2010年03月22日-03月26日
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中国、南極ドームAに遠隔操作望遠鏡を設置へ

2010年03月25日

 中国科学院国家天文台南京天文工学技術研究所(以下、南京天光所)の宮雪非博士が24日に明らかにしたところによると、中国は現在、南極内陸部の最高点「ドームA」に天文観測ステーションを建設中で、全 自動の遠隔操作機能・追跡機能を持つシュミット望遠鏡(AST)を設置し、天体の観測を行っていくという。南極ドームAは世界でもっとも優れた天文台の設置地点となる。中国新聞社が24日に伝えた。

 宮雪非博士によると、シュミット望遠鏡は第27回南極観測中に設置が予定されており、設置後は南京の事務室に座ったまま遠隔操作が可能となる。例えば、ある天体の観測を行いたい場合、マ ウスをクリックするだけで、イリジウム・ネットワークを通じて望遠鏡の電源を入れ、方向を調整し、天体を自動的に追跡・観測することができる。データは再びイリジウム・ネ ットワークを通じて事務室のパソコンに伝えられるという。

 南京天光所が開発したシュミット望遠鏡は、レンズの直径が70センチ、重さは2トンで、現在最終的なテスト段階に入っている。宮博士によると、南極天文観測ステーションはこのほか、今 後5年間で▽2-4メートル級の光学望遠鏡▽5メートル級のテラヘルツ電波望遠鏡--の開発を進め、中国人科学者が主導となった南極天文台を建設していくという。

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