2010年07月26日-07月30日
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青海-西蔵をつなぐ送電プロジェクトが着工

2010年07月30日

 海抜が世界最高、電線の長さが世界最長で、工事の難度が世界一高い送変電プロジェクト「青海-西蔵(チベット)750キロボルト/プラスマイナス400キロボルト交直流ネットワークプロジェクト」が国務院の認可を経て29日、格爾木(ゴルムド)と拉薩(ラサ)で同時に着工した。「人民日報」が30日に伝えた。

 「天の道」とも呼ばれる同プロジェクトは、東は西寧から西はラサまでをつなぎ、平均海抜は約4650メートル。送電線の長さは1774キロメートルで、うち、約565キロメートルは永久凍土を貫通する。プロジェクトの総投資額は139億1800万元で、2012年末には使用が始まる予定。

 青海と西蔵をつなぐエネルギーの大動脈である同送電線は、西蔵の冬の渇水期における深刻な電力不足問題を解決するばかりでなく、西蔵経済社会の飛躍的な発展に向けて、着実なエネルギー保障を提供するものとなる。また、夏には西蔵中部の水力発電による余剰電力を青海へと送電し、西蔵の水力発電資源を経済利益に転化することも可能だ。

 国家電網の予測によると、使用開始後の3年間で、西蔵の電力網が同送電線から受け取る電力は約40億キロワット時にのぼる。これは、標準石炭換算で136万トン分の節約となり、二酸化炭素355万トンの排出を削減できる。

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