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安徽省:科学研究の種をまき、実用化の環境を構築

2019年 4月12日 呉長鋒(科技日報記者)

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視覚中国より

 世界スマートチップ分野の先駆者である北京中科寒武紀科技有限公司(以下「同社」)が、正式に安徽省合肥国家ハイテク産業開発区に入居することが決まった。同区で「中科寒武紀研究生産センタープロジェクト」を設立する。同社の陳天石総裁は「安徽省の良好な成果実用化環境と当社の業界における影響力を利用し、合肥市で新技術の応用モデルを模索する。伝統産業に力を与え、産業発展を促進し、産業チェーンにおける川上・川下企業の共同発展を後押しする」と述べた。

 安徽省は体制・メカニズム革新を突破口とし、科学技術の成果実用化に存在する「シーズ」「インキュベーション」「マッチング」など成果の移転・実用化に影響を与える際立った要素に焦点を絞り、捜索・捕捉、展示、インキュベーションマッチング、プロジェクト集約、融資拡大などのメカニズムを模索・構築し、科学技術の成果の移転・実用化の効果が際立っている。

シーズを育て、供給能力を拡大

 安徽省は2017年より省科学技術重大特別プロジェクトを205件、重点研究開発計画プロジェクトを238件選択・実施している。量子情報、スマート言語などの関連研究課題が国家重大科学研究プロジェクトの支援を受けている。関連科学技術計画プロジェクトの支援を受け、安徽省は量子情報、熱核融合、AI(人工知能)などの先端分野で一連の重大な革新の成果をあげている。同時に一連の革新の成果が順調に実用化され、産業の進展を実現している。

 安徽省科学技術庁の羅平副庁長は、科技日報の取材に対して、「安徽省の地域革新能力は7年連続で全国の先頭集団に入っている。全省が保有する有効発明特許は28.8%増の6万1,475件で、1万人あたり発明特許保有量は9.83件にのぼる。13件の科学技術成果が2018年国家科学技術賞を受賞し、前年より50%以上増加した。技術輸出および導入の契約額がいずれも300億元(1元は約16.6円)を突破し、前者は28.7%増、後者は30.96%増となった」と述べた。

 安徽省はオリジナルの革新を堅持し、成果の供給を保障し、一連の重大革新成果を生み出してきた。例えば「墨子号」による大陸間量子鍵配送の成果は、米国物理学会による2018年度の国際物理学10大進展に入選した。中国科学技術大学は初めて18個の光量子ビットのもつれの実現に成功し、再び世界記録を更新した。中国科学院合肥物質科学研究院の完全超伝導トカマク型核融合実験装置が、摂氏1億度のプラズマ運行を実現した。安徽農業大学は世界で初めて中国型チャノキのゲノムコードを解析した。また、中国電子科技集団第38研究所が独自開発した信号処理チップ「魂芯2号A」の性能が、世界の同類チップの性能を上回った。蚌埠玻璃院が開発した世界一薄い厚さ0.12ミリの電子タッチ操作ガラスが市場に出るなど、一連の産業革新の成果がブレイクスルーを実現した。

プラットフォームを構築し、実用化資源を集める

 安徽省は昨年より、高基準・高水準で代表的な10の安徽省実験室と10の安徽省技術革新センターを設立し、「一室一センター」運営管理規則を研究・制定している。また設立任務書をそれぞれ作成した。プラットフォームが実用化した科学技術成果は、安徽省の大きな特色となっている。

 安徽省科学技術庁の宛暁春庁長は「我々は大型研究院・研究所との協力を掘り下げ、成果実用化・インキュベーションプラットフォームの設立を加速し、中国工程院と中国工程科技発展戦略安徽研究院の共同設立を積極的に推進し、北京航空航天大学、ハルビン工業大学などの大学と共に、合肥市で研究開発機関を相次いで設立し、また、中国電子科技集団・西安交通大学・北京化工大学と、蕪湖・池州・安慶で、航空技術・スマート技術・化学工業技術研究院をそれぞれ設立した」と述べた。

 中国科学技術大学先進技術研究院の関係者は「我々は現在、複数の国家級重大プラットフォームの同研究院の設立を推進中だ。同時に電子技術、未来の情報、新材料・先進製造、バイオ医薬という4つの産業の共通性技術の研究開発・評価測定プラットフォームを設立している。同研究院は設立から5年で、各種革新・起業人材を552人集め、新興産業技術企業を222社育成した。環境保護難燃性塗料、クラウド印章、虹彩識別など一連の国内外の業界トップの応用技術を生んでいる」と説明した。

直ちにマッチングし、開放と共有を促進

 安徽省は現在まで、省科学技術成果オンライン登録システムを構築し、試験的に運用している。同システムは3,302件の科学技術成果を収録し、科学技術成果の開放・共有メカニズムを構築している。科学技術成果捜索・捕捉メカニズムの構築を通じ、「四送一服」(発展の理念、サポート政策、革新プロジェクト、生産要素を送り、実体経済に奉仕する)の展開を契機とし、安徽省科学技術庁は大学・研究院・研究所をまとめ、合肥・蕪湖・六安などで、学校と企業、研究所と企業のマッチングを行っている。統計によると、約100件の成果のマッチングに成功した。

 安徽省はさらに合肥浜湖科学城(合肥浜湖新区)に設立した安徽省大手研究院・大手研究所協力科学技術成果マッチングイベントを開催した。138の大学と科学研究院・研究所、400社以上の省内企業が参加し、安徽省政府と中国工程院が共同設立する中国工程科学技術発展戦略安徽研究院など72の重大協力プロジェクトも契約の調印に成功した。安徽省は昨年、産学研マッチングイベントを14回開催し、江淮知的財産権マッチング取引プラットフォームの設立準備を積極的に進め、87の科学技術仲介サービス機関の発展を支援した。

 安徽省はさらに関連政策・規定を打ち出し、安徽省科学技術成果実用化収益奨励科学技術者の比率を70%以上にした。安徽省は現在、大学・研究院・研究所が安徽省で実用化した科学技術成果、企業が省外から調達した科学技術成果(計768件)に対して、3,236万4,000元の奨励・補助金を支給している。ハイレベル科学技術者チーム支援計画をより深く実施することにより、安徽省で成果実用化を行う48の人材チームに対して3億元の株式もしくは債権の支援を行い、県及び企業による12億6,000万元の投資をけん引している。


※本稿は、科技日報「安徽:孵化科研種子,打造転化鏈条」(2019年3月28日付6面)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。