2009年09月14日-09月18日
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単分子素子の基礎研究に新たな進展

2009年09月16日

 中国科学技術大学・合肥マイクロスケール科学国家実験室の分子物理化学研究チームは、低温超高真空STMを利用し、髪の毛よりも6万分の1細いメラミンの小分子に「単分子手術」を行い、普 通の化工原料をダイオード効果と機械スイッチ効果を備えた機能単分子素子に加工し、単分子素子の多機能化に新たな道を開いた。この成果はまもなく出版される科学専門誌「米国科学アカデミー紀要」で発表される。「 科学時報」が16日伝えた。

 電子部品の小型化に伴い、科学者らは単分子を利用した電子素子の研究に注目。ここ数年、国内外の多くの研究チームが分子の固有性質を利用した単分子の素子化を実現したものの、単 分子素子は依然2つの重要な課題を抱えていた。一つは、理想的な電子学機能を持った分子を探すのが非常に難しく、分子手術を通じて分子に改造を加える必要があること。もう一つは、分 子素子への機能集成が分子電子学時代に入るひとつの鍵となること。もし単分子の多機能集成が実現できれば、素子の集成度を大幅に高め、より小さくより早い、消費電力の少ない電子設備がつくれるとされていた。

 科学専門誌「米国科学アカデミー紀要」の編集者は、今回の成果について「信頼できる結果であり、非常に革新的でこの分野のレベルを代表している」と評価する。

 この成果は、同チームが分子手術を利用し単分子マグネット制御を実現後、再び分子手術技術を通じて成功裏に獲得した重要な研究成果だ。このプロジェクトは、科技部重大科学研究計画、国家自然科学基金、中 国科学院知識創新工程方向性プロジェクトの支援によって行われた。

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