2009年12月01日-12月04日
トップ  > 科学技術ニュース>  2009年12月01日-12月04日 >  中国 南極に極地地球・宇宙環境実験室を建設へ

中国 南極に極地地球・宇宙環境実験室を建設へ

2009年12月04日

 専門家がこのほど明らかにしたところによると、中国は第26回南極観測期間中、南極東部の中山ステーションに「極地地球・宇宙環境実験室」を建設するという。新華網が3日に伝えた。

 中国極地研究センター・極地高空大気物理学研究室の胡紅橋主任によると、極地は地球が宇宙に向かって開いた窓のようなものだという。極地では磁場がほとんど垂直に出入りしており、太 陽風中の荷電粒子が地球磁気圏に入りやすく、さらにその下の電離層、中高層の大気にもほぼ垂直に荷電粒子が運ばれ、各層間でエネルギー、運動量、質量の結合を生み出しており、ここからオーロラ、粒子の沈下など、重 要な地球物理現象が生まれている。このため、南極地上観測は宇宙科学研究において、極めて重要な地位を持つ。

 中山ステーションは地球・宇宙環境観測において地理的なメリットに恵まれている。胡主任は「地球磁気圏の隙間は太陽風が地球の高空大気に入る直接のルートだ。中 山ステーションはちょうどこの隙間と同じ緯度にあるため、世界でも数少ない、午後のオーロラ観測ができる観測ステーションの1つとなっている。地球の自転に伴い、中山ステーションは昼間は磁気圏の隙間、夜 間はオーロラ帯が囲む極冠エリアと、1日に2回オーロラ帯を通り、豊富なオーロラ現象と電離層の変化を観測できる、理想的な地球・宇宙環境観測地だ」と述べる。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます