2010年05月10日-05月14日
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中国初の炭素隔離プロジェクトが準備段階に

2010年05月10日

 グリーン・エコノミーと気候変動対応に関する国際協力フォーラムが8日に行われ、華能集団の天津IGCC(石炭ガス化複合発電)モデル発電所が、CCS(二酸化炭素回収・貯留)技 術を2期プロジェクト計画に組み込んでいることが明らかになった。これにより、国内初となる炭素隔離プロジェクトが準備段階に入ったこととなる。「科技日報」が9日に伝えた。

 華能集団緑色煤電有限公司はフォーラム上で、IGCCとCCS技術を融合させた技術路線を発表した。同公司の工学担当・孫氏の紹介によると、乾 燥した石炭粉がガス化装置の中で不完全燃焼を起こして発生する混合気体には、主に一酸化炭素、水素、水蒸気、少量の二酸化炭素などが含まれる。

 1期プロジェクトでは、この混合気体を直接燃焼し、発電させていたのに対し、新技術路線では、混合気体をまず水性ガス変換装置に取り入れ、一酸化炭素と水を反応させて二酸化炭素と水素を発生させた後、分 子サイズの違いに基づき、気体膜分離装置を通過させることで、二酸化炭素だけを集めるという。

 孫氏は「理論上では、二酸化炭素の収集率は90%以上となる。われわれは集めた二酸化炭素を天津の廃棄油田の中に貯留する計画だ。貯留にあたっての主要問題は、パイプ敷設の安全性にある。技 術的にはそれほど困難はない。」と述べる。計画によると、2期プロジェクトの発電量は400-450テラワットに達する予定。現在、同プロジェクトは中間段階試験の設計段階にあるという。

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