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淮安ハイテク産業開発区:半導体産業の中心拠点の構築

2019年2月5日 朱麗(科技日報記者)

 半導体産業の完全なサプライチェーンと全国半導体産業拠点を構築するという目標達成のために、産業発展実施の意見を示して、これを支援し、川上・川下企業や研究開発機構を重点的に誘致する……。大型メディア取材イベント「中央メディアが淮陰を見る」を通して、淮安ハイテク産業開発区は、半導体産業群が集中的な発展を遂げるための好条件が整っていることが分かった。

 淮陰区常務委員会の委員で、宣伝部の部長を務める桑紹淮氏は、「近年、淮陰区は半導体産業を重点的に発展させる戦略的新興産業とし、半導体材料設備、集積回路製造、設計、パッキング・テストなどの分野を集め、淮安ハイテク産業開発区内で半導体のリーディングカンパニーを大々的に誘致、育成し、区全体、ひいては市全体の半導体産業の急速な発展を牽引している。2018年以降、当区が契約に調印した半導体産業チェーン関連のプロジェクトは33件で、総投資額は401億2000万元(1元=約16.20円)に達した」と説明する。

「ダブルエンジン」が産業の基礎固めに貢献

 2016年3月、一期の総投資額が150億元の「徳淮」の半導体プロジェクトがスタートした。これは、淮安ハイテク産業開発区で半導体産業が芽を出し始めていることを示していた。それから半年後、道を隔てた場所で総投資額130億元の「江蘇時代芯存」の半導体プロジェクトがスタートした。数年の間に、約33.3ヘクタールの空き地に次々と工場が建ち、ゼロからスタートした淮安ハイテク産業開発区の半導体産業も成果が出始めた。

 この2つの100億元級のプロジェクトは、規模が「大きい」だけでなく、「実力」も兼ね備えている。前者は、イメージセンサー、処理装置、チップ設計・製造などの独自の知的財産権を持つ「巨人」で、後者は、第四世代メモリーを生産する「業界の巨頭」だ。両者ともに世界最先端の技術水準を誇り、淮安ハイテク産業開発区の半導体情報産業の「双子星」と呼ばれているだけでなく、省の重大プロジェクトリストにも入り、淮陰区が特色ある産業を構築するための「ダブルエンジン」となっている。

 現在、この半導体の「ダブルエンジン」は、一期プロジェクトの基礎施設建設が完了し、全ての生産設備もほぼ設置済みであり、設備の調整、生産テストの段階に入っている。桑氏は科技日報の取材に対して、「今年第二四半期(4-6月)に本格的に生産が始まると、多くの専門人材、特許技術などのハイエンド資源が集まるようになり、淮安ハイテク産業開発区に半導体産業プロジェクトを集める『強磁場』となるだろう」と期待を寄せる。

「2018年、淮陰区の半導体情報産業は90.89%増加して、100億元以上となった。計画では、2020年までに、半導体の川上・川下企業100社以上が集まり、半導体産業の売上高は500億元を超えるようになるだろう。そして、2025年までに、IoT(モノのインターネット)応用、スマートハードウェア、スマートセキュリティ・保護、情報セキュリティなどの分野のテクノロジー企業150社を新たに育成し、売上高は1000億元の大台を超えるようになるだろう」と今後のビジョンを語った。

低迷プロジェクトを撤退させて新プロジェクトに入れ替え

 計124億元を投じて建設される徳淮半導体の第二工場のプロジェクトが始まり、さらに、駿盛新能源の100億元以上のプロジェクトが着工し、淮安ハイテク産業開発区には新エネルギー車や部品産業の「リーダー格」が集まるようになっている。この他、淮安ハイテク産業開発区は、106億元規模の宝仏麟新能源汽車や120億元規模の中邦生物医薬産業パークなどのプロジェクトが相次いで契約に至っている。

 100億元規模のプロジェクトが次々とスタートしているのは、淮安ハイテク産業開発区が基金の手配や社会資本の呼び込みなどの面で、新たな模索を行っていることと関係がある。淮陰区政府の蔡昀・副区長によると、同区は半導体電子情報、ハイエンド装置製造、新エネルギー車・部品などを主導とし、新技術、新材料を最前方として、「3+X」の産業発展構造をハイスタンダードで構築している。そして、総額50億元の産業基金、5億元のイノベーション基金、信用拡張規模10億元の「政府・銀行・担保機構」プラットフォームを打ち出し、ハイテク産業開発区の実態経済をサポートして、企業の高度化を促進することで、テクノロジーの「小さな巨人」を育成している。

 それだけでなく、「流用術」を駆使して、現有資産を効率よく活用するというのも淮安ハイテク産業開発区の管理の特色となっている。

 例えば、低迷していた食用ハイドロゲルのプロジェクトが工場から撤退した後、橋渡しをすることで、市場の見通しが非常に明るい「多田紡織」のプロジェクトを誘致し、既に生産開始テストにまでこぎつけている。淮安ハイテク産業開発区のプロジェクト補佐の責任者によると、調査を通して、生産する製品の質、生産効率が悪く、エネルギー消費量が多い企業は排除し、元々あった工場の建物や設備などの資源を撤去して、誘致した新プロジェクトにすぐに着手した。そのようにすることで、元々あったプロジェクトの損失を止めて、新しいプロジェクトに舵を切り、ハイクオリティのプロジェクトのために発展のスペースを生み出すことができた。

 2度目の誘致を通して、新たに始まったプロジェクトはハイテク企業をメインとし、テクノロジーのウェイトと対外依存度が高く、敷地面積が狭いため、淮安ハイテク産業開発区における現有資産の有効活用にバタフライ効果をもたらしている。現時点で、淮安ハイテク産業開発区に進出している企業は合わせて1000社以上で、国立ハイテク企業が42社、外資系企業が82社ある。2018年、淮安ハイテク産業開発区の戦略的新興産業の売上高は前年比10.4%増となり、ハイテク産業の売上高が、一定規模以上の工業(年売上高2000万元以上の企業)の総売上高に占める割合は37.2%に達し、前年比48.91%増となった。また、固定資産投資は計178億6600万元で、うちハイテク産業の投資が65.02%を占めた。


※本稿は、科技日報「淮安高新区:打造半導体産業“芯”高地」(2019年1月29日付7面)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。


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