2009年07月20日-07月24日
トップ  > 科学技術ニュース>  2009年07月20日-07月24日 >  中国、南極にシュミット望遠鏡を設置へ

中国、南極にシュミット望遠鏡を設置へ

2009年07月22日

 中国の天文学者は今回、昨年1月に南極の内陸最高点「ドームA」に設置された「南極小型望遠鏡」(CSTAR)に続き、より優れたシュミット望遠鏡(AST3)を「ドームA」に 設置する見通しを明らかにした。新華社のウェブサイト「新華網」が21日伝えた。

 このほど開かれた「第3回海峡両岸(大陸部と台湾)天文望遠鏡と装置学術シンポジウム」で、南京天文光学技術研究所の宮雪非・副研究員は、AST3の設計はほぼ完成し、す でに加工テストの段階に入ったと発表。2010年から2011年の夏にかけて1台目のAST3望遠鏡が南極に設置される見通し。

 AST3は、口径50-70センチのシュミット式望遠鏡3台からなり、自由に鏡筒の向きを調整できる。一方、CSTARは口径14.5センチの望遠鏡4台からなり、鏡 筒の向きは天の南極の方向に固定してある。

 宮氏によると、観測能力がより優れているAST3は、暗黒物質やダークエネルギー、変光星、二重星、太陽系外惑星などの観測でより大きな役割を発揮するという。

 中国科学調査隊は2009年から2010年の夏には、「ドームA」に観測スペクトルがより広いフーリエ分析器を設置する予定。中国の天文学者は数年をめどに口径がより大きく、観 測能力がより優れた光学望遠鏡と電波望遠鏡をドームAに設置する考えだ。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます