欧州原子核研究機構(CERN)は30日、スイス・フランスの国境に設置された大型ハドロン衝突型加速器 (LHC)において、総 エネルギー7兆電子ボルトで陽子ビームを衝突させる実験を初めて成功させたことを発表した。LHC実験に参加した中国科学院高エネルギー物理研究所・粒子天体物理センターの陳国明研究員は「 LHC実験には中国の科学者も積極的に参加した」と伝えた。「科技日報」が31日に伝えた。
LHCのトンネル内部にはCMS、ATLAS、LHCb、ALICEという4つの測定器が設置された。うちCMS実験には、中国から以下の4つの科学研究機関が参加した。
▽中国科学院高エネルギー所と北京大学は、ミューオン検出器(CSCとRPC)の3分の1を建設したほか、CMS技術設計報告の推定に参加した▽中国科学院上海硅酸塩研究所は、+ CMSの測定に要となる材料を提供した▽中国科学技術大学は、電磁カロリーメーター(ElectroMagnetic Calorimeter, EMC)の開発に参加した。
CMS中国実験グループはこのほか、中国科学院高エネルギー所にCMS実験リモートコントロールセンターを設立。CERNと米国Fermilabとともに、C MS実験のリアルタイムコントロールを分担して行った。
また、ATLAS実験にも中国人科学者が参加している。中国科学院高エネルギー所実験物理センターの金山研究員によると、ATLAS実験には中国から、▽ 中国科学院高エネルギー所▽山東大学▽中国科技大学▽南京大学--の4機関が参加した。これらの機関はATLAS実験において、ミューオン検出器、EMCの設計・建設に重要な貢献を果たしたという。