2009年07月20日-07月24日
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日食観測、天候が大きく影響

2009年07月23日

 天文関係者は、ほとんどの観測地点で悪天候となったことに、がっかりした様子を見せている。「日食の光学部分の観測が相当な影響を受けた。今のところ部分的な成功を収めたとしか言えない」。国家天文台副台長で今回の科学観測の総指揮を努めたカク晋新氏は22日午後、記者の電話での取材にこう答えた。「科技日報」が23日伝えた。

 それでも、重力異常と電波観測の2つは天候の影響を受けず、比較的順調に行われた。上海のシャ山で重力異常の観測に参加した国家天文館の張長喜博士は、「今でも観測は続けられ、すべての装置が正常に作動している」と話した。

 「水星の軌道上にある小惑星」の探索は、天候の影響で失敗に終わった。3つの観測地点はそれぞれ蘇州、嘉興は大雨に見舞われ、武漢では日食は確認できたが、雲に遮られ、何ら収穫を得ることができなかった。「今回は観測にとって最悪の状況だったといえる。この観測は雲が全くない条件のもとでしか観測できないため、天候に対する要求が非常に高い」と南京紫金山天文台の趙海浜研究員は話す。

 今回の日食の主な観測地点は、江蘇省の蘇州、浙江省の海寧と天荒坪の3カ所だったが、天荒坪で日食が観測されたほかは、蘇州と海寧では大雨に見舞われ、この2カ所での観測計画は水の泡になった。

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