2009年11月09日-11月13日
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中国、高温超伝導技術をモバイル通信に応用

2009年11月09日

 中国が知的財産権を有する高温超伝導フィルターシステムを応用した初のモデル基地局がこのほど、3年連続の運行に成功した。清華大学物理学科が7日に明らかにした。

 これにより、中国の高温超伝導フィルター技術は、実験室のサンプル段階から小規模な実践へ、さらに産業化生産から大量・長期的応用へと発展し、重大なブレークスルーを果たした。中国は米国に次ぎ、高 温超伝導技術を世界で2番目にモバイル通信に応用した国となった。科技日報が8日に伝えた。

 同プロジェクトの責任者である清華大学物理学科の曹必松・教授によると、同モデル基地局は2005年11月に完成し、運営がスタート。北京大鐘寺地区における中国聯通(チャイナユニコム)の CDMAモバイル通信ベースステーション5カ所で応用され、住民10万人以上の通信をカバーした。それぞれのベースステーションには6つの超伝導フィルタシステムが使用され、そ れぞれのシステムには1つの超伝導フィルタと零下200度で使用する前置増幅器(ぜんちぞうふくき)が使用された。

 基地局のテスト結果によると、高温超伝導システムはベースステーションの受信感度と抗ノイズ能力を大幅に高め、通話の質を改善し、ベースステーションのカバー範囲を拡大するのに役立った。基地内では、携 帯電話の電力効率が平均で半分になり、人体への影響も大幅に減少した。携帯の電池寿命もこれに応じて延長されたという。

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