中の教育現場の今をレポート

中国国家重点大学一覧

 

中国関連書籍紹介

New

2014/3/12 書評追加掲載

文化の交差点

New

2014/3/18更新
「日本における中国古代絵画」朱新林

中国実感

日本人が実感した中国をレポート

印象日本

中国が日本に滞在して感じたことをレポート

CRCC研究会

過去の講演資料、講演レポート

CRCC中国研究サロン

過去の講演資料、講演レポート

最新イベント情報

アクセス数:31043468