2010年02月08日-02月12日
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四川省で西漢時代の古墳が発見 青銅剣などが出土

2010年02月08日

 四川省考古研究院は5日、同省雅安市でこのほど西漢時代の古墳が発見され、青銅製の古剣など重要文化財が10点余り出土したと発表した。新華社のウェブサイト「新華網」が6日伝えた。

 雅安市イン経県六合郷古城村に位置する古墳は、今から2千年以上前の西漢時代のものとされ、墓主は一人の男性。墓主の足元にあった青銅製の古剣は真っ先に人目を引いたという。こ の土坑木椁墓(どこうもっかくぼ)から出土した10点余りの青銅器、漆器などの文化財は保存状態がよく、四川省考古研究院の専門家により重要な考古学的発見と認定、古 代の蜀の漆器技術や商業貿易の往来の研究に実物による重要な根拠を提供することになる。

 四川省文物考古研究院の黄家祥副隊長によると、古墳は開けられた痕跡がなく、保存状態が非常によく、2千年以上前に蓋板として使われたむしろさえもきれいに保存されていた。墓 主の腰には数珠のような装飾品が掛けられていた。器の文様や組合せから分析して、西漢初期の土坑木椁墓とみられるという。

 墓主の足元には約80センチの青銅製の古剣が横たわり、剣柄と剣身にはキズ一つなかく、黒く光る凸紋の剣鞘にわずかに先に少しキズが見られるだけだった。宝 剣の周りには剣鞘上の装飾品と思われる磨き上げられた玉が散在していた。このことからも青銅剣が相当貴重なものだと想像できる。

 このほかに古墳から出土したものとして、漆黒の箱や耳杯、取っ手のついた長箱など漆器が数点あり、まるで新品のようにつややかだという。

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