2009年08月03日-08月07日
トップ  > 科学技術ニュース>  2009年08月03日-08月07日 >  中国 独自のNC装置の開発に成功、高級工作機械に利用

中国 独自のNC装置の開発に成功、高級工作機械に利用

2009年08月03日

 中国最大の工作機械メーカー、瀋陽機床集団は1日、同集団が国際一流のレベルを持つNC装置「飛陽NC装置」の開発と産業化に成功したことを発表した。中国はこれにより、世 界最新レベルのNC装置の核心技術を掌握したことになる。「遼寧日報」が2日に伝えた。

 「飛陽NC装置」が導入された瀋陽機床の中・高級製品が今年以降、大量に出回ることになる。中国の中・高級デジタル制御工作機械に中国が独自に開発したNC装置が初めて導入され、中国は完全な意味で中・高 級デジタル制御工作機械の自主製品を有することになった。

 瀋陽航天(宇宙)新光集団自動車部品生産ラインではすでに、飛陽NC装置が導入された加工センター10台が24時間体制で2カ月以上運営している。初めの頃は突然の「フリーズ」に おびえていたユーザーらも、現在は安心して使用するようになったという。

 NC装置はデジタル制御工作機械の「大脳」といわれ、最も核心となる部品で、その価値は工作機械全体の価値のおよそ30%を占める。これまで、中国の中級・高 級デジタル制御工作機械に使われるNC装置はすべて輸入に頼っており、瀋陽機床集団のNC装置は主にドイツ・シーメンス社のものだった。

 この「大脳」の開発は瀋陽機床集団により最優先プロジェクトとされ、省・市の各級政府から強力な支持を得た。07年以降、瀋陽市政府は毎年5千万元を投入し、4年間に渡り支持してきた。

 自主開発したNC装置を有するようになった瀋陽機床集団は、今後3年のうちにこれまでの工作機械を淘汰し、全面的にデジタル制御化を進める計画だ。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます