2010年05月17日-05月21日
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「抗SARS剤」の開発に成功

2010年05月20日

 南開大学の饒子和校長(中国科学院院士)はこのほど、「たんぱく質構造と新薬発見」をテーマとする学術報告会に出席した際、「抗SARS剤」の開発に成功したことを明らかにした。「深セン特区報」が 18日に伝えた。

 饒氏は報告の中で、SARSウイルスに対する研究成果を紹介した。それによると、SARSウイルスは冠状ウイルスの一種で、これまでに発見されている26種類の冠状ウイルスの中では唯一、人 体に大きな危害をもたらすものだという。その他の冠状ウイルスは現在も存在しつづけているが、SARSウイルスは「姿を消した」。しかし、二度と姿を現さないとは言えないため、2003年以降、S ARSの研究は絶えず行われてきた。

 饒院士率いる研究チームはすでに確かな効果を持つ「抗SARS剤」の開発に成功しており、臨床実験に合格すれば、国の戦略的な貯蔵薬品となるという。

 中国の著名な生物学者である饒院士は、重要なウイルスや腫瘍に関するたんぱく質構造・機能および新薬品の研究を行い、一連の重要な研究成果を取得している。これまでに、SARSウイルス、鳥 インフルエンザウイルス、膜タンパク質の3D構造・機能の研究などで大きな貢献を果たしている。

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