2010年03月29日-03月31日
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中国 原発関連のNC装置が初めて市場進出許可を獲得

2010年03月29日

 国家核安全局は26日、中国のシステムエンジニアリング企業である北京広利核系統工程有限公司に対し「民用原子力セキュリティ電気設備設計・製造許可証」を交付した。

 原子力セキュリティレベルに関するNC装置(機械などの動きを数値的に制御するシステム)は、原子力発電所の運行・操作・監視・制御における「中枢神経」とも言われている。同 装置の市場進出許可を中国企業が取得したのは今回が初めて。「科技日報」が27日に伝えた。

 原子炉の緊急停止や工学的安全施設(ESF)作動信号の発信などを行う同NC装置は、原子炉における事故発生後の観測およびセキュリティコントロールを行う重要設備だ。

 中国で現在運行中、および建設中の原子力発電所におけるセキュリティ計装・制御(I&C)設備は全て輸入品で、要となる技術はドイツのシーメンス、フランスのアレヴァ、日本の三菱など、少 数の多国籍企業に独占されている。中国の原子力発電は、関連設備やサービスに関する交渉において、技術移転・価格などで毎回制限を受けており、このことは、中国の原子力発電の大規模化、大 量建設を制約するボトルネックとなっていた。

 国家環境保護部核安全司の劉華司長によると、国家核安全局は国内初となる同設備の許可証審査を特に慎重に行ったという。セキュリティ設備の設計から製造能力にいたるまで、0 8年11月から2010年2月までの15カ月にわたって全面的な技術審査を行い、専門家委員会の認可を獲得した。

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