2009年08月03日-08月07日
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プラズマ染色技術で省エネと排水削減

2009年08月07日

 中国科学院マイクロエレクトロニクス研究所は、中国貿易科学研究院江南分校と共同で開発した常圧プラズマ技術設備が浙江省紹興市で中国紡績工業協会の審査に通過したことを明らかにした。同 設備は綿布の染色の前処理に応用することで、約30%の省エネと排水削減が可能となる。「科技日報」が7日伝えた。

 研究チームの責任者の王守国博士によると、従来の染色工程だと、綿布を染色や捺染する前に糊抜きなどの工程で強いアルカリ剤を添加し、高温で蒸してから洗絨するため、大 量の化学的酸素要求量を含む排水が出る。その上、電力消費や環境への汚染が著しい。

 常圧プラズマ技術で処理すれば、綿布の染色の前処理で糊抜きなどの工程を省いたり短縮できるほか、生産コストを抑え、使用水の浪費や化学汚染物の排出を削減できる。こ の技術は繊維の染色と捺染の性能を高め、変色やウールの収縮を抑え、織物の手触りを良くし、防腐剤やアレルギー性の期待を除去する効果に優れている。

 常圧プラズマ技術を広めることで、染色業界の難題となっている汚染の解決を進めることができる。国内にある1000台の染色生産ラインに、この技術が導入されれば、毎 年2000万立方メートル以上の節水になり、汚染排水が減るほか、300万トン以上の消費電力が削減でき、化学品の使用量が大幅に減ることで、6億元以上の加工生産コストの節約になる。

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