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急成長期を迎える中国の原発 秦山原子力発電所、中国最大の原発基地に

中国総合研究交流センター 編集部  2015年 1月29日 

 中国新華社によると、秦山原子力発電所拡張プロジェクトの方家山原子力発電所2号ユニットが1月12日午後5時、順調に送電を開始した。秦山原子力発電基地はこれで、発 電ユニット9基すべての稼働を実現した。総設備容量は654.6万kW、年間発電量は約500億kWhで、中国で発電ユニットが最も多く、炉型が最も多様で、設備容量が最大の原子力発電基地となった。

 方家山原子力発電所は設備容量108万kWの加圧水型原子炉2基を持ち、中国国内で自前化・国産化のレベルが最も高い100万kW級原子力発電ユニットを誇る原子力発電所の一つである。先 端燃料ユニットや全デジタル制御システムなど18項目の大型技術改良が実施されたほか、福島の原発事故後にも14項目の技術改良が加えられ、原子炉の安全水準は一層高まっている。1 号ユニットはすでに2014年11月4日に送電開始を実現している。

 秦山原子力発電基地は、中国大陸部の原子力発電の発祥地である。1985年3月20日に大陸部初の原子力発電ユニットが起工してから30年で、「中国の原子力発電事業の第一歩」「 原子力発電国産化に向けた道の開拓」「原子力発電管理の国際基準への統合」「30万kWから100万kWへの自主発展」などの発展の道のりをたどってきた。

 秦山原子力発電基地は2014年末までに安全性を保ちながら累計3327億4600万kWhの発電を行った。標準炭換算で約1.07億トンに相当し、二 酸化炭素約3.5億トンと二酸化硫黄約233.38万トンの排出を削減し、95.18万ヘクタールの林地を作った計算となる。

年内にさらに5基が起工へ

 公開データによると、中国では2014年中に、合計5基の原子力発電ユニットが稼働開始となった。陽江1号ユニット、寧徳2号ユニット、紅沿河2号ユニット、福 清1号ユニットおよび方家山1号ユニットである。これにより中国の稼働中の原子力発電ユニットは合計22基となり、総設備容量は2029.658万kWに達した。また建造中の発電ユニットは26基で、そ の設備容量は約2800万kWに達する。原子力発電ユニットの稼働開始が相次いでいることは、「十一五」(第11次5カ年計画、2006-2010)期 間に起工されたユニットが商業運用の波を迎えていることを示している。中国の建造中の原子力発電ユニットの規模は世界一を維持している。

 最新の計画によると、2020年までに原子力発電ユニットの稼働規模は5800万kW、建造規模は3000万kWとすると定められている。今 回送電が開始された方家山2号ユニットの設備容量は645.6万kWに達するが、これをひとつの目安とすると、2020年にはまだ5年という時間があることから、目標達成は確実な状況と言える。