2010年07月19日-07月23日
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中国 第4世代原子力技術でブレークスルー

2010年07月23日

 中国核工業集団(中核集団)中国原子力科学研究院が自主開発した、中国初の高速中性子炉「中国高速中性子実験炉(CEFR:China Experimental Fast Reactor)」が21日、初臨界に達し、稼動が始まった。「中国網」が22日に伝えた。

 中核集団の責任者は「臨界は、CEFRにとって最も重要なポイントだ。これで、中国人は高速炉の技術を把握したこととなる」と述べる。これは、中国の原子力発電分野における重大な自主革新の成果であり、第4世代原子力エネルギーシステムの技術において、中国が重大なブレークスルーを果たしたことを示す。これにより、中国は米国、英国、フランスなどに続き、高速炉技術を把握した8番目の国となった。

 高速中性子炉とは、第4世代原子力発電システムを応用した原子炉であり、現在稼動中または建設中の第2世代・第3世代原発と違い、炉内で核燃料を循環させながら発電するため、ウランの利用率を60%以上にまで高めることができ(現在の原子炉の場合、利用率はわずか1%)、核廃棄物を最大限に減らすことができる。高速炉の発展と普及が実現すれば、世界のエネルギー持続可能発展問題を根本的に解決することが可能となると見られている。

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