2010年03月08日-03月12日
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「国家電子言語地図」10年で完成か?

2010年03月11日

 中国の言語資源の音声データベースが構築されたことを受け、今後10年で「国家電子言語地図」が完成する見込みだ。完成すれば各地の方言や各民族の言語、風俗・風習、文化を伝えるものとなる。新 華社が9日伝えた。

 9日に北京で開催された国家語言文字工作委員会の2010年語言文字工作会議で、同委の副主任を務める教育部語言文字情報管理司の李宇明司長は次のように述べた。同 委は2008年に中国言語資源の音声データベースのテスト事業をスタートし、これまでに江蘇省で第一期モデル事業を完了させた。今後は上海市で第二期モデル事業を実施する計画だ。

 李司長は「現在、中国文化の一翼を担う少数民族の言語や方言が急速に変化しており、消滅の危機に瀕するものもある。現代の録音・録画技術を利用して、今 ある中国語の方言や少数民族の言語を保存することが必要だ」と話す。

 また李司長は次のように指摘する。国家電子言語地図の作成は、理想をいえば各県ごとに1枚ずつ作成するべきだ。全国約4千の県級単位に加え、地方の言語状況が複雑な地域を挙げれば、お そらく全国で1万枚が必要になるということだ。江蘇のモデル事業では、各調査地点での調査対象者は4人で、一人あたり1時間半から2時間をかけて調査を行った後、採取したデータをデータベースに登録した。採 取する情報の量は最終的には天文学的な数字になるとみられる。

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