2010年05月03日-05月07日
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中国人科学者、耐放射能性微生物の研究で進展

2010年05月05日

 新疆農業科学院微生物応用研究所の石玉瑚研究員は、8年間にわたる研究の末、高レベルの放射線に汚染された土壌から耐放射能性の真菌(酵母菌を含む)を分離させることに成功した。研 究成果は世界的な微生物学術誌「IJSEM」上で正式に発表された。新華網が4日に伝えた。

 石玉瑚氏は「耐放射能性真菌の分離に成功したことで、耐放射能性微生物が、原核生物から真核生物へと大きな飛躍を実現したこととなる。このことは、耐 放射能性微生物の起源と進化の研究に向けて科学的根拠を提供しただけでなく、気候変動が地球の生物種に与える影響についても新たな解釈をもたらした」と述べる。

 石玉瑚氏はまた、「初歩的なテストの結果、発見した微生物、特に耐放射能性の真菌には、耐重金属(鉛、クロム、コバルト、ニッケル、銅)、耐紫外線、耐有毒有機物、耐干ばつ、耐 塩などの特性があることがわかった。このことは、宇宙分野への応用、農業、医療分野での新製品開発に向けた、新たなルートが開けたことを意味する」と述べた。

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