2009年12月07日-12月11日
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中国初、南極海に係留浮標システムを設置

2009年12月07日
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係留浮標システムを海に投げ入れる様子(左)
係留浮標システムの設置前に接続部分を確認する隊員(右)

 第26次南極観測隊は6日、中山基地から約60海里離れたプリッツ湾海域に係留浮標システムを設置し、中国初となる南極海での浮標観測を始めた。地球気候変動の原因を探す手がかりとなる。新 華社のウェブサイト「新華網」が6日伝えた。

 南極観測隊が今回プリッツ湾海域に設置したシステムには音響式ドップラー流速計(ADCP)をはじめ、水温水深計(TD)や沈積物捕獲装置などの観測設備や補助設備が搭載されており、こ の海域一帯の海流や温度などを2カ月以上かけて観測したりサンプルを採取し、2010年2月に南極観測船「雪竜」が再びこの海域に戻ってきた時に回収される。

 中国は南極観測を始めて以来、南極海を観測の重点に置いてきたが、これまでの南極海の観測は航行観測や広域観測が中心で、定点の長期間にわたる観測資料がなかった。薛宇歓氏によると、  このシステムは観測時間が長く、隠蔽型で、海上の気象条件の影響を受けずに測量できるなどの強みがあり、特に海水面から深さ650-350メートルのところで作業にあたるため、海水面の浮氷の影響が避けられ、長 期間にわたってデータを記録・観測し、サンプルを収集できる。

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