第149号
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高速列車に画期的な技術、10分で1万個の部品をチェック

2019年2月27日 雍黎(科技日報記者)/陳亜(科技日報通信員)

 一般人からすると、高速列車の日常点検とメンテナンスは、技術者が道具を持って行っていると思うはずだ。ところが車体に「メス」を入れることなく、「照射」するだけで異常を発見できる画期的な技術がある。それが高速列車運行故障画像検査測定システム(TEDS)だ。

 中国鉄路成都局集団有限公司重慶車両区間重慶西高速列車所には、マウスを操作し、画面を見ながら、鉄道沿線に設置されたスマートカメラから送られてくる高速列車部品の写真を詳細にチェックする人々がいて、スマートシステムが故障とリスクの発見をサポートし、高速列車の安全運行を見守っている。彼らは高速列車所のTEDS動画アナリストだ。

 アナリストが分析する写真は、5つのTEDS設備によって得られたものだ。TEDSは大量のデータを生み出す。8両編成の高速列車であれば、TEDS測定駅を約12秒で通過し、最多3000枚の写真が撮影される。アナリストは規定に基づき、10分内に列車の腰板、台車、車両連結部などの1万個以上の部品をモニタリング・分析する。平均1分30秒から2分のうちに1両のモニタリングを終える。今年の「春運」(春節<旧正月、今年は2月5日>期間の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)では、測定駅を通過する列車の数は通常より20%増加する見通しだ。

 「以前は列車が入庫してから静的検査を行うだけだったが、TEDS運行故障動的画像検査システムを導入してからは画像化した動的検査を実現し、動的・静的を結合させた全面検査という目的を達成した」。分析作業を終えたばかりの動画アナリストの陳夢姣氏によると、高速列車が駅に停車してから乗客が乗り降りする時間が短く、そして規定の時間内に検査を完了し安全検査報告を提出しなければならないため、TEDSアナリストは無駄なく、スムーズに仕事をこなす必要があるという。

 また重慶地区で最大の高速列車「ディーラー」である、重慶西高速列車所科学技術難関突破チームが開発した「高速列車緊急指揮システムアプリ」(バージョン2.0)も、今年の「春運」で正式に使用された。その反応時間は第1世代製品の総合性能の倍以上に速くなっている。高速列車の検査品質を保証するとともに、検査効率の向上と人的資源の合理的な利用を実現すると同時に、帰省する乗客の道中に安全と温もりを添えている。


※本稿は、科技日報「動車用上"黒科技"10分鐘検査上万部件」(2019年1月30日付4面)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。