2009年07月27日-07月31日
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中国、新型インフル新薬が開発 タミフルの独占破るか

2009年07月31日

 武漢大学医学ウイルス学研究所、ウイルス学国家重点実験室の楊占秋教授は30日、同研究所が中国独自の知的財産権をもつ新薬「アルビドール類似体」を開発し、新 型インフルエンザウイルスとその変異品種に対して効果があることが証明されたと、中国科学技術協会の機関紙と記者会見で発表した。この新薬は、新型インフルエンザ感染者の早期治療に役立てられ、タ ミフルの市場独占を打開することが期待される。人民日報系の北京紙「京華時報」が伝えた。

 楊教授によると、現在新型インフルエンザに効くとされる特効薬、タミフルの知的財産権は国外のメーカーが握っている。なおかつ、タミフルには副作用があるとされ、神経障害を起こす可能性があり、新 薬が早急に必要だとされていた。

 楊教授率いるチームは、ベンゾキノンを使ってネニチェスク反応など新しい原料と合成方法を通じて、中国が知的財産権をもつ新薬「アルビドール類似体」の合成に成功。国の特許( 特許番号CN200510018613.9)を申請し、この新薬が動物の体内で新型インフルエンザウイルスなど呼吸器ウイルスに対して効果があることを証明した。この成果は海外の医学雑誌「ArchVirol」で も発表された。

 この新薬は、前期の動物実験をほぼ終えたが、今のところ副作用は確認されていない。

 「早ければ来年にも臨床応用で用いられる」と楊氏教授は話す。新薬の研究・開発から市場に出回るまでの時間は比較的長い。数多くの審査・実験過程を経る必要がある。新 薬の研究成果はすでに科技部などの関連機関に報告された。現在、試薬の製造準備が進められており、関連手続きを経た後、来年には臨床応用が実施される見通し。

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