宇宙科学関連トピック
トップ  > 科学技術トピック>  第60号:宇宙科学 >  宇宙科学関連トピック >  宇宙船の陸上緊急救助演習に成功

宇宙船の陸上緊急救助演習に成功

中国科技日報     2011年 9月14日

 中国有人宇宙飛行プロジェクトの事務所が15日に明らかにしたところによると、中国有人宇宙飛行プロジェクト着陸場系統はこのほど、成都軍区等の関連部門と共同で、成都市近郊で「有人航空プロジェクトの陸上緊急救助演習」を実施した。

 同演習の設定は以下のとおりである。

 宇宙船の有人ドッキングにおいて、宇宙船・神舟号が軌道上で運航中に異常が発生した。これを受け指揮センターは宇宙船に帰還命令を出した。帰還モジュール内の2名の乗組員は成都市近郊に緊急着陸し、帰還モジュールは着陸後も直立状態を保ち、正常に信号を発することもできた。1名の乗組員は身体に異常がなく、自力でモジュールを出て救助信号を出し、もう1名の乗組員は負傷し、モジュール内で救助を待っている――。

 地上での緊急救助を迅速に完了するため、北京任務聯合指揮所は成都軍区に対して、緊急対策プランの発動を命じた。迅速に救助車両を手配し、空運救助隊と同時に現場に駆けつけ、モジュール内の負傷乗組員を安全に救出し、モジュールの回収を終えた。

 有人宇宙飛行プロジェクトの関連部門は、成都軍区の某部隊、成都軍区総医院、成都市金牛区公安・武装警官・民兵予備役分隊と協力し、演習を完了した。同演習にはヘリコプター3機、車両15台、救助用具150組、医療救護設備15組を使用し、参加者は100名余りに達した。

 同演習により緊急救助プランの正確性と実行可能性が確認され、また北京任務指揮所および各参加部門の指揮の協調性と合理性が確認された。また緊急救助、乗組員の救助と治療、帰還モジュールの処置等の実践能力も確認され、有人ドッキングの陸上緊急救助に向けた経験が蓄積された。