2010年07月12日-07月16日
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中国人 健康面で「カロリー過多」と「栄養不足」の2つの問題

2010年07月13日

 中国疾病予防コントロールセンター栄養・食品安全所の楊暁光研究員は、このほど行われた「第2回全国健康科技ハイレベルフォーラム」に出席し、「2002年と1992年の調査データを比較分析すると、この10年間で中国の太り気味の人口は40%増加し、肥満の人口は2倍になっている。もし人口と患者率の増加スピードが変わらなければ、2012年、中国の太り気味人口は約3億人、肥満人口は1億3千万人、糖尿病人口は少なくとも4千万人に上るだろう」と述べた。「科技日報」が13日に伝えた。

 最近行われた栄養・健康に関する全国調査の結果によると、児童および青少年の成長・発育レベルは安定的に向上し、児童の栄養不良による発病率は明らかに低下している。しかし、微量栄養素(ビタミン、ミネラル)の不足問題は依然として存在している。

 特に、鉄の欠乏は中国人に普遍的に当てはまる問題だ。中国人の貧血率は15.2%に上り、うち2歳以下の幼児、60歳以上の老人、15-49歳までの女性の貧血率はそれぞれ24.2%、21.5%、20.6%に上る。また09年、貧困農村における女性・児童の貧血率は上昇している。

 楊氏は、穀物の加工精度の上昇と、野菜・果物に含まれる栄養素が全体的に減っていることが、上述の現象を招く主な原因となっていると見る。米国の統計によると、栽培する季節や周期の変化により、野菜や果物に含まれる鉄や亜鉛などの栄養素は、以前よりも約30%前後減っているという。

 楊氏は国民の微量栄養素欠乏に対して警鐘を鳴らす。「先ほど私の言った『栄養過多』というのは、食事におけるカロリー過多を指します。しかし、鉄やビタミンA、ビタミンDなどの微量栄養素不足は依然として普遍的に存在しており、国民の健康的素質は楽観を許しません」。

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