2009年12月14日-12月18日
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中国 菌類のDNAフィンガープリンティング研究で進展

2009年12月15日

 食用菌のDNAを採取し、DNAフィンガープリンティング技術でサンプル菌に対して「個体識別」を行い、菌の同名異種、同種異名問題を解決することが可能となった。

 11日に行われた「福建省食用菌資源科学技術共有プラットフォーム建設および関連技術研究」プロジェクトの検収会で明らかになったところによると、同 省はDNAフィンガープリンティング技術を応用して食用菌の分類を行い、品種資源の共有プラットフォームを建設した。専門家によると、同研究は世界的にもトップレベルに達しているという。「科技日報」が 15日に伝えた。

 福建省は、栽培する食用菌の種類が全国でも最も多く、品種もそろっており、輸出総額も全国トップとなっている。しかし、市場競争が激しくなったことから、種 菌生産者の一部が商業目的から菌の名前を勝手に変更するなどして、同名異種・同種異名の深刻な問題が見られており、移植した種菌が気候条件に合わないなどの原因から、減産、収穫ゼロなどの問題が起こり、省 全体で毎年1000万元にのぼる損失がもたらされている。

 プロジェクトの責任者である、福建農林大学菌物研究センターの謝宝貴主任によると、同プロジェクトでは全国から幅広く菌を収集、菌の保有数が全国で最も多く、種類も最もそろっているデータバンクとなり、菌 株2216種類のDNAフィンガープリントが制作された。これを基準として、親子鑑定や法医学に基づく個体識別技術を応用し、品種の鑑定技術を確立すれば、サンプル菌と指定品種が符合するかどうかの鑑定ができ、新 品種の認定にも応用できるという。

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