2009年08月17日-08月21日
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直径500m、世界最大の電波望遠鏡の建設プランが確定

2009年08月20日

 国家自然科学基金の重点プロジェクトである、直径500メートルで世界最大の電波望遠鏡(FAST)の建設技術プランが確定し、貴州省平塘県で実地調査と建設が始まった。新華社のウェブサイト「新華網」が 19日伝えた。

 中国科学院と貴州省政府がこのほど貴陽で開いた戦略協力座談会で、国家天文台の厳俊所長は、総工費約6億6700万元にのぼるFAST事業の今年度は9056万元の予算が組まれ、こ れまでに992万元が投入されたと話した。実地調査機関に選ばれた貴州省の建設工程監査院は現在、同県の「くぼんだ水だめ」と呼ばれるカルスト地域のくぼ地で実地調査を行っており、今 月中には詳しい内容が報告される予定。今年末までに、FASTの建設地周囲1キロに設けられる保護区と周囲75キロに設けられる電波閑静エリアが完成する見通し。

 厳所長によると、第1段階の実地調査と開削で望遠鏡の建設に必要な条件をクリアしてから、反射面とフィードサポーティングシステムの建設が始まり、電磁波と望遠鏡の指向追跡機能が集約され、観 測基地が完成する。また、くぼ地に4600個からなる直径500メートルの主動反射面を敷設するほか、初めてユニットロボットなどが採用され望遠鏡の受信機によるポジショニングの高精度化が実現した。

 科学者らはこの10年間、研究と検討を繰り返し、FASTの建設地を貴州省平塘県に選んだ。このため、ここは他にはない地理的、地質的条件のほか、非常に静かな自然条件も備えている。

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