2009年07月20日-07月24日
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中国初の宇宙望遠鏡 2012年に打ち上げ延期

2009年07月23日

 中国が来年に計画していた初の宇宙望遠鏡の打ち上げが、2012年に延期となった。同プロジェクトの李惕碚・首席科学者(中国科学院のアカデミー会員)は22日、認可は下りたものの、資金問題により、プ ロジェクトはまだ始められていないと述べた。「新京報」が23日伝えた。 

 同望遠鏡は、3-4台の望遠鏡で構成され、それを搭載する衛星を含め、重さは約1トンになる。李氏によると、中国の科学者はこれを使って宇宙のブラックホールを観測する計画だという。

 望遠鏡は打ち上げられてから、地球から500キロ離れた軌道を周回する設計になっている。「望遠鏡の設計寿命は4年だが、できれば1年で宇宙をひととおり観察したい。現 在われわれは銀河系以外の10億光年まで観測できる」と李氏は語った。

 すでに設計プロジェクトは立ち上がり、地上実験機は完成したものの、資金問題から許可を得たにもかかわらず製造プロジェクトが始められない状況だという。望遠鏡は本体に3億元かかり、さ らに衛星とロケットを合わせると総工費は10億元になる。

 宇宙望遠鏡は現在、世界に2台しかなく、それぞれ米国とヨーロッパが保有している。「われわれの(望遠鏡の)性能はもっといいものだ」と李氏はいう。

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