2010年06月07日-06月11日
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遺伝子組換え技術が中国の戦略的選択に

2010年06月11日

 中国科学院上海生命科学研究院の陳暁亜院長は10日、中国が直面する人口、資源、環境方面の大きな負担、遺伝子組換えなどのバイオテクノロジーは、中国の食糧と環境門を解決する有力な手段であり、す でに国の戦略的選択となっていると述べた。中国新聞社が10日伝えた。

 中国科学院第15回院士大会の学術年次総会が同日午後、北京で開催され、陳氏は「遺伝子組換え技術の研究と応用」と題する学術報告を行った。それによると、遺伝子組換え作物の産業化は急速に進んでおり、1 996年に初めて商業化されて以来、農業の近代史上最も早く利用が進んでいる作物育種技術だという。2009年の中国の遺伝子組換え作物植付け面積は370万ヘクタールと世界で6番目に広い。主に綿花やポプラ、ト マト、パパイヤ、ピーマンなどの作物が植えられ、病害虫に対する抵抗力が強く、良質な作物を増産できることから、農業生産における目覚しい経済効果と生態効果が期待されている。

 植物生理学者である陳氏によると、遺伝子組換え技術は将来の農業生産において活躍するが、安全性と環境面での懸念と憂慮の声もささやかれている。遺伝子組換え技術については、科 学的な態度で客観的な対応をし、標的遺伝子がもたらす影響に対して十分に研究分析を行う必要がある。関連法律・法規の整備をベースに科学の宣伝にも力を入れ、国民の遺伝子組換え技術に対する認知度を高めていき、遺 伝子組換え技術の研究と発展を更に推し進め、社会・経済と人々の健康に役立てていく方針だ。

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