2010年03月08日-03月12日
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中国近海の海洋生態系、わずか24%が健康

2010年03月13日

 国家海洋局が11日発表した「2009年中国海洋環境質量公報」で、中国の全海域で水質がきれいな状態でない海域面積が約14万7000平方キロメートルと、08年よりも7.3%増加し、近 海の海洋生態系の悪化にいまだに歯止めがかかっていないことがわかった。観測を実施している海洋生態系のなかで、健康な状態の近海海洋生態系はわずか24%、亜健康(不健康予備軍)は52%、不健康は24%だ った。科学時報が12日伝えた。

 報告によると、昨年汚染が最もひどかった海域はそれぞれ遼東湾、渤海湾、莱州湾、長江河口、杭州湾、珠江河口と一部の大・中都市近海の水域で、海水中には無機窒素や活性リン酸塩、石 油などの汚染物質が主に含まれていた。

 また川から海に流れ込む汚染物質の量も前年より増加した。観測を実施している457カ所の下水口のうち、73.3%で基準値以上の汚染物質が海に流れ込んでおり、一 部の下水口近くの海域では環境汚染が深刻化していた。長江河口、珠江河口の海域では、銅などの重金属が大気から流入する量が増加傾向にある。海のゴミの量は全体的にそう多くはないという。

 昨年は1年を通して赤潮が68回発生し、累計面積は1万4100平方キロメートルにおよんだ。赤潮の発生回数と累計面積は前年とほぼ同じ水準だった。

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