2010年05月17日-05月21日
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チベット族に高海抜適応のための特種な遺伝子

2010年05月18日

 青海大学医学院と米国ユタ州立大学ソルトレイクシティキャンパスの研究者で構成された合同科学研究チームは膨大な科学的探求を経てこのほど、青蔵高原で2系統の蔵族(チベット族)の 体に高原の環境に適応するための特種な遺伝子があることを発見した。この成果は今月14日、自然科学界で権威ある学術誌「サイエンス」に掲載された。ある専門家は、この遺伝子は人類が高原病を予防・治 療するうえで、画期的な意義をもつものとなると指摘する。新華社が17日伝えた。

 今回の発見を導いた研究の中国側責任者である青海大学の格日力副校長は、この研究は「国際人類ゲノム単体マップ計画」の一環であり、中国人科学者の30年に及ぶ努力の結果であり、中国高原医学界が「 サイエンス」に論文を発表する初めてのケースでもあると話す。

 格日力副校長によると、低海抜地域で生活する人が高原地域に来ると、体の中の酸素が不足して、高原病の反応を引き起こし、これが致命的な心臓あるいは脳の炎症につながる可能性があり、健 康にとって深刻な脅威だ。また低海抜地域で生活する人の血液中の酸素を運ぶヘモグロビンA1cは、所在地の海抜によって濃度が上昇して高原の環境に適応するようになるという。

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