第148号
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スマート工事現場、クリーンエネルギーの「蓄電池」を作る

2019年1月4日 操秀英(科技日報記者)

 すでに真冬が到来しているが、江蘇省句容市の揚水発電所の工事現場は活気づいている。先日、工事業者の中国能建葛洲壩二公司が行ったメディア開放日には、作業員はダムの掘削と埋め立ての作業を行っていた。

 ここでは、現在投資総額96億元近くの揚水発電所3つの世界一、すなわち世界一の高さの揚水発電ダム、世界一の高さのアスファルトコンクリート表面遮水壁ロックフィルダム、世界一の埋め立て規模の句容揚水発電所が建設されている。

 同社句容プロジェクト部責任者の周偉氏は、科技日報の取材に対し、「揚水発電所は、電力使用の少ない時間帯の電力を利用し水を上部ダムに引き上げ、ピーク時に再び下部ダムに落とす。負荷が少ない時に余った電力を利用し、ピーク時の価値の高い電力に変えることで、電力システムの安全を力強く保障する」と答えた。

 また揚水発電所はフレキシブルに稼働・停止できることから、電力システムの調整やブラックスタートなどの操作を保障するため最優先される電源であり、水力発電の「王冠の上で輝く宝石」と呼ばれている。分かりやすく言えば、揚水発電所は超高圧クリーンエネルギー輸送の「蓄電池」だ。

 周氏は「揚水発電所は総合的なプロジェクトであり、最も難しいのは、いかにして既存の技術を一つに集めるかであり、スマートプロジェクト建設管理プラットフォームはその助けとなる」と話した。また同社董事長(会長)、党委書記の陳立新氏は取材に対し、同プラットフォームは工事管理技術、ビッグデータ、モバイルネットワーク、IoTなどの技術を利用し、重要生産・工事プロセスのデジタル化監視を実現する。工事現場の人的資源、資材、設備、技術などの重要資源を動的に管理する。知識ベースに基づき工事の品質と安全をリアルタイムで報告・管理することで、プロジェクトの進捗・品質・安全目標を全面的に達成する、と説明した。

 「現場指揮センターでは、ダムの締固め作業において振動ローラーの軌跡・速度・回数・稼働状態などをリアルタイムでチェックできる」。周氏は大型パネルに写る車両を指差しながら、「同プラットフォームはモバイルインターネットなどの技術により、工事関係者、工事設備、輸送車両などの重要資源の規範的な投入とリアルタイム監視を実現する。これらのダンプトラックは事前に設定されたルートを走る」と語った。

 周氏はさらに、「ドローンによる傾斜撮影技術を使い、定期的に現場の巡回と撮影を行い、正確で直観的な地上工事の進捗イメージを作りあげる。また、地下プロジェクトの工事の危険な場所では、ドローンを使って定期的に撮影し、周辺の岩の状況を把握し安全識別をし、観測データを集め、構造物安全の総合管理及び早期警戒態勢を整える」とも述べた。


※本稿は、科技日報「智慧工地成就清潔能源"蓄電池"」(2018年12月14日付6面)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。