2010年02月15日-02月19日
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中国低活性化マルテンサイトの大規模精錬に成功

2010年02月22日

 中国科学院金属研究所の楊柯・研究員と単以銀・研究員が率いる、最新鋼鉄材料課題グループはこのほど、国内の特殊鋼生産企業と協力し、中国低活性化マルテンサイト(China Low Activation Martensite,CLAM)の大規模製錬(1トン以上)に成功した。このたび製錬されたCLAM鋼のインゴット(鋳塊)は、化学成分の均一性が高く、成分も設計の要求を満たしている。「科学時報」が22日に伝えた。

 CLAMとは中国が知的所有権を有する鋼で、将来の核融合炉の材料として候補に上がっている。実験室で小規模製錬されたCLAMの性能は、ヨーロッパの「Eurofer97」や、日本の「F82H」、米国の「9Cr2WVTa」など、世界の同類の鋼と同レベルにすでに達しているが、核融合炉は将来、その構造がますます大きくなると見られており、大規模製錬をクリアすることが、将来の核融合炉で使えるかどうかの要となる条件の一つだった。

 現在、ヨーロッパでは「Eurofer97」の3.5トン級製錬が、日本では「F82H」の5トン級製錬が行われており、それぞれ大規模製錬を実現している。また、成分の調整、性能レベルも絶えず改善を重ねている。

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