2010年01月01日-01月01日
トップ  > 科学技術ニュース>  2010年01月01日-01月01日 >  中国の社会科学研究の成果、転化率はわずか5%

中国の社会科学研究の成果、転化率はわずか5%

2010年01月04日

 このほど北京で開催された「大学における社会科学研究・地方経済社会発展トップフォーラム」において、ある専門家は「現在、大 学が行っている国家科学技術難関突破プロジェクトは全国総数の4分の1を占める。近年、大学の自然科学研究成果の多くが、実際の生産の場面に転化されている。一方で、人文・社 会科学類研究成果の転化は明らかに不足している。社会科学研究成果の転化率はわずか5%-6%であり、産業を形成しているのは3%にすぎない」と述べた。「科技日報」が4日に伝えた。

 専門家によると、社会科学研究の転化率が低い原因として、注目に値すべき2つのポイントがあるという。

 第1に、奨励制度の不足。社会科学成果は最終的には社会的利益となり、経済利益を直接上げるとは限らないため、大多数の社会科学成果は往々にして、権威ある雑誌などに成果を発表したり、業 界内で賞賛と名誉が与えられたり、資格を与えられたり、賞を受賞するのみで終わってしまう。

 社会科学と社会、企業、市場間に合理的な利益の結合点がないために、社会科学成果の転化が市場からの支持を得られない。

 第2に、転化ルートがスムーズでないことが挙げられる。社会科学成果の転化には、第1次転化と第2次転化がある。第1次転化とは、研究者が成果を発表することを指し、一般的に学術界内で転化され、範 囲は非常に限られている。第2次転化とは、科学成果を引き続き掘り下げていくことで、すなわち成果の転化である。これはテレビ、ラジオ、ネットワークなどのメディアで行われたり、学術講座、学 術フォーラムなどの形となるため、教師だけでは実施できず、大学と社会間にプラットフォームを打ち立てる必要がある。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます